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高知は隠れたうどん県だった第二弾「パリでも花開いた味噌うどんの巻」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その77

この情報は2019年11月24日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。

食べても食べても、減らないカレーうどんがあるという噂を聞いて、安芸市にやってきた。

国道沿いに店を構える、「国虎屋」である。

人気のようで、まだ昼前だというのに、次々と車が入ってくる。

このお客さんたちは、皆カレーうどんを食べるのだろうか。

店内に入れば満席で、あらゆる層のお客さんがいる。

温かいうどんと冷たいうどんを分け合っている親子連れや、ざるうどんやカレーうどんを取り分けて食べているカップル。

うどんが来る前に、おでんを肴に一杯やっている、ベテランらしきおっさんと、様々である。

まずはうどんの実力を試そうと、シンプルな「ざるうどん」を注文した。

顔がいい。

運ばれて来たざるうどんは、艶々と輝き、切り口が凛々しく立っている。

食べれば、讃岐うどんほどコシが強くないが、歯を押し返そうとする根性があって、15回ほど噛むと口の中から消えていく。

そして最後にほんのりと甘い香りが残る。

次に、いよいよお目当の「カレーうどん」がやって来た。

写真ではその大きさはわからないかもしれない。

だが、丼と箸の長さを見ていただきたい。

どうやら、普通のうどん屋の丼の1.5倍近くありそうだ。

カレー餡をまとってうどんが口に登って来る。

うむ。うまいのだが、これは確かになかなかなくならない。

店主の野本千喬さんに聞くと、うどんだけで450gもあるそうである。

しかも初代の時は500gもあり、残す人もいたので、少し少なくしたという。

今は、老若男女どの方も、つるりと平らげている模様である。

表にはあまり出ていないが、高知県人のうどん食い力は、手強い。

さて、「国虎屋」のざるうどんとカレーうどんを食べた。

もう一つオススメを紹介しよう。

スペシャリテの「国虎」である。

味噌味のうどんで、その味がなんとも優しい。

ゴボウと豚脂の香りが、味噌味に溶け込んで、心が温かくなるうどんである。

土佐清水の宗田節を中心とした出汁に味噌、それに豚肉や玉ねぎの甘みも加わって、ぐんとうまくなって、一番人気だという。

「国虎屋」は創業して37年になる。

ご主人に「何代めですか?」と聞くと、「2.5代目かなあ」と微妙なことをおっしゃる。

初代はおじいちゃん、二代目はおじさんだったが、ご本人は継いですぐにフランスに渡り、パリのオペラ座近くで「国虎屋」を創業したのだという。

パリでも人気を呼び、今では4店舗を展開されている。

実はパリ用に作ったというカップうどんもここではお土産として売られている。

その名も「てぬきうどん」というが、味噌スープの味といい、うどんのコシ感といい、カップ麺のレベルを超えている。

カップ麺としては、ややお高いかもしれないが、食べてみる価値はある。

よし今度行く時は、まず自家製の七味を練り込んだこんにゃくおでんなどで一杯やってから、うどんを食べ、「てぬきうどん」をこじゃんと買って、お土産で配ろう。

 

高知県安芸市穴内乙「国虎屋」にて