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高知で行列ができる「幻のわらび餅」本物の材料にこだわったトロフル食感に感動

       

この情報は2019年9月13日時点の情報となります。

「幻のわらび餅」お客さまからそう呼ばれるわらび餅が、高知市種崎にある。開店前から行列ができ、開店後1時間で売り切れになるわらび餅を求めて高知家の○○取材班は「もち蔵家本店」に向かった。

高知市種崎。高知の観光名所「桂浜」の近くにある「もち蔵家本店」は住宅街の中にある趣のある佇まいのお店だ。
○○取材班は、開店前にお邪魔させていただいた。

わらび餅屋さんらしい和風の店内には、すでに商品が陳列されている。

その横に並んでいるのは、どら焼きだ。こちらも人気の商品で、あっという間に売り切れてしまうという。形が不揃いなところも魅力の一つかも。

 

もち蔵家本店の秘密に潜入

作業場に潜入!

これが材料になる本わらび粉だ。本わらび粉は、わらびの根1kgからたった6mgしか採れないとっても貴重なものだそう。こんな貴重な粉からつくられるわらび餅はいったいどんな味なのか。期待に胸が膨らむ○○取材班。

その本わらび粉を炊く銅鍋がこちら。熱伝導率が良い銅鍋を使って、朝の3時から作り始めるという。

ご主人の岡崎さんにお話を伺った。

-朝が早いので、大変ですね。冬に午前3時からの作業は、体に堪えますね。
岡崎さん:朝3時から作り始めないと間に合わないので何とかやってます。わらび餅を炊くのは、冬の方が体には楽なんですよ。わらび餅をかき混ぜていると、時間とともに粘度が高くなっていくので、この櫂(かい)でかき混ぜるのが大変なんです。体力勝負ですね。夏場には毎年5kg体重が落ちるんですよ。

-岡崎さんお一人で作られているんですよね。
岡崎さん:その日の天気や湿度、練り方でも仕上がりが変わるので、これは私しかできないですね。長くやっていますが、今でも難しいです。わらび餅はとても繊細なんです。

銅鍋で炊いた後は、常温ほどに冷ます。すると、徐々にわらび餅が固まってくる。

きな粉が敷き詰められた作業台にわらび餅をのせ、さらにきな粉をまぶして切っていく。

-このきな粉、少し色が濃くないですか?
岡崎さん:そうなんですよ。これは「京挽ききな粉」と言って、きめが細かく、色と味が濃いきな粉なんです。京都から取り寄せて使っているんですよ。

向かって右にあるのが、京挽ききな粉100%、左にあるのは、そのきな粉に砂糖などをブレンドしたきな粉だ。

カットする際には風味の良い京挽ききな粉100%を使用し、箱詰めした後には、ブレンドしたきな粉をさらに上から振りかけて口当たりを良くするのだそう。

ご主人がカットしたわらび餅を奥さんの朋子さんが箱詰めし、仕上げにブレンドしたきな粉を振りかけていく。

○○取材班は、できたてのわらび餅を一ついただいた。口に入れたとたんにトロッととろけて無くなってしまう。また、食感はプルプルとした弾力でなく、フルフルとした柔らかな表現がぴったり。フルフルでトロトロのわらび餅に感動だ。

-わらび餅がとろけますね。どのようにしてこの食感ができるのですか?
岡崎さん:わらび餅を炊く時の分量や炊き方、練り方ですね。私がこだわっているところです。

-この食感を味わうには、冷蔵庫で冷やしても大丈夫ですか?
岡崎さん:とろける食感は、できたてだからこそですね。おいしく食べていただくには、ご自宅に戻られたら冷蔵庫で冷やして下さい。食べる30分前位から常温に戻して食べるのをお勧めします。それと、賞味期限までは3日間ありますが、作った当日に食べていただくといいと思います。しかし、お客さんの中には、3日目に食べると本わらび粉の風味が引き立つから3日目がおいしいという方もいますね。

箱詰めされたわらび餅は、ブレンドされたきな粉がたっぷりかけられており、わらび餅の姿が隠れるほどだ。

開店時間が近づきお客様の姿が見え始める頃には、箱詰めされたわらび餅を朋子さんが次々と梱包し、お店に並ぶわらび餅が完成していく。

 

おもてなしで味わえるできたてのわらび餅

雨の降るこの日、平日にも関わらず開店前には行列ができていた。ご主人は、並んで待っているお客さんにできたてのわらび餅を振る舞う。このご主人の心遣いもこの店の魅力の一つだろう。

開店すると、笑顔でお客さんにお応えする朋子さん。2箱、3箱購入するお客さんが多いが、取材中には最多で10箱購入された方もいたぞ。

 

おいしさの秘訣

-「幻のわらび餅」という名前はどうやってつけられたんですか?
岡崎さん:もとは移動販売でわらび餅を販売してたんですね。その頃に、次にどこで買えるか分からないというお客さまが「幻のわらび餅」と言ってたそうです。お客さまが名付け親ですね。

-移動販売からの始まりだったんですね。お店を構えて変わったところはありますか?
朋子さん:店頭でお客さまの笑顔を見られることが嬉しいです。ここにわらび餅を買いに来る方は皆さん笑顔で帰られるんですよ。
岡崎さん:1週間に4日間の開店とはいえ、朝早くからわらび餅を作る作業が体力的にしんどい時もあります。ですが、末期のガンを患っている方がうちのわらび餅を食べたいと言って下さったそうで、家族の方が買いに来てくれたことがありました。その話を聞いて、頑張ってやっていて良かったと感じましたね。

こう笑顔でお話される夫婦の気持ちが、もち蔵家本店のおいしさの秘訣だろう。

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