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刺身と小鉢で昼酒をいただきたくなる贅沢ランチ御膳「高知座屋(いざりや)」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2022年3月20日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は、高知の人気和食店「高知座屋」で贅沢ランチ御膳をいただいてきました。

以前ご紹介した「将人(座屋:いざりや)」でお値打ちのお昼ご飯があるという。

【記事】主人が高知にいるときだけ開店する人気板前割烹「将人」

そこでその「座屋御前 2500円」を注文した。

お膳の上には、ところ狭しと数々の料理が盛られている。

刺身に焼きもの、蒸し物、酢の物、小鉢が二種、デザートで、それにご飯と味噌汁がついてくる。

さあどれから食べようか。

心の中で、迷い箸をする。

こういう嬉しい悩みは楽しいな。

まずは「岩もずく酢」からいってみた。

うむ太い、一本一本がしっかりとして香りがある。

こういう何気ないものが、きちんとしていると気持ちがいい。

すっかり気が良くなって、次はお造りに手を伸ばした。

鰹、ヒラメ、タチイカ(アオリイカ)という布陣である。

鰹は実に滑らかで、ヒラメはほの甘い。

中でもタチイカが良かった。

白き身にぐっと力を入れて噛むと、甘いエキスがにじみ出る。

猛烈にご飯が食べたくなって、茶碗に手を伸ばした。

ご飯も質が高い。

聞けば四万十源流米だという。

さあ次は焼き魚だ。

金目鯛カマ塩麹漬け焼きである。

ああ、味が濃い。

金目鯛のしなやかな脂の甘みが塩麹と抱き合い、こいつもご飯を呼ぶ。

金目鯛の後ろに控えしは、小豆島オリーブ牛グリル 新牛蒡ソースである。

新牛蒡の青々しいい香りが、牛肉とあうこと。

ご飯に乗せて、かき込んでもおいしいぞ。

さあ、このあたりで、青さとネギと茗荷、白菜赤だし味噌汁を飲んで一息つき、小鉢に手を伸ばそう。

はちきん地鶏酢味噌がけは肉がしっとりとしていて、鶏肉の香りがある。

鰤の南蛮漬けは、酒を飲みたくなる味わいだな。

最後ははらんぼの飯蒸しといってみた。

はらんぼとは、鰹の腹身である。

おお 、脂が乗っているではないか。

こいつだけでご飯を一膳いけるな。

また付け合わせのセンスもいい。

高知の菜の花と大根煮で、はらんぼの脂をすっと引いてくれて、またはらんぼが食べたくなる、憎い取り合わせである。

最後のブリュレは、普通のブリュレかと思いきや、後口に柚子が追いかけてまた食べたくなる柚子ブリュレだった。

隅から隅まで高知である。

食べ方としては、こうして一皿ずつ食べていくのもいいし、それぞれの料理を少しずつ食べていくのも楽しいだろう。

あるいは酒飲みだったら、昼からこの御膳で日本酒を楽しむという手もある。

ご飯と味噌汁は、後で持って来てもらう。

おかずで、特に酒が進むお造り、小鉢で一本飲んでから、ご飯の時間とするのはどうだろう。

ほろ酔いで、好みのおかずにあわせ、ご飯をいただく。

こんな食べ方も、御前の楽しみ方のひとつである。

高知県高知市廿代町「高知座屋(いざりや)」にて

 

【あわせて読む】「高知の恵みが高知の酒を恋しくさせる。さあ座屋で、いざっていきやぁ」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記