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魅力的なキャラクターを次々とデザイン 人や企業にとどまらず地方も幸せにする ー大阪市 ハッピークリエイター・たかいよしかずー

       

この情報は2022年3月21日時点の情報となります。

    大阪・南堀江にビルを構えるイラストとデザインの会社「京田クリエーション」。社長のたかいさんは、絵本「怪談レストラン」シリーズや「明治マーブルチョコレート」の「マーブルわんちゃん」など、目にした人が思わず足を止めてしまう魅力的なキャラクターを数多くデザインしてきました。ミュージアム「海洋堂ホビー館四万十」のキャラを手掛けるなど、高知県とも縁を結んでいます。

    マーブルチョコレートから絵本  街のキャラクターまで  原点は子どもたちのためのファンシーグッズ

    ―たくさんのキャラクターを生み出してこられています。「マーブルチョコレート」は大人の私も仕事の息抜きによく食べますし、「怪談レストラン」も手に取ったことがある親子も多いと思います。そのキャラやイラストを、たかいさんが生み出していたとは驚きです。

    たかいさん:僕は大阪府堺市生まれで、高校2年生までは漫画家に、高校3年生の時はアニメーターになりたいと思っていました。大阪芸術大に進んだあと、イラストレーターを志し、1984年に京田クリエーションに入社しました。

    当時はファンシーグッズが小中高生にすごく売れる時代で、入社して3年間、文具メーカー「コクヨ」に出向して、文具やハンカチなどの小物に使うキャラクターの企画を担当しました。デザインのコンペがあって、選ぶのは、実際に商品を買う子どもたち。彼女たちが「かわいい」「欲しい」と選ぶキャラクターが採用されて、鉛筆や消しゴム、定規にプリントされる。すごく仕事が面白かった。

    ―その後、松下電工など企業のデザインやイラストを手がけられていますが、1996年に転機が訪れます。今も大事にされているオリジナルキャラ「ネコダルマン」がきっかけだったそうですが。

    たかいさん:きっかけは偶然でした。会社の応接間に、自作のキャラの人形を並べていたところ、出入りの営業の方が「面白い」と言ってくれて。その方がその後独立して出版社を始めたので、思い切って、自分がデザインしたキャラクターたちの本「ネコダルマン ファンタスティックワールド」(東京経済刊)を94年に自費出版しました。

    そしたら、その本が児童文学作家・松谷みよ子さんの私設図書館に並び、そこで童心社(出版社)の編集者が注目してくれて、絵本「怪談レストラン」シリーズで絵を描く仕事が舞い込みました。「マーブルわんちゃん」も、明治製菓(現・明治)の社員の方がネコダルマンの本を見て「面白い」と思ってくれたのがきっかけです。

    「自分のことを見てくれている」キャラクターは世代を超えたコミュニケーション

    作業風景(画像提供:たかいよしかずさん)

    ―たかいさんのキャラクターは、書店や商品のそばを通ると、思わず足を止めて見てしまう不思議な「愛らしさ」があります。

    たかいさん:コクヨに出向していたころ、京田クリエーションには凄腕の先輩デザイナーが5人いて、その方々からは「自分が描きたいものではなく、お客さんが買いたくなるものをデザインしなさい」と助言されたこともあるんです。それはそれで正しいことなのですが、私は「自分の描きたいもの」を大事にしてきました。

    我(が)を貫き通したのが、結果として、今につながっている気がします。「たかいさんのデザインするキャラって『自分のことを見ていてくれる』気がします」と周囲からよく言われます。キャラクターって、コミュニケーションだと思うんです。商品を手に取るきっかけにもなるし、子どもからお年寄りまで3世代が好きになってくれて、会話の糸口になったりもする。人と人をつなぐ力がキャラクターにはあると思います。

    「海洋堂ホビー館」がきっかけで高知と縁 お国言葉もキャラクターに

    海洋堂ホビー館四万十前での記念写真(画像提供:たかいよしかずさん)

    ―「コミュニケーション」。まさにその通りですね。たかいさんがデザインした兵庫県西宮市のキャラクター「みやたん」は市民に愛されるキャラに成長していますし、千日前商店街(大阪市)の「みにゃみん」など、企業だけでなく、街を幸せにする仕事もされています。まさに「ハッピークリエイター」。出身地ではない高知県との縁はどのようにして始まったのですか?

    たかいさん:海洋堂がミュージアム(後の「海洋堂ホビー館四万十」)を高知県四万十町につくると聞いて、「ここのキャラクターはぜひ自分でデザインしたい」と売り込み、河童をモチーフにした「うまのすけっぴ」を公式キャラクターに採用してもらったのがきっかけです。外観も弊社のクリエーターが手がけました。2012年、私は京田クリエーションの社長になり、社員旅行を復活させたのですが、その時にも、社員みんなで海洋堂ホビー館四万十を訪れました。

    方言キャラ絵本(画像提供:たかいよしかずさん)

    ―高知県など全国47都道府県の方言をキャラクターにし、収録した「方言キャラ絵本」も2014年に出版されていますね。

    たかいさん:収録しているキャラクターだけで全国の言葉約360をそれぞれキャラクターにしました。高知でも約60のお国言葉でキャラクターを考え、うち、「がいな」「~ぜよ」「ぎっちり」「ざんじ」「ばぶれる」の5体を載せました。

    今後の展望について

    ―雑誌「たのしい幼稚園」で幼児向けの漫画に挑戦されたり、デザインの世界を志す若者のために「キャラクターデザインの仕事」というエッセイ集を著されたりもしています。マルチに活躍されていますが、これからの「夢」はありますか?

    たかいさん:妖怪たちが登場する絵本「ようかいむら」シリーズ(国土社刊)で絵もお話も描(書)いています。小学校の子どもたちにイモ掘りや運動会、お正月といった、学校や季節の行事を楽しく、身近に感じてもらう絵本で、13冊目となる「ようかいむらのふしぎとしょかん」を今年(2022年)2月に刊行しました。

    私は高校生の時はアニメーターになりたかったほどなので、夢は「ようかいむら」シリーズのアニメ化ですね。これまで手掛けてきたキャラやイラストが何千点もあるので、それらを集めた美術館を建てるのも夢です。「自分の作品で人を元気に、幸せに」。その思いを持ち続けていきたい。

    高知県への思い

    ─高知県に対して思うことがあれば教えてください。

    たかいさん:「方言キャラ絵本」を作った時は、全国のお国言葉の意味を調べ、そこからイメージを膨らませてデザインするのですが、高知は男気あふれる言葉が多い。海洋堂ホビー館の仕事の縁で、訪れるようになりましたが、高知は気候も人もあたたかくて、大好きです。

    活動情報

    株式会社 京田クリエーション

    代表取締役社長 髙井喜和(たかいよしかず)

    本社所在地:大阪府大阪市西区南堀江3-4-8

    電話:06-6535-1653

    FAX:06-6535-1643

    業務内容:商業デザインの企画および制作(会社案内、年史、広報誌、ロゴタイプ、カタログ、パンフレット、ポスター、広告企画制作、商品企画制作、パッケージ・マニュアル企画制作、Webプランニング、電子カタログの企画制作、イラスト・キャラクター、絵本・図鑑の企画制作など)

    URL:https://kyoda.co.jp/kyodacreation/

    E-mail:ホームページに「お問い合わせフォーム」あり