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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2022年6月5日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが、高知の料理店・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は「うどん処 楓」で美味しいうどん3杯いただいて来ました。
閑静な住宅街の中で、楓の木が気持ちよさそうに枝を伸ばしていた。
ここは高知市の西南、朝倉南にある「うどん処 楓」である。
高知では10数軒のうどん屋に行ったが、ここは最も店構えに風情がある。
店内に入ると、数人の女性客が静かにうどんを楽しんでいた。
近隣の人以外は、車でしか行けない場所にあるが、多くのお客さんに愛されているのだろう。そんな空気が漂っている。
まずは、うどんの実力がわかる、「生しょうゆうどん」を頼んでみた。
おおっ、なんと艶やかなのか。うどん一本一本がてらりと輝き、「早く食べて」と誘われる。
むむう。コシが強い。16〜8回ほど噛んでようやく口の名から消えていく、根性を見せるうどんである。
微かな塩気とほんのりとした甘さがあって、そこに醤油と酢橘かけると、さらに甘みが膨らんでくる。
それが面白く、瞬く間に食べてしまった。
よし、お次は「釜玉うどん」といってみよう。
ああ、卵の甘みとうどんの甘みが共鳴しあう。
さらにそこへ醤油をかけると旨味が増え、つるるとこちらも、瞬く間に食べ終えてしまった。
最後は重鎮「カレーうどん」といってみた。
カレーは、まろやかさの中にスパイシーな刺激があってたまらない。
刺激のツンと、カレーの中に潜んだ甘みのデレ。
いいカレーうどんは、このツンデレ具合のバランスがいい。
ツンデレがあってこそ、うどんと馴染む。
具は、ネギと千切り生姜と牛バラ肉で、千切りと一緒にすすると香りも加わって、ますます魅力的になる。
店は2015年に自宅を改造し、楓を植えて始められたとのこと。
ラーメン屋やうどん屋は男客が多い。
そこで、ご主人は女性が一人で来られる店をめざしたのだという。
その甲斐あって、いまでは7割が女性客である。
美味しいうどんを食べるだけでなく、鄙びたこの場所でのんびりと過ごすのが好きなのだろう。
それは、仕事の忙しい時こそ、来たくなるうどん屋なのである。
高知県高知市朝倉南町「うどん処 楓」にて