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思いと共に受け取ったバトンを次代へ繋ぐ 大阪府・高知大学関西地区同窓会

       

この情報は2022年3月19日時点の情報となります。

    関西二府四県でそれぞれに活躍するOBやOGに、懇親の場を提供している高知大学関西地区同窓会。その始まりは1986年にさかのぼると話すのは、同会で2年前まで代表理事を務めていた川瀬丈四郎さんです。

    同級生と旧交を温めながらも、先輩・後輩とも知り合える貴重な場を提供し続ける川瀬さんに、関西地区同窓会の成り立ち、受け継がれてきた母校や高知県への想いをうかがいました。

    引き受けたらやりきる。その一念で続ける同窓会活動

    ─高知大学同窓会関西支部とはどのような組織なのか、教えていただけますか?

    川瀬さん:そのお話の前に、前提となる同窓会組織についてお話しておいたほうがわかりやすいでしょう。高知大学には、3つの同窓会組織があるんです。農学部(現農林海洋科学部)卒業生による日章会(ニッショウカイ)、教育学部の如泉会(ニョセンカイ)、文理・人文・理・人文社会・理工学の南溟会(ナンメイカイ)です。※現在は医学部も加えて4つの組織にて構成。

    ─ひとつの大学の同窓会組織で、4つもあるんですね。

    川瀬さん:当初は個々に活動していましたが、大阪では20年ほど前に3つの会が合流したんです。いまでは南溟会主導となって、3会合同で同窓会活動を行っています。

    ─それが関西支部なんですね。川瀬さんが関西支部で代表理事を務められるようになったきっかけは何でしょうか?

    川瀬さん:私が関西地区・2代目代表理事を拝命したのは10~12年前のことです。当時、私は日章会に所属していて、代表理事の引き継ぎの話題が出始めたころは他人事のように考えていたんです。それなのに、「最年少の川瀬、やってくれ」と。

    ─指名を受けたことがきっかけだったんですね。

    川瀬さん:驚きましたが、任命いただいたからには取り組むだけです。それからは、旧制高知高等学校に在籍していた大先輩方の集まりや関西地区以外の総会など、さまざまなところに顔を出す機会をいただきました。

    ─ということは、全国各地を飛び回られていたのでしょうか?

    川瀬さん:ええ。すると「大変でしょう」と声をかけられるんですね。でも、私自身は負担だと思ったことは一度もないんですよ。同窓会を引き継いだからには、次の世代にきちんと渡そう、その一念のみでしたから。

    ─そもそも川瀬さんは、どんな経緯があって日章会とかかわりを持つようになったのでしょうか?

    川瀬さん:高知大学を卒業してすぐに、大阪で造園関係の会社へ就職したんです。そこでたまたま出会った取引先の課長さんが大学の先輩でした。その方から「たまにはOBで集まろう」とお誘いいただいたことで日章会の存在を知り、参加したのが始まりです。

    おおいに歌い、笑いあい、思い出を共有する場所

    ─関西地区同窓会のご活動内容や会の特徴を教えてください。

    川瀬さん:主な活動は年に一度、9月の第2日曜日に開催する関西地区同窓会です。そこでは高知大学学歌の斉唱から始まり、前年度の同窓会活動報告及び会計報告、次年度の役員選出を行います。その後は、来賓の方々(各会の現職の先生方)の大学の現況報告、現在大学が取り組んでいる事業等の内容説明をいただきます。

    ─懇親会は、その後で行われるのでしょうか?

    川瀬さん:ええ。皆さんお待ちかねの懇親会は、とても賑やかですよ。会が進むと、旧制高知高等学校時代を知る大先輩方がおもむろに寮歌を歌い始めるんです。寮歌とは寮生たちが自ら作詞・作曲するもので、旧制高知高等学校南溟寮でも多くの歌が生まれたと聞いています。

    おおいに歌い、飲み、食べ、笑いあい言葉を交わす。そんな光景を見るのが楽しみでやっているようなものですね。

    ─その裏では、運営として大変なことも多いのではないですか?

    川瀬さん:役員各位と協力しての事務作業があります。まず、当日配布する冊子型式次第の制作。関西地区の冊子は、出席・欠席関係なく、各同窓生の近況を記載した特別版を作っています。

    それから、同窓会への招待ハガキの作成。ハガキの発送に必要な同窓生名簿の随時更新などがあります。ハガキの発送数は250~300枚にも上りますが、全盛期の800~900枚に比べればかなり枚数は少なくなりました。

    ─かなり発送数が減っているんですね。その要因はどこにあるとお考えですか?

    川瀬さん:新型コロナウイルス蔓延以前から、世代間で「集まり」に関して意識差があることは感じていましたが、同窓会常連の高齢化、若い層とのコミュニケーションに苦戦していること、さまざまな要因があると考えています。

    今後の展開について

    ─関西地区同窓会の今後の展望をお聞かせください。

    川瀬さん:世代による「意識差」という課題を超えて同窓会の人数増を目指すために、平成部会、昭和部会などの下部組織を作ろうという話はしています。ふだんは年齢が近い者同士で活動し、年に一度の同窓会は合同で行う。少しずつ世代間交流を進めたいという構想です。

    ─下部組織によって、合同参加へのハードルを下げていくということですね。

    川瀬さん:この理想を実現するため、高知県事務所との連携強化も考えています。例えば事務所主導のイベントにやって来た高知大学OB・OGに同窓会を案内してもらう。その声かけ一つで、同窓会案内を見てくれる確率が上がります。同窓会継続に際して、私たちが抱える課題に一緒に取り組んでいただければ有り難いかぎりです。

    高知県への想い・高知県人としてのプライド

    ─母校への想いを通して、高知県に対する想いまで感じられるようです。

    川瀬さん:一年に一度、昔懐かしい思い出を共有して、学生だった当時のような気持ちに戻る日があってもいい。そんな特別な時間を、まだ見ぬ後輩たちにも贈りたいですね。そのためにも、同窓会を未来に引き継いでいきたい。そう強く願いつつ、これからも行動していきます。

    団体情報

    高知大学同窓会関西地区

    前代表理事:川瀬丈四郎(2019年9月退任)

    設立時期:1986(昭和61)年

    住所:大阪府吹田市春日1丁目11−6 吹田市造園協同組合内

    電話番号:06-6385-7763