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【高知家の後継者募集】仁淀川沿いの人気のおむすび店を引き継ぐ!高知県いの町「仁淀川の結び」
この情報は2026年8月30日時点の情報となります。

海と山の香りが溶け合う田舎道を進むと、そこには時を重ねた一軒の古民家が静かに佇む。

石造りの門柱の横には土蔵があり、白い漆喰が陽光を浴びて眩しく輝く。手入れされた庭には整然と置かれた敷石が玄関まで延びている。
ここは、高知県の須崎市浦ノ内にある古民家カフェ「綺まぐれ」。
店内に入ると、職人技が光る欄間や古民家の歴史を見守り続けてきた神棚、長い年月が刻まれた箪笥などが目に飛び込んでくる。

どれもが遠い昔からこの家と共に歩んできたものだ。
リフォームが施された今は、新たな役割が与えられ、店舗の魅力の一部として静かに息づいている。
「私の曽祖父が建てた家で、築100年ぐらいでしょうか。10年ほど前にリフォームしてこの店を始めました」
オーナーの間慶子(はざま・けいこ)さん(74)が気さくな笑顔で説明する。

両親が暮らしていた家で、間さんが生まれ育った実家だ。
「壊すのも忍びない」と悩んでいたところ、幼馴染や近所の知人らから「皆が集える場所が欲しい」という要望が。
その声に押されて一大決心。大規模なリフォームを施し、古民家カフェとして蘇らせた。

席に座ると、格子戸越しの外には丁寧に手入れされた庭が広がる。
整えられた草木が、優しい風に静かに揺れる。華やかさを誇示する庭ではない。長い時間をかけて人の手で育まれてきた、穏やかな美しさがにじみ出る。
間さんは、昨年まで会社の事務員としてフルタイムで勤務していた。このため、店を開けていたのは土日のみ。高知市内の住居から通いながら、一人で切り回していた。限られた営業時間で、全く宣伝もしていなかったにも関わらず、店の評判が口コミで広がり、多くのお客さんが来るようになったという。

「色々あって今は月に2日ぐらいしか開けていません。体調のこともあって、もう辞めようと考えたりしましたが、常連の人に何とか続けて欲しいと言われて…」
そこで、店を閉めるのではなく、後継者に託そうと決心。店をこのまま引き継いで、地域の憩いの場として続けてくれる人を、全国から募集することに決めたわけだ。
敷地は約100坪で、店舗は約92㎡、約46㎡の居住スペースを有する。店舗の収容人員は30人前後と十分な広さ。

10年余り前にリフォームしたばかりで、内装は綺麗で新築物件のようだ。
「この店のコンセプトは、人と人の繋がりを大切にすること。店内で何気ない会話が弾むことがとても気持ち良かった。この雰囲気を受け継いで欲しい」
年代物の箪笥の前に腰かけた間さんが微笑む。この箪笥の中に、幼い頃の間さんの服もしまわれていたそうだ。

浦ノ内湾から吹く穏やかな風に包まれた古民家カフェ「綺まぐれ」。
そこには、古い家だけが持つ落ち着いた空気と、人の心を穏やかにする静かな時間が流れている。
そこに残された家具や庭の景色、過ぎてきた年月が刻んだ物語が、次代へ引き継がれる新たな出会いに期待したい。
綺まぐれ
住所:高知県須崎市浦ノ内東分1782
経営は上手く行っているのに、後継者がいないために廃業せざるを得ない――そんな悩みを持つ企業が全国的に激増し、大きな社会問題になっている。高齢化先進県である高知県は全国に輪をかけて、事業承継の課題が山積している。「県内での事業承継を少しでも増やしたい」。このコーナーは、事業を譲りたい人と受け継ぎたい人を繋ぐ連載です。
高知県事業承継・引継ぎ支援センター
電話:088-802-6002
メール:kochi-center@kochi-hikitsugi.go.jp
担当:藤井、野本