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日本サッカー史上屈指のストライカー 大久保 嘉人 in 高知 スペシャルインタビュー!

       

この情報は2022年9月3日時点の情報となります。

    今回は高知家の○○特別企画!日本サッカー史上屈指のストライカーである大久保 嘉人さんが、先月高知県にいらっしゃったときに、インタビューさせていただきました。

    日本サッカーのレジェンド 大久保 嘉人が高知を訪れる!!

    8月の猛暑のなか、あるテレビ番組の収録で高知を訪れていた、日本サッカー史上屈指のストライカーであり、J1通算最多得点者でもある元サッカー日本代表の大久保 嘉人さんにインタビューをする機会をいただいた。

    高知市はりまや町の「土佐料理 司 高知本店」の一室に、番組収録後で疲れているであろうに、笑顔で迎えてくれる大久保さんがいた。

    「じゃあ、はじめましょうか」と笑う大久保さんに、まずは高知と聞いて思いつくものを聞いてみた。

    「高知というとやっぱり坂本龍馬ですね。高知の空港の名前も高知龍馬空港でしょ。このお店にもあちこちに龍馬のポスターとかあるしね。

    あとは鰹のたたきですね。高知の鰹のたたきは美味いってのは聞いてたんですけど、食べたことがなくて。ほかのところでは食べたことがあるんですけど、高知のは違いましたね。新鮮で、分厚くてとにかく美味かった。

    子供のころから魚が大好きで、いろんな魚を食べてきましたけど、高知の鰹のたたきは本当に美味しかったですね。」

    その他に高知と聞いて思いつくものはと聞いてみると、「あとはやっぱり高知ユナイテッドですね」と言う。

    「高知ユナイテッドの西村 昭宏さん(高知ユナイテッドSCゼネラルマネージャー)は、僕が国見高校の2年の時にレギュラーになって、得点をとりだしたころ、ほんとすぐにU-19日本代表に呼んでくれたんです。すごく嬉しかったし、本当になにが起こるかわからないなと思いましたね。上のカテゴリーでしたしね。

    そのあとはセレッソ大阪のヘッドコーチに来られて、それから監督になって。いやあ、まったく頭が上がらないんですよ。だから高知って聞くと西村さん元気かな?高知ユナイテッドは勝ってるかな?って考えてしまうんですよね」

     

    高知のサッカー少年少女にアドバイス

    現在高知県は少子化が進み、サッカーを教えてもらう環境がなかったり、誰かと一緒にサッカーをすることも出来ない地域もあることを伝え、そういった子供たちはどのようにサッカーと向き合っていけばいいのかを聞いてみた。

    「僕も子供の頃いたところは、ほんと田舎だったんですね。けど出来ることはたくさんあると思います。自分の得意なこと、いや得意なことというか、自分の好きなことをやればいいと思う。シュートが好きな子もいるし、ドリブルが好きな子もいるしね。

    僕が育ったのは団地だったので、でっかい鉄の柵のごみ箱があるんですよ。そのごみ箱を狙って入れたりとか、その団地の中の壁に向かってサッカーボール蹴って、跳ね返ってきたのをまた蹴ってっていうのをずっと繰り返してましたね。

    ごみ箱や壁にあったってバンバン音がするんだけど、団地の人たちは僕がやってるって分かってるから、団地の人たちから「よっくん」って呼ばれてたんですけど、「よっくん、うるさい!」ってすぐおばちゃんに怒鳴られてましたね。まあ、関係なく続けてましたけど。

    多分、なにかしらそういったものはあるはずだから、そういったものを、自分なりのアイデアでやり続けることが大事だと思います。僕も小学生だったから、なにやっていいかわからないんですよ。けど、何をやろうが全然問題ないんですよ、サッカーには正解がないから。

    本当に自分が好きなこと、キックが好きだったら、いろいろなところをめがけて蹴るとか、なにかに当てるとか。今日は連続で5回あの場所に当てないと帰らないとか、なにかを決めてそれをやり続けてると、こうすると蹴りやすいとか、これやってると上手くなるかもしれないって思う時がある。

