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明治39年創立!地道な活動を続ける「京都高知県人会」の繋がりとは

       

この情報は2022年3月5日時点の情報となります。

    祇園祭で有名な京都の八坂神社。その東側の円山公園にある二人の青年の像。日本の未来を見つめるかのように立つこの像は、高知県出身の幕末の志士、坂本龍馬と中岡慎太郎です。この銅像、いったい誰が建てたのかご存知ですか? これは京都高知県人会の有志によって建てられたものなのです。

    京都高知県人会は、現在もこの銅像の清掃活動をはじめとする、さまざまな活動を通して、京都と高知をつなぎ、高知県出身者のよりどころになっています。

    今回は、京都高知県人会で事務局を務める寺内優介さんに、京都高知県人会の来歴と活動についてお話をお聞きしました。

    明治39年より欠かさず行う墓前祭ではシャモ鍋の振る舞いも

    たくさんの人が集まる墓前祭の様子

    ─まず、京都高知県人会がどのようにして生まれ、現在に至っているのか教えていただけますか?

     寺内さん:京都高知県人会のはじまりは明治39年(1906年)です。京都在住の高知県出身者の有志で坂本龍馬、中岡慎太郎の弔祭会を行ったのがきっかけです。それは坂本龍馬と中岡慎太郎が京都の近江屋で凶刃に倒れてから40年となる年のことでした。

    また、同年11月15日の坂本龍馬の命日には、40年祭が執り行われました。それ以降、毎年墓前祭が行われています。墓前祭を行う有志の会は、京都に住む高知県人の繋がりになり、昭和22年(1947年)には京都高知県人会となり、現在に至っています。

    ─歴史のある会なのですね。坂本龍馬と中岡慎太郎に対する強い尊敬の気持ちが伝わってきます。

    寺内さん:そうなんです。実は、この像は2代目なんですよ。第2次世界大戦中の金属供出で一旦取り壊されたものの、戦後に京都高知県人会によって再建されました。その思いが今に引き継がれ、毎年3月の第1日曜日には、京都高知県人会が円山公園で銅像の清掃活動をしています。

    ─現在の墓前祭も京都高知県人会が中心となって行われているのでしょうか?

     寺内さん:もちろんです。京都高知県人会のメインの活動といえますね。坂本龍馬と中岡慎太郎の墓のある、東山の京都護国神社の境内で行われています。龍馬が使用人にシャモ肉を買いに行かせている最中に襲撃されたことから、例年シャモ鍋も用意しています。

    シャモ鍋を振る舞う

    寺内さん:まず、墓前に一番鍋をお供えしてから神事を行い、参拝者一同が手を合わせます。その後、シャモ鍋が振る舞われ、高知の生んだ二人の偉人に思いを馳せながらシャモ鍋をいただきます。令和2年(2020年)には、この墓前祭のことが毎日新聞に取り上げられたんですよ。(新型コロナウイルス感染拡大防止のため令和2年と令和3年の振る舞いは中止)

    「がんばりや!」毎年恒例の皇后杯京都女子駅伝では高知代表選手を応援

    ─ほかにはどんな活動をされているのですか?

    寺内さん:もう一つ重要なイベントがあります。毎年1月になると、京都市で皇后盃女子駅伝が行われます。そのときに京都高知県人会が応援に駆けつけるんです。大会前には宿舎に伺って激励会を行い、当日はスタート地点で旗を持って声援を送ります。

    ─それは頼もしいでしょうね。やはり同じ高知県人という強い繋がりがあるからなのですね。

    寺内さん:そうですね。例年ですと、11月15日の墓前祭の後、そのまま京都市内のホテルに場所を移して、京都高知県人会の総会と懇親会が行われます。

    300人くらいの参加者が集まり、盛大な宴会になります。地元の高知から取り寄せた有名な中土佐町のかつおのタタキや土佐あか牛、ハチキン地鶏など、高知のグルメがずらりと並びます。かつおのタタキは、その場で切り分けるというこだわりようです。故郷の味を懐かしんでもらおうとの思いから土佐の味を用意しています。

    青い海と清流、自然のなかで遊んだ幼い頃の高知の思い出

    ─寺内さんは、高知とはどのような縁があるのでしょうか?

    寺内さん:私自身は生まれも育ちも京都なんですが、父が高知県室戸市出身なんです。それで、幼い頃から年に1回は帰省していました。

    現在は、高知県ともゆかりの深いエフビットコミュニケーションズ株式会社に勤務しており、出張で高知に行くことも度々あります。そのときに、かつおのタタキをはじめ、高知の美味しいものをいただくのが、いつも楽しみなんです。

    ─そうなんですね。子どもの頃の高知の思い出などはありますか?

     寺内さん:父の実家のあたりは本当に田舎で何にもない場所なんです。コンビニからコンビニまでが何キロもあったり、テレビのチャンネルも4チャンネルしかなかったり……。正直にいうと、子ども心に少し退屈さを感じていました。でも、そのぶん自然が豊かでしたね。海や川で泳いだり、釣りをしたりして、他にも京都ではできない遊びをたくさんしたのを思い出します。

    若い人に入ってもらって活動を次世代に繋げたい

    ─京都高知県人会に入ってよかったと思うことは何でしょうか?

    寺内さん:やはり、人との繋がりですね。普段、年配の方とお話しする機会があまりないのですが、県人会に入ったおかげで、いろんな方と知り合えたのがよかったです。気軽に「飲みに行こう」って誘ってもらえたり、ゴルフに連れて行ってもらえたりするのも嬉しいです。

    一緒にお酒を飲んで食事をする中で関係を築いていくという高知の「おきゃく文化」なのかもしれませんが、親子ほど年齢が離れていても誰でも分け隔てなくつきあってくださるのが土佐流だなと感じています。

    ─それは貴重な縁ですね。何か相談されたりもするのでしょうか?

    寺内さん:仕事のアドバイスや普段の悩み、プライベートなことまでさまざまななことを相談しております。年配の方々はネットワークも広く、本当に助かりました。

    きっと皆さんも高知から関西へ出てこられて、同郷の者同士で助け合って関係を築いてこられたのでしょうね。わたしたちもその関係を、さらに次の世代へとバトンタッチしていけるようにしていきたいと考えています。しかし、若いメンバーがなかなか増えず、少ないのが悩みの種です。これからはホームページをまめに更新したり、イベントの告知を頑張ったりして、高知県にゆかりのある新しいメンバーにも参加してもらえたらいいなと思っています。

    団体情報

    京都高知県人会

    活動内容:墓前祭の実施、坂本龍馬、中岡慎太郎像の清掃、皇后杯京都女子駅伝の応援など

    代表者:会長  吉本幸男 / 事務局  寺内優介

    創立:明治39年

    住所:〒601ー8001 京都市南区東九条室町23 エフビットコミュニケーションズ内

    URL:https://kyoto-kochikenjinkai.com/index.html

    電話番号:075-672-5500

     

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