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【高知グルメPro】高知の鰻の旨い店8選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2019年2月17日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなすタベアルキストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。
田んぼの中になぜか、黄色い軽飛行機が見えてきた。
高い位置に設置された軽飛行機の胴体には、うなぎのイラストが描かれ、おおきく「かいだ屋」とある。
ここは、高知龍馬空港近くにある、人気の鰻屋である。
何しろ客が途絶えない。
車でしか来ることのできない立地なのに、常に満席、次々と車が入って来る。
創業は古くなく、平成元年だが、開業当時より盛況が続いているという。
高知はかつて養鰻が盛んだった。
ご主人は、そのうなぎと地元の米を使って鰻屋をやろうと、志したのだという。
最初はテーブル4つとカウンターだけの20席だけの、小さな店だった。
しかし客が押し寄せはじめ、建て増し建て増しを重ね、現在の座敷もある、大型店舗になったのだという。
うなぎは関西風の、蒸さない、「地焼き」である。
背開きしたうなぎに串を打ち、15分ほど焼き、タレに浸けて焼き、出される。
一番近いのは、名古屋のうなぎだろうか。
250gの蒲焼が、ご飯の上で艶やかに輝いている。
「ごくん」。その姿に思わず唾を飲み込んだ。
さあ食べよう。
皮側はうなぎ特有のぬめりがあって、香り高い。
一方腹側は、カリリとした痛快な歯ごたえがある。
ぬめりとカリリの、食感の対比がいい。
関東の蒸したうなぎのふわりとした柔らかと違って、うなぎ本来の素朴さが伝わる。
たれも甘からず、辛過ぎず、ほどが良い。
蒲焼を食べたら、猛烈にご飯が恋しくなってきた。
思わず掻き込めば、ご飯がおいしい。
香り高く、うな重特有の硬さを保ちつつ、甘みが豊かである。
聞けば、使う分だけ地元農家から購入し、炊く分だけ毎回精米しているのだという。
このご飯は危険である。
蒲焼を持ち上げ、ご飯との蜜月関係を濃くする。
今度来るときは、ご飯は大盛りにしよう。
「今年はもう営業できないかと思いました。このように店がひらけて嬉しい」と、ご主人は話された。
うなぎの稚魚は年々減っていき、値段は高騰している。
鰻屋にとっては、なんとも厳しい状況だが、なんとか続けて欲しい。
高知龍馬空港に到着するたびに、食べたくなる鰻なのだから。
高知県南国市浜改田「かいだ屋」にて