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関西で70年「柏島の会」高知県幡多郡大月町柏島出身者が集う「みんなが親戚」

       

この情報は2022年3月1日時点の情報となります。

    高知県幡多郡大月町の柏島(かしわじま)出身者が集う「柏島の会」は、兵庫県西宮を拠点に活動する団体です。

    四国西南に位置する柏島(かしわじま)は、周囲約4キロの小さな島。近年、ダイビングスポットとしてだけでなく、「船が宙に浮いて見える」と透明度の高い海がSNSで有名になり、たくさんの観光客が集まるようになりました。

    そんな故郷を持つ人たちが集まる在阪ふるさと会「柏島の会」事務局長の増田さんに、団体の活動や歴史についてお話を伺いました。

    歌って、踊って、和気あいあい。年に一度の親睦会

    ─柏島の会は、どのような会でしょうか。

     増田さん:柏島の会は、島から出て関西在住の方と年に1回集まる親睦会です。毎回40名くらいが集まります。柏島の住民は、みんな親戚なんです。「久しぶりやね!」といってお酒飲んだり、歌ったり、踊ったりして親睦を深めています。

    ─楽しそうですね。法事で普段は合わない親族に会うような感じでしょうか。

     増田さん:そうです。年に1回、身内が法事や年末年始に集まるみたいなものです。全員が血縁者で親交を深めるのが目的なので、集まって何か働きかけをしようとか特別なことは何もしません。

    ─楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

     増田さん:この会のいいところは、気兼ねなく集まれるところです。もともと田舎から出てきた親類ばっかりだからね。私は県人会にも参加していますが、県人会は高知県出身者広域の集まりです。一方、柏島の会は島のピンポイントから出てきた人が集まる会。だから共通する話題が多くて、県人会とはまた違った楽しみがあります。

    途切れた時間も乗り越えて。再結成した20年の歳月を振り返る

    ─毎年ということは、何年ぐらい続いているんでしょうか。

    増田さん:この会自体は、70年ほど昔からあったんです。けれども世話人が亡くなられて、一度途切れてしまった。そこから僕が改めて立ち上げて、20年になります。年に一度の集まりなので、20回目ですね。

    ─長い歴史があるんですね。増田さんが新規で立ち上げる上で大変だったことはありますか。

    増田さん:親戚なので、何も困ったことはありません。最初は20名くらいでしたが、最多で50名くらいまで参加者が増えました。現在の柏島の人口が約400名なので、島民の約1割に当たる約40名が集まります。

    ─参加率が高いですね。

    増田さん:高知人はおおらかで物怖じせずに言いますから、「欠席したら今後の付き合い考えるよ!」と冗談めかした誘い方をすれば、みんな、ちゃんと出席してくれるんです。

    「黒潮実感センター」と共に会を継続


    黒潮実感センター長 神田優さん(1段目右端)

    ─今後の発展や目標とされていることはありますか。

    増田さん:どうやって継続していくかが課題です。若い方が参加されないのと、100歳くらいの高齢者の参加が難しくなり、少しずつ参加者が減っていることです。

    現在、会の中核になっているのが、柏島の持続可能な里海づくりに取り組む「NPO法人黒潮実感センター」です。センター長の神田優さんも参加してくださいます。そこをベースに参加者を増やしていきたいと思っています。

    魚の宝庫、ますます人気の柏島へいらしてください

    柏島の歴史や生活を綴った郷土史「ふるさと柏島」黒田矩彰著

    ─高知県への思いはどのようなものがありますか。

    増田さん:「ふるさとは遠きにありて思ふもの」(室生犀星)と言いましょうか。体はここ関西にあるけれども、心はいつも柏島です。

    ─温かい柏島への思いが伝わりますね。歴史的にはどのような場所だったんでしょうか。

    増田さん:柏島は、海底火山でできた島です。1600年に山内一豊が土佐に入国してからは、小さい島ながらも城下町でした。長宗我部(ちょうそかべ)時代には岩田城、山内一豊時代には柏島城がありました。

    江戸時代以降は、海防において重要な地でもあったんです。太平洋を望む九州諸国や異国に備えるのに絶好の位置です。戦時中は、アメリカ艦艇の突撃などに備えた軍事的な役割がありました。

    ─西南端だったことで地理的にも重要な背景があったんですね。現在の柏島を教えてください。

    増田さん:最近は、若い方がたくさん来られて、今は宿の予約が取れない状態です。里海づくりが奏功したことにくわえて、SNSで海の美しさなどが注目された影響もあるのかもしれませんね。2021年も、テレビ番組「ダーウィンが来た」や「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」に紹介されて、ますます人気が出てきました。

    柏島の周囲の海は、豊後水道(ぶんごすいどう)と暖流黒潮のぶつかる場所で、日本に生息する魚の3分の1がいるほど魚の種類も豊富な地域ですからね。その種類の多さは、世界でも有数です。

    ぜひ、高知に来られた際は、柏島にいらしてください。とても良いところですから。

    団体情報

    高知柏島の会

    会長 三木 弘乗

    事務局長 増田 浩

    住所:〒669-1103 兵庫県西宮市生瀬東町15-26

    電話:0797-75-8776