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世界から見た地元はこんなにすごい!Uターンの「はちきん」が高知・室戸の魅力を発信

       

この情報は2022年3月22日時点の情報となります。

    高知県出身の和田也実さんは、関西の大学を卒業後、関西での企業勤めを経て高知県にUターン。その後、2020年2月に「地域おこし協力隊」として室戸市の観光班に着任。現在はジオパーク班に異動し、兼属となる室戸ユネスコ世界ジオパークの推進メンバーとしても広報活動を中心に活躍されています。

    高知を拠点にグローバルな活躍をされる和田さんに、所属されている地域おこし協力隊の魅力や室戸のジオパークメンバーとしての活動、今後のビジョンについてお伺いました。

    「地域おこし協力隊」で室戸に着任。Uターンで再発見した高知の魅力

    オーストラリア・シドニーにて

    ─「地域おこし協力隊」とは、総務省の精度によってつくられた組織だそうですね。どういった活動をするのでしょうか?

    和田さん:過疎地域の市町村に雇われる形で都市部から移住し、地場産業・産品の地域協力活動や移住促進を目的とした活動をしています。任期は1〜3年。特長は、報酬や住宅手当が用意されているところです。

    ─和田さんはUターンで戻ってこられる前は、関西で生活されていたんですよね。

    和田さん:高校卒業後に関西学院大学に進学して、そのまま関西の健康食品会社の総合職に就職しました。激務で体調を崩したことで、一度は高知へUターン。ですが、その後、オーストラリアに8ヶ月のワーキングホリデーへ行きました。学生時代は英語が得意ではなかったのですが、現地での生活が4ヶ月を過ぎたあたりから英語でコミュニケーションがとれるようになりました。

    室戸の魅力に出会えるYouTubeチャンネル開設!スマホ片手に企画から編集まで初挑戦

    和田さんと大好物のキンメダイ

    ─2020年2月に室戸市の地域おこし協力隊に着任してからは、どのような業務をされてこられましたか?

    和田さん:着任当初は観光班で広報業務を担い、翌年の2021年6月にジオパーク班に異動しました。所属する部署は変わりましたが、こちらでも広報業務を担当しています。

    観光班にいたときは室戸市の観光にまつわる広報活動を、現在所属のジオパーク班では「室戸ジオパーク」を軸にした広報活動を行っています。

    ─それぞれの活動内容について簡単に教えてください。

    和田さん:観光班の広報では、facebookで日本語と英語の2か国語を用いて記事を書いて室戸をPRしたり、グランピング施設の「MUROTO base 55」を核に室戸市内の周遊観光促進を図ったりするのが主でした。面白かったのは、上司から具体的な活動指示が出されるのではなく、自分で考えたアイデアをもとに動けたことです。

    和田さん:ジオパーク班では、県立室戸高校でジオパークについての開催探求学習のサポートや、ジオパークに校外学習で学生が訪れた際の案内役、広報誌「室戸ジオパークだより」の発行をしています。また、国際交流・地質と地形の3人の研究専門員をはじめとした室戸ジオパーク推進協議会のメンバーとともに、室戸ジオパークの推進活動も行っています。専門職員と直接関われるため、いろんな専門知識が学べる魅力に溢れた部署ですね。

    ─観光班ではご自身のアイデアをもとに動ける環境だったとのことですが、形にされたアイデアはありますか?

    和田さん:室戸の情報を発信するために、YouTubeで「なりチャンネル」というチャンネル作って配信を始めました。スマートフォン片手に取材・撮影のみならず、編集まで一人で行っています。地方のピンポイント情報ながら、いまでは259人の登録者がいらっしゃいます(2022年3月現在)。

    ─配信や取材をきっかけに周遊観光促進につながった事例はありますか? 

