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東京の渋谷でいただくカツオに新ショウガの肉巻きが絶品!高知料理「べるまっしゅ」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記【高知グルメPro】
この情報は2026年6月21日時点の情報となります。

「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが「愛すべき変態」と呼んだ土佐町のシェフ。あれから7年、編集部が再び会いに行ってきました。

高知市内から車で約1時間、土佐郡土佐町の山あいに、食べ歩きストのマッキー牧元さんが「わざわざ足を延ばしたい」と言わしめたイタリアンレストラン「オンベリーコ」がある。
2019年、マッキーさんはこの店の高橋シェフを、そのこだわりがゆえに「愛すべき変態」と称した。
自家製のモルタデッラやソプレッサータ、三種の自家製サルシッチャ……地元の客にその価値が伝わるかどうかなど関係なく、ただ自分の信じる料理を作り続ける姿勢に、本物を知る美食家は惚れ込んだのだ。
あれから7年。「高知家の〇〇」編集部は、あの山のイタリアンを再訪した。
店先の黒板には、びっしりとランチメニューが書かれていた。

パスタランチだけで5種類も用意されていて、そのほかにも4種類のランチをワンオペで作っているのだ。
7年前の変態ぶりは、何ら変わることなく続けられていた。
ランチは11時から14時、ディナーは18時から21時(事前予約で1日1組限定!)。
定休日は木曜とディナー水曜日。この営業スタイルも、7年前からブレていない。

テーブルに運ばれてきたオードブルプレートの、じゃがいものスープを一口すすって、思わず背筋が伸びた。

塩味は抑えられ、舌触りはなめらか。
シンプルであるがゆえに、丁寧さがにじみ出ている。
派手さはない。しかしこの抑制こそが高橋シェフの料理哲学そのものだと気づく。
サラダは、葉野菜のシャキシャキとした歯ごたえが、生き生きとした鮮度を感じさせる。
サラダにかけられた爽やかなフレンチドレッシングと、はちきん地鶏の詰め物に加えられたフェンネルと胡椒が、食欲に火をつける。
もう、すでに胃袋は前のめりだ。
パスタとして頼んだのはボロネーゼ。

マッキーさんが2019年に「土佐あかうしのたくましさと豚肉の優しさが抱き合った」と評したあの一皿だ。
肉の存在感は、今も揺るぎない。

ひき肉になった今も、肉本来の歯ごたえと柔らかさが絶妙に共存している。
素材の良さを損なわない調理──それ自体が、高橋シェフのメッセージだ。
ペッシェランチの真鯛のソテーにかかっていたのは、パセリとアンチョビ、ケイパーで作る「サルサ・ヴェルデ」。

下に引かれたソースは、イカワタのソースとフルーツトマトといちごのババロアをスプーンでつぶしたもの。
いったいどうしてそんな手間をかけるのか。変態ぶりにあきれてしまう。
さらに印象的だったのは肉料理。
カルネランチの「土佐ポークチーズ焼き フルーティ赤ワインソース」は、玉ねぎをよく炒め、高知特産の小夏の果汁と赤ワイン、トマトソース、そしてはちきん地鶏の骨から取った出汁を合わせる。
一口にフルーティ赤ワインソース、と片づけてしまうには、あまりに奥深い。

そして、タリアータランチの「土佐あかうしのステーキランチ」のソースは、バルサミコ、赤ワイン、シェリー酒に、はちきん地鶏の骨の出汁。

「ベースはほとんど同じですよ」と笑って言うが、その裏には強烈なこだわりがあるのだ。
はちきん地鶏から出汁をとるのにガラを仕入れるのだが、その周りについている肉もちゃんと素材として料理するのだという。
タリアータランチのオードブルプレートのバゲットに乗せられているのは、はちきん地鶏の脾臓のひき肉。

普通なら捨ててしまうような部位なのだが、
「捨てるのは簡単。でも捨てることなく、大事に、すべてを使いたい」
と高橋シェフは言う。
食材を無駄にしない。食材に対する真摯な姿勢は7年前と変わらず、むしろより深くなっている気がした。
マッキーさんが愛した変態シェフは、7年経ってもまだこの山の中で、誰に媚びることなく料理を作り続けている。
その一流の技術とこだわりの料理を、土佐町の山あいで黙々と。
「愛すべき変態」は、はにかみながら、今日もここにいた。

オンベリーコ
住所:高知県土佐郡土佐町田井
電話:0887-72-9186
営業時間:ランチ 11:00〜14:00/ディナー 18:00〜21:00(事前予約・1組様のみ)
定休日:木曜・水曜ディナー