エンターテイメント, スポーツ
社会人野球の頂点を決める「第95回都市対抗野球大会」に四国銀行が出場!注目の俊足ルーキーにインタビュー
この情報は2020年10月7日時点の情報となります。
JFLリーグからJ3昇格を目指す「高知ユナイテッドSC」。試合の勝敗だけではなく、クラブの魅力を知ってもらうため、クラブの活動やチームの裏話をお届けする「目指せJ3!高知ユナイテッドも大家族やき」を高知家の〇〇で連載しています。取材担当は西村監督の個人マネージャー、通称“Nマネ”です。今週は、高知ユナイテッドSCを熱く応援する「春野応援団」をご紹介します。
今回は、高知ユナイテッドSC(高知U)を長年応援してくださっている「春野応援団」の中心的存在、キュウリ農家の新階康雄さんを取材しました。
新階さんは、西村監督と20年近い親交があり、西村監督がアイゴッソ高知(現高知U)に関わるきっかけを作った人物のひとりです。出会った当時からのこと、そして今後の夢まで、いろいろ聞いてみました。
春野応援団 新階康雄さん(左)土居雄作さん(右)
二人の出会いは、西村監督がセレッソ大阪(セレッソ)の監督として春野総合運動公園にシーズン前のキャンプに来た2003年2月。
その前年に高知県で国体が開催され芝生の状態がよかったことと、近隣に温泉宿泊施設(はるのの湯)があり、キャンプの環境条件が揃っていたことから、セレッソのシーズン前のキャンプが決定。地元春野のサッカー愛好家が集う「あじさいFC」代表だった新階さんは、セレッソを歓迎しようと手づくりの応援のぼりや応援立て看板を仲間たちと一緒に製作し、キャンプ中は用具係や周辺の清掃などをボランティアで行っていました。
セレッソキャンプ 新階さん(前段左端)、西村監督(前段中央)
新階 2003年より前「ヴィッセル神戸」や「コンサドーレ札幌」が春野キャンプに来た時から立て看板や登り旗は作っていました。立て看板の材料は不要になった選挙ポスター掲示用のベニヤ板。ベニヤ板をくり抜き、布にスプレーで色を吹き付け、チームのエンブレムを作りました。あじさいFCのメンバーや農家の仲間が運動公園や役場に集まって、夕方から深夜まで作業して完成まで1週間近くかかりました。歓迎式典では春野産のきゅうりを贈呈しました。初めて西村さんに会ったときは監督だったから、ものすごく緊張して最初の1週間は目を合わせられなかったです。
手づくり立て看板、のぼりの製作の様子
2003年6月、セレッソは「サマーキャンプ」で再び春野を訪れます。そこで「芝生問題」が勃発。球技場の芝生の状態が悪くキャンプを行える状態ではなかったのだ。芝の状態は選手のケガに直結するため、セレッソ側は激怒。違約問題にまで発展しかけたものの、西村監督は「けんか別れは誰も望んでいない」と県関係団体とセレッソが改善に向けた話し合いの場を持つことを提案し、キャンプは敢行された。
新階 西村さんの話を聞いて涙がでるほどうれしかったです。もしキャンプがキャンセルになっていたら、サッカー界での高知の評判が悪くなり、今後どのチームもキャンプに来なくなる可能性があったので、西村さんに助けられたと感じました。この時「この人は絶対裏切られん」と思いました。この後、一番大変だったのはうちの女房だと思う。僕が「(グランドに)行ってきていいが?」と聞くと「かまんき、行ってきいや」と言ってくれたので、女房に仕事を任せて、キャンプ期間中の2週間、朝から晩までずっとグラウンドに詰めてチームのサポートをしていました。当時は今のように県観光コンベンション協会の担当者がキャンプに付きっ切りではなかったから、僕が個人的にセレッソのマネージャーと直接連絡を取り合い、翌日に必要な道具の準備から片付けまでしていました。
新階さんと妻美智子さん
2006年セレッソのゼネラルマネージャー(GM)として再び高知キャンプに来た西村監督は新階さんと再会。西村監督は春野の仲間たちと一気に打ち解け、一緒に「おまち」に飲みに行くこともあったそうです。春野でJクラブのキャンプがあると、手づくり立て看板の製作やチームのサポートに入っていた新階さんは春野の名物ボランティアとしてキャンプチームのスタッフたちにその名が浸透していきました。
