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「高知市に住んでいる人が羨ましくなる、料理心をくすぐる街路市・木曜市の魅力」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その87

この情報は2020年2月18日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」

南国高知である。

二月はじめだというのに、筍もふきのとうも売られていた。

小さな筍だけど、茹でたらきっと、いたいけな甘さがあって、さぞおいしいだろうなあ。

高知の木曜市である。

高知市内の通りに面して行われる「土佐の街路市」は、追手筋で行われる「日曜市」が有名だが、他にもこの木曜市、金曜市、火曜市が行われている。

中でも木曜市は、日曜市に次ぐ出店数だという。

とは言っても、日曜市が全長1.3キロで、最大400店舗に及ぶのに対して、こちらは全長約200m弱、40店舗ほどである。

だが、このコンパクト感がいい。

ヤシの木がそびえる通りに沿ってあるので、南国的のんびり感があっていい。

実際に各店舗を除いて、吟味し、一番安い店で買おうと思ったら、こちらの方が便利だろう。

大根だって、80円から120円で太さや長さも色々ある。

それらをじっくり品定めできるのである。

朝から夕刻までやっているが、野菜なら午前に買いたい。

なにしろ朝陽を浴びて、野菜や果物が輝いているのがいい。

見事な大きさのブロッコリー、大きな白菜、大根に人参、

フルーツトマト、高知の人が大好きなにんにく葉、ネギ、カブ、菜花、

京芋、小松菜、セロリにセロリの枝、キャベツ、

珍しいオレンジカリフラワーや紅大根、紅菜苔なんかも売られている。

セロリの枝には「炒めたらおいしいよ!!」と書かれ、白菜には、「中が黄色でおいしいよ」なんて書かれていたりする。

僕が高知に住んでいたら、もうスーパーには行かないな。

売っているおばちゃんたちとの会話も弾む。

自家製こんにゃくの塊を買ったおじさんたちは、

「これどうやって食べたらいい?」

「煮ればいいの。後はきんぴらやおでんやね」。

と言われていた。

「煮るのか?」

「いや生のままかじるわ」。

そんな会話があちこちで生まれている。

本日購入した梅干しは、甘みは一切なし、自然な柔らかい塩味で十分に酸っぱく果肉がふんわりして、なんともうまい。

自家製味噌を買って味噌汁にしたが、これがまた滋味深く、この味噌だけを買いにここに来たいほどだった。

しっかりと発酵してほのかに酸っぱい沢庵も、なかなか出会えないものだったし、柚子をたっぷり刻んで漬け込んだ大根の漬物は、ご飯が進んでたまらない。

ふかしたサツマイモをもち米に練り込んだといういも餅は、皮のもっちりとした食感が、なんとも暖かい気分にさせる。

ああ、木曜市で食材を買い込んで、料理を作りたい。

大根を千六本に切った味噌汁に、沢庵と柚子大根漬け、うるめいわしを焼いて、紅菜苔の御浸しを作り、ちりめんじゃこと大根おろしを合わせ、筍を炊いて、こんにゃくは千切って甘く辛くきんぴらかな。

デザートには、もち類を買ってと。

ああ、ここに住む人たちが羨ましいなあ。

 

高知県高知市本町5丁目「木曜市」にて