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創立81年!「高知県立幡多農業高等学校 同窓会」ふるさとと都会を結ぶパイプ役

       

この情報は2022年3月2日時点の情報となります。

    高知県立幡多農業高等学校は、1941年に高知県立幡多農林学校として創立。

    四万十市古津賀に、約17haもの広々としたキャンパスを有しています。

    2017年には同窓生が1万人を突破し、県内外の各界で活躍しています。

    今回は、歴史ある同校の同窓会組織で大阪支部長を務める横山忠さんに、同窓会の役割や高知への思いを伺いました。

    1974年から続く大阪支部。48年目で思う、同窓会の役割とは

    ─幡多農業高等学校同窓会・大阪支部はいつ始まったのでしょうか?

    横山さん:私の記憶では、1974年に大阪の太閤園で集まったのが始まりです。2012年に、先輩の永野保敏さんから私が大阪支部長を引き継ぎ、今年で10年目になります。現在は2年に1回、新阪急ホテルで学校長を含めて35名ほどが集まって開催しています。私も80歳ですので、支部長の世代交代をしたいところです。

    ─高知から離れた大阪で結成されて47年目なんですね。どのような目的を持っているのでしょうか?

    横山さん:現在、母校の同窓会組織は、高知・大阪・東京にあります。高知県は人口減少率が日本国内でも高い水準にあり、地方と都会との差は歴然です。同窓会の役割として、未来あふれる幡多農業高校生に都会の今の情報を伝えていくという使命があります。

    将来、農業に身を置くのであれば、やはり横の繋がりは大切です。そういった意味でも、農業高校から大学進学することで、横のネットワークをさらに広げることが可能になります。

    ─たしかに、大学には国内のさまざまな場所から入学してくる方が多いですからね。地元のネットワークよりも広い繋がりが作れそうです。

    横山さん:そうなんです。ですから私は、母校に帰るたび、大学進学率の向上について伝えています。今は、農業高校の存在や地方での暮らしが見直しされつつあります。田舎にとって希望ある時期に入ってきているのだと思います。

    充実した幡多農業高等学校。学生時代から続く深いつながり

    ─同窓会という強いパイプで先輩後輩がつながっているんですね。同窓会には、どのような特徴がありますか?

    横山さん:幡多弁を話せる唯一の機会です。私は土佐清水市布の出身。同窓会では、旧中村市や宿毛市、土佐清水市出身者などが集まるので、自然と幡多弁が飛び交います。支部は高知と大阪と東京にありますが、わざわざ名古屋から駆けつけて出席してくださる方もおられます。

    また、当時の高知の農業高校は3校だけでしたから、農業専門の教員が他校に移動することが少ないのです。生徒数も多くはありませんから、クラスも3年間持ち上がり。高校生活をずっと同じクラスで過ごした仲間や先生たちとのつながりは、卒業してもずっと深いままです。

    ─同窓会を通して、学生時代の楽しさが伝わってきます。学生時代はどのように過ごされましたか?

    横山さん:家業の文旦(ブンタン/高知の柑橘)を作りたくて、農業を学ぶために当時通っていた清水高校を1年で中退。翌年に、幡多農業高校農業科に入学しなおしました。学生寮で生活をするのですが、寮には同じ中学出身の先輩や後輩もいて、さらに部活動では柔道部に入り、とても充実した生活を送っていました。

    ─寮生活も楽しそうですね。どのようなきっかけで、関西に出てこられたのでしょうか?

    横山さん:大阪日産への就職を機に、高知を出ました。その4年後には、会社に勤めながら立命館の夜間部に入学して4年で卒業しています。夜間部に入るときも、会社の取り計らいがあって、仕事と学業の両立を無事に最後まで果たすことができました。

    同窓生とは、仕事においても相談がしやすいです。ふるさととのつながりがあったから、進学につながりました。都会の方は「なんで同窓会に行くんや?」と理解できないそうですが、同窓会というのは、いろいろなことが語りあえるところ。そうした一つの《場所》として、若い人を中心につないでいきたいです。

    高知で文旦を作りたい! ふるさとへの思い

    ─高知への思いを教えてください。

    横山さん:いつか帰りたいですね。親が残してくれた農地がありますから。そこで有機野菜を作ってみたいです。そして、それを孫たちに食べさせてやりたいですね。もともと、実家は果樹園を営んでいて、いまは兄が跡を継いでいます。文旦やぽんかん、小夏みかんを作っているんですよ。

    ─3月は文旦のおいしい時期ですよね。では、高知県人としてはどんなところに誇りや良さを感じられますか?

    横山さん:関西にいるからこそ、ことさら県人会の温かみをいろんな面で感じています。助けられたり、助けたり。外国に行って、日本人にばったり会うようなものでしょうか。高知人に会うと、とても会話が弾みますね。

    ─高知県あるいは高知県人への恩返しとして、何かしたいといった構想はありますか?

    横山さん:大したことはできませんので、知り合った方などに高知の美味しい食べ物や素晴らしい景色を、これまでと変わらず今後もご紹介していきたいですね。ぜひ行ってほしいのが、高知の南端にある「見残し海岸」です。特に干潮のときの景色は絶景ですよ。遊覧船から見えるサンゴ礁が、とても美しいんです。

    ─ふるさとの情景が思い浮かびます。ご出身地である土佐清水市は、どのような場所でしょうか?

    横山さん:土佐清水市は、四国の突き出た岬で、ジオパークという地域資源の保全と活用をしている地域があります。大地の遺産といいますか、雄大な景色と豊かな資源に恵まれた地域です。足摺岬、爪白(つまじろ)海岸、竜串海岸といった景勝地は、ジオパークに指定されています。

    そうした情報は、ふるさと土佐清水市の会報誌にも掲載されているんですよ。私は現在でも拝読しています。高知に来られる際は、ぜひ土佐清水の豊かで壮大な景色を直接ご覧になってください。

    ※ジオパークとは、地球科学的に重要な遺産を保全し、教育や観光に活用する取り組み。2015年からジオパークは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の正式なプログラム。

    団体情報

    高知県立幡多農業高等学校 同窓会 大阪支部

    大阪支部長:横山 忠

    郵便番号:〒666-0133

    住所:兵庫県川西市鴬台1-9-6

    電話:090-1221-4455

    高知県立幡多農業高等学校同窓会サイト:

    https://www.kochinet.ed.jp/hatanogyo-h/DOSO.html