西村 高知でキャンプをするJクラブのスタッフから「春野のシンガイさんという方が、グラウンドによく来るのだけど、一体どんな人?」という問い合わせがよく入り、「信頼できる人だから安心して任せて大丈夫ですよ」と伝えていました。
新階 チームスタッフの顔を覚えて、チームの中に入っていくのが得意なんです。西村さんが「身元保証人」になりスタッフの方々に紹介してくれたおかげで、スムーズにチームのサポートに入ることが出来ました。キャンプ期間中はスタッフと食事に出かけ、距離を縮めるようにしています。
西村 確かに、我々がこんなに親しくなったのは、スナックで一緒にカラオケ歌ってからですよね?笑
新階さんは、2007年から毎年夏休みに「あじさいFC」のメンバーや「春野FC」の子供たちを連れて、セレッソの試合観戦とセレッソのコーチが指導している小学生チームとの交流試合で大阪遠征に行くようになりました。
新階 西村さんを通してセレッソとの調整が可能になりました。当初は大人だけで試合観戦のみでしたが、子供たちにもレベルの高いチームと試合とすることで刺激を与えたいと思い、地元「春野FC」の子供たちとセレッソU12や関西のチームと交流試合もするようになりました。10年以上続けてきましたが、子供の減少で去年が最後になったのは残念です。
新階 アイゴッソ高知が設立される前年の2013年、アイゴッソ高知の立ち上げに関わっていた窪内さんという方をセレッソの試合観戦に誘ったことがきっかけです。試合終了後、窪内さんに一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ代表理事(当時)宮本功氏を紹介しました。宮本氏は西村さんがセレッソGMだった時に右腕的な存在だった人物。クラブ設立について相談する中で、初代監督の候補として宮本氏から名前が挙がったのが西村監督だったそうです。つまり、僕があの時、窪内さんを誘わなかったら、西村さんが高知に来ることもなかったかもしれないわけで、結構重要なことをしたと思っています。みんな知らないけどね。
長居スタジアムにて 宮本功氏(右端)と記念撮影
アイゴッソ高知スタート時から春野や四万十町の農家からお米の提供を受けています。
頂いたお米は選手・スタッフがいただき、返礼品としてチームのグッズ等をお返しする仕組みです。2016年からは春野の田んぼをお借りして米を作っています。苗と農薬はJA春野に協力していただき、収穫までの田んぼのお世話は春野の農家の方々にお願いしています。今年の田植えは西村監督と吉本コーチが手伝いました。
新階 自分たちができることを考えたときに、お金は出せないけど米はある。地元の農家にお願いして高知Uに米を提供しています。米以外にも寮食の食材として生姜、きゅうり、トマト、オクラ、空心菜等の季節の野菜を届けています。
新階 いままで何度もJリーグの試合を観戦してきましたが、長居スタジアム(セレッソのホームスタジアム)に入った瞬間のスタジアムが揺れるようなサポーターの盛り上がりには圧倒されます。スタジアムの外はお祭りみたいに出店が並んでいて、試合前後の時間も含めて楽しめます。ハラハラドキドキする試合が観られて、試合以外にも楽しみがあると、自分だけじゃなく子供たちやサッカーに興味のない人も集まってくると思います。それが高知で観られたら、ものすごく盛り上がるのではないでしょうか。今年は新型コロナの影響で集客はなかなか難しいと思いますが、春野応援団も出来るかぎりのことを協力していきたいと思います。
サッカーへの愛と地元の誇りから始まったボランティア活動が、地元とチームを繋ぎ、人と人の縁になって続いていくのは感慨深かったです。新階さん、ありがとうございました。
ではでは、来週の記事もお楽しみに~.
次回はホーム戦 JFL第24 節 vsヴェルスパ大分
10月18日(日)12:00キックオフ 宿毛総合運動公園陸上競技場
皆さんの応援がチームの力になります。ご来場お待ちしています!
チケットに関するお問い合わせ先
高知ユナイテッドSC事務局
電話:050-3504-1728
Twitter @kochi_United
Instagram @kochiunitedsc