    そして、なにかの時に、それが思うとおりに出来ると、俺出来るやんってなって、それが自信になる。そうすると、それがどんどん積み重なって成長していく。

    やらされるんじゃなくって、自分の長所、好きなことをやり続ける。そしてそれを好きになって、楽しんでやれれば、それが一番です。」

     

    サッカーを楽しめれば、きっと乗り越えられる

    高知県内でも、よりレベルの高いサッカーをしたくて、強豪校に進学するために親元を離れ、寮に入ったり、下宿をしたり、中には県外へと行く子もいる。

    小学校卒業後、地元を離れ、長崎県の国見中学・国見高校へと進学した経験を持つ大久保さんに、アドバイスを聞いてみた。

    「とにかく楽しむことですね。楽しんでやっていればサッカーが好きになるし、楽しくないって思いながらやると、早くやめたい、早く帰りたいってなっちゃう。だから僕は常に楽しんでサッカーをやってましたね。

    悪いことがあったときや、へこんだりしたときも、とにかく夢を持って、その夢を絶対に叶えると思ってやってました。

    それは中学校の頃からで、国見中学と言えば、もう本当にプロになりたいってやつらが集まってきてて、もうみんな本当に巧いわけですよ。中学1年生って、プロになるならば、もう5年後には決まるわけですよね。もう時間がない訳で、その中でなにをやらなければいけないのかを考えながら、僕はやってましたね。

    あとは完璧は求めない。イメージしているものは絶対あるだろうけど、そのイメージ通りには、まず上手くいかないですからね。そんなときにどん底まで行ってしまう人もいるし、どん底まで行って這い上がれない人もいる。

    でもそういう時に、こんなこともあるな、こういうときもあるよなと考えるといいと思う。人によって成長のスピードはそれぞれ違うんだから、今自分ができることを楽しんでやればいいと思います。

    とはいえ、どうしてもサッカーで上を目指すなら、競争はあるわけだから、どうしたら勝てるか?とか、自分にしかできないことは絶対あるはずだから、どうすればそれを伸ばすことが出来るかってことを考えて、やっていくことは必要ですね。

    寂しくなったり、上手くいかないときもあるだろうけど、そんなときでも楽しむことを忘れずに、自分の目標・夢をかなえてほしいですね」

     

    高知のサッカーファン、大久保ファンに向けて

    最後に高知県のサッカーファン、そして大久保ファンに一言をお願いした。

    「ようやくスタジアムの一部エリアでの声出し応援適用とか収容人数のこととか、まだまだ前の様にというのは難しいけれども、一歩づつ前に進んでいってます。

    是非スタジアムに足を運んで、Jリーグを、そしてサッカーを盛り上げてほしいと思います。

    大久保 嘉人も様々なことに取り組みながら頑張ってますので、これからも応援よろしくお願いします。」

    インタビューが終わると大久保さんは、同じ番組の収録に来ていた西村 昭宏さんといっしょに、「じゃあ、行って来ます」と笑いながら高知の町へと出かけて行った。

    きっと懐かしい話をしながら、西村さんと一緒に高知の美味いものを楽しんだことだろう。

    短い時間ではあったが、素晴らしい笑顔と真摯な態度に、また高知にやってきて、高知の美味いものや様々な場所を体験して、もっと高知を好きになってもらいたいと思える素敵な時間であった。

     

    大久保 嘉人(おおくぼ よしと)

    1982年6月9日生まれ。福岡県出身。

    国見高校3年時に高校三冠を達成。自身もインターハイ、高校サッカー選手権で得点王を獲得。

    2001年セレッソ大阪でプロキャリアをスタート。

    スペイン、ドイツなど海外リーグで活躍し、川崎フロンターレ在籍時の2013年~2015年には、史上初となる3年連続Jリーグ得点王に輝く。2021シーズンをもって現役を引退。

    J1リーグ最多得点記録保持者。

    日本代表としてアテネオリンピック、FIFAワールドカップ南アフリカ大会、同ブラジル大会などに出場。

    引退後は、テレビやラジオに活躍の場を移し、サッカーに限らず様々なジャンルで新たな挑戦を続ける。

    また、4人の息子の父として、家事育児にも積極的に参加し、ベストファーザー賞受賞経験を持つ。

    著書に「情熱を貫く 亡き父との、不屈のサッカー人生」「俺は主夫。職業現役Jリーガー」がある。