起業・事業承継
【高知家の後継者募集|飲食店特集】ご当地ラーメンに鉄板焼きに町中華!UターンIターンも大歓迎!
この情報は2026年5月21日時点の情報となります。

経営は上手く行っているのに、後継者がいないために廃業せざるを得ない――そんな悩みを持つ企業が全国的に激増し、大きな社会問題になっている。高齢化先進県である高知県は全国に輪をかけて、事業承継の課題が山積している。「県内での事業承継を少しでも増やしたい」。このコーナーは、事業を譲りたい人と受け継ぎたい人を繋ぐ連載です

街の中心から外れ、車の通りもまばらになったあたりで、その店はふいに現れる。
看板は控えめで、気をつけていなければ通り過ぎてしまいそうだ。
店の前には古いスクーターやオートバイが停まっている。

店名は「ORIGINAL」とあるが、ここは本当にジーンズショップなのか。
重厚な扉をおそるおそる開ける。
店内には新しいショップ特有の整いすぎた匂いではなく、どこか懐かしい、布と木と時間が混ざったような不思議な空気が流れている。
「自分の好きなもの、お客さんに自信をもって勧められるものだけを取り扱っています。本当に極端に偏ったジーパン屋なのです」

オーナーの高尾公平さん(63)が愛用の業務用ミシンから顔を上げた。
高尾さんは、若い頃からジーンズを中心とした服飾業界に身を置き、44歳の時に独立、今の店舗を構えた。

「お客さんに売りたいものだけを、正直に、こだわりを持って売っていく」が当初からの信条。その姿勢は今も全くぶれていない。
「わかる人にわかればいい」、「サイズの妥協は人生の妥協」とHPにも明記。
お客さんが買おうとしても、不釣り合いな際には「似合わない」とはっきり言う。
そうした自分のこだわりを、ストレートにぶつける接客をずっと貫いてきた。

営業姿勢も他店とは一線を画す。
開業以来、セールは一切していないのだ。
「商業主義」という言葉から全く対極にある「アートムーブメント」の精神。
店の中は、そうした世界観に包まれ、ジーンズを中心にした一つのテーマパークであり、大人の秘密基地のような雰囲気も醸し出す。

このコンセプトに惹きつけられる根強いファンは多く、県外からの来店客も。「高尾さんじゃないと駄目」として、裾上げやリフォームを持ち込む人も少なくない。
ただ、高尾さんも60歳を超え、「どこかで一区切りつけなければ」という考えが頭をよぎり始めたそう。
「まだ、続けるつもりだが、店を評価してくれて、本気で買いたい人がいるなら踏み切ってもいい」として、全国に後継者候補を募ることにした。
敷地と店舗は賃貸物件。

引継ぐのは内装や手元にある商品で、条件は要相談。
「服が好きな人で、お客さんに向き合える人なら、私のコンセプトに合わすことはない。この店をベースにして自分色に染めて欲しい」と話す。
高尾さんの話を聞きながら、ふと視線を上げると、壁には古いアロハシャツが吊られていた。

波乗りの柄は少し褪せて、それでもなお、遠い夏の光を閉じ込めたままだ。
店内には、他にも古いミシンやスポーツバイク、オートバイなどのディスプレイたちが、そこに居るのが当然のような顔をして佇み、陳列棚のアイテムを引き立たせている。

ここに並んでいるのは単なる商品ではないような気がする。
これから誰かの生活に溶け込み、やがてその人の歴史になるものたちなのだろう。
この店舗の歩みを引き継ぎ、新たなこだわりを付け加える人が現れないものか。
もし、それが実現すれば、何処にも存在しないような唯一無二のオリジナルな店が新たに誕生するに違いない。
ORIGINAL(オリジナル)
住所:高知県南国市大そね乙1799-1

経営は上手く行っているのに、後継者がいないために廃業せざるを得ない――そんな悩みを持つ企業が全国的に激増し、大きな社会問題になっている。高齢化先進県である高知県は全国に輪をかけて、事業承継の課題が山積している。「県内での事業承継を少しでも増やしたい」。このコーナーは、事業を譲りたい人と受け継ぎたい人を繋ぐ連載です。
高知県事業承継・引継ぎ支援センター
電話:088-802-6002
メール:kochi-center@kochi-hikitsugi.go.jp
担当:横山、野本