    和田さん:観光班に所属していた当時、むろと廃校水族館で、「ぶりくじ」という魚のぶりのぬいぐるみが当たるくじびきが有名でした。大正14年創業の料亭「花月」のキンメ丼を取材した際に、そのお店でキンメバージョンのぬいぐるみくじが販売されていることを発見。それは当時の観光課で認知されていない情報でした。

    そこから、室戸市内の各観光拠点にぬいぐるみくじを設置し、スタンプラリーの要領で市内を回る「MUROTOくじらりー」を観光課主催で開催し、好評をいただきました。観光資源の掘り起こしに私のYouTubeが役立った事例だと思います。

    室戸のジオパークを世界へ!「ユネスコ世界ジオパーク国際会議」で室戸の取組を講演

    ─ジオパーク班に異動されてからは、ユネスコの事業にもかかわっておられるとか。

    和田さん:ジオパーク班に配属されると、自動的に室戸ジオパーク推進協議会(室戸ユネスコ世界ジオパークの推進母体の団体)の兼属になるんです。世界には「ユネスコ世界ジオパーク」の指定地域が169ヶ所あり、うち9カ所が日本にあるんです。そのうちの一つが、室戸のジオパークです。

    ユネスコ世界ジオパークでは定期的に国際会議が開催されていて、そこでは選考で採用された取組事例の発表もあるんです。実は2021年の「第9回ユネスコ世界ジオパーク国際会議」(開催地:韓国)では、室戸の西山台地について発表する機会を得ました。コロナ禍だったため、本来なら開催地で登壇するのですが、そのときはZOOMでの講演になりました。

    ※ジオパーク:地球科学的に重要な遺産を保全し、教育や観光に活用する取り組み。2015年からジオパークは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の正式なプログラム。

    ─グローバルに活躍されている和田さんですが、「地域おこし協力隊」としての活動ではご苦労もあったのではないでしょうか?

    和田さん:地域おこし協力隊の着任当初は、この取組自体がまだ市民の方に浸透しておらず、自己紹介して積極的に地域に飛び込んでいきました。企業のような研修やマニュアルがないため、最初のころは身近な方をはじめいろんな人たちの意見や提案を聞くようにしていましたね。そうしたリサーチから誕生したのが、前述のYouTube配信なんです。

    ジオパークとも深く関係する吉良川町で古民家を改修して一棟貸しの宿を運営したい

    ─今後の目標があれば教えてください。

    和田さん:2022年の目標は、吉良川町の両親が所有する古民家を改修して、一棟貸しの宿にすることです。吉良川町は、昭和初期から戦後にかけて土佐備長炭で栄えた場所。室戸の激しい風雨にも耐えられる工夫が施された独自の建築技術による建造物が並んでいて、他府県からもわざわざカメラマンが撮影に来るくらい情緒あふれた街並みなんです。

    ここらは重要建築物保存地区にも指定されていて、地域の歴史がジオパークとも深く関係していることもあり、街並みガイドができたらと考えているんです。

    室戸に誇り!起業したら恩返しを

    ─高知県への想いをお聞かせください。

    和田さん:生まれた土地でもあるので、一番安心できる場所ですね。守られている気持ちにもなります。Uターンで戻ってきて、前よりも地元のことが好きになりました。地域おこし協力隊でジオパークに関わり、世界から見た室戸がこんなにもすごいところだったんだと誇りを持てたのもうれしいですね。

    高知には「はちきん」という土佐の強い女性を表す言葉がありますが、特に室戸の女性ははちきんですね。他の地域に比べて、女性がたくさん活躍しています。今の私には、まだ何の力もありませんが、自分が起業した暁にはお世話になった高知の方々に恩返しをしたいです。

    あと、高知を出てわかったのが、魚の味が全然違うこと。キンメの刺身やこけら寿司は、まさにソウルフード。高知の魚は本当に美味しいので是非食べてみてください!

    地域おこし協力隊情報

    室戸地域おこし協力隊  和田也実

    https://www.city.muroto.kochi.jp/pages/muroto-crcs.php

    室戸ユネスコ世界ジオパークセンター

    https://www.muroto-geo.jp/

    なりチャンネル

    https://www.youtube.com/channel/UCWlzXZmRnDAMdt4EbLyd60A/