起業・事業承継
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この情報は2026年6月19日時点の情報となります。

濃厚な味噌スープに浸るちぢれ麺の上に、揚げたてのカツがドーンと鎮座する。
強烈な存在感を放つこのラーメンの名は「みそカツラーメン」。
高知県が発祥の地と言われている独特のラーメンだが、特にこの店のカツはボリューム満点。
カツ丼に載せられているようなサイズが、ラーメン鉢の半分を占拠している。

店の名は「天晶」。高知市郊外の市街地の一角に立つ。
オープンして1年3カ月の新しい店舗だが、お昼時には多くの客が詰めかけている。
メニューは12種類ほどあり、みそカツラーメンは人気の一つだ。

「スープにはこだわっています。高知の人の口に合うように試行錯誤しました。最後まで飲めるような濃さになってますよ。また、カツは大きめの肉で揚げたてを載せてます」
ラーメンを配膳しながら、店長の川村章浩さん(49)が説明してくれた。

大きいカツは気になるところだが、最初はやはりスープからだろう。
一口目から、深いコクが体に染み渡る。舌が待ちきれずに、つい箸がカツにいってしまう。
衣の香ばしさと豚肉の旨みがスープと絶妙に溶け合う。麺をすすり、カツをかじり、またスープを飲む。
その繰り返しが止まらない。あっという間に器の底が見えてきた。
オープン1年ちょっとで人気が出ているのには理由がある。
もちろん味が決め手なのは言うまでもないが、この店舗がオープンする前に、高知市内の別の場所で「一方」というラーメン店を手掛け、既に人気になっていたからだ。
借りていた店の都合で移転することになり、心機一転、店名も改称。その繋がりで、前の店の常連さんも大勢来てくれているのだという。
新店舗は順調に滑り出し、売上高も右肩上がりになっていたのだが、好事魔多し。川村さんを病魔が襲った。
突然の頭痛で倒れて救急搬送の事態に。検査の結果、頸動脈狭窄症と診断されて、今年4月に手術を余儀なくされた。
今は何とか店に立つまでに回復しつつあるが、 「とても以前のように仕事ができない。こんな身体でラーメンを作ったら、お客さんに申し訳ない」と悩み、全国から引継ぎ手を探すことを決断したという。
店はボックス席とカウンターの合計14席。オープン間もないだけに、店内は新しく清潔そのもの。使用している調理器具や機材も新しい。


前店舗から働き、全メニューを作れるベテランの女性従業員さん(53)が「基本的にそのまま働いても構わない」そうで、川村さん自身も伴走支援してくれるという。
人気のメニューや味を引き継ぎたい希望があれば、かなりの好条件と言えそうだ。
高知で生まれたみそカツラーメンを進化させ、店の看板メニューに押し上げた川村さん。
熱い思いを受け継ぎ、さらに昇華させる後継者は現れないものか。
そのバトンの引き継ぎが成れば、店名にある「晶」の文字のように、光り輝く未来が見えてくる。
天晶
住所:高知県高知市神田412-123

経営は上手く行っているのに、後継者がいないために廃業せざるを得ない――そんな悩みを持つ企業が全国的に激増し、大きな社会問題になっている。高齢化先進県である高知県は全国に輪をかけて、事業承継の課題が山積している。「県内での事業承継を少しでも増やしたい」。このコーナーは、事業を譲りたい人と受け継ぎたい人を繋ぐ連載です。
高知県事業承継・引継ぎ支援センター
電話:088-802-6002
メール:kochi-center@kochi-hikitsugi.go.jp
担当:西内、野本