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プロ野球独立リーグ所属の高知ファイティングドッグスの「野球って楽しい」気持ち育む野球スクール

       

この情報は2022年2月16日時点の情報となります。

    ファイティングドッグスでは、小学生や幼稚園・保育園の子どもたちを対象とした野球スクールを行なっている。そこで大切にされているのは「野球って楽しい」という気持ちだ。

    「プロ野球選手になりたい」幼少期からの夢を現実に

    四国アイランドリーグplusのファイティングドッグスに2017年から所属し、2020年からはコーチとして活動している宮田 貴将さん。

    2年半の選手人生の中で、ベストナインに2度選ばれた経験を持つ。


    写真提供:高知ファイティングドッグス球団

    宮田さんは幼い頃からプロ野球選手を目指し、野球一筋の人生を歩んできた。

    宮田さん:3歳の頃から「プロ野球選手になりたい」と言っていたみたいです。でも、本格的に野球を始めたのは中学校からで、それまでは校庭でビニールボールで遊ぶ程度でした。

    宮田さんは、今の野球界を盛り上げる大谷翔平、鈴木誠也、藤浪晋太郎などと同じ94年生まれ。高校時代にはこうしたスター選手たちと同様に甲子園を目指した。

    宮田さん:高校生になってはじめて技術論を学び、目標を明確に持つことの大切さを知りました。そうして、大学卒業後には「独立リーグでプロを目指す」という目標を設定し、休日にもクラブチームに参加して練習を続けました。そんな中でファイティングドッグスのトライアウトに合格し、高知へ来ることになりました。

    こうしてプロの世界へ足を踏み入れた宮田さん。

    初めの半年は全く打てず、打率はなんと0割7分。

    この成績に愕然とし、これまで身につけてきた技術を一度忘れ、駒田監督(当時)をはじめとする指導者からのアドバイスをすべて吸収するように努めた。

    宮田さん:指導は事細かなものではなく、フォームに関するポイントなど大切なところのみです。そこから自分で考えて、どうやってその形を作るのか、どうしてその体の部位を動かさないといけないのか、などを理解します。私にとっては、「自分で考える」というプロセスがとても大切でした。

    この打てない期間に、体のこと、野球のことをより深く知ったことで、成績は劇的に改善。打率は3割1分9厘まで伸びた。


    写真提供:高知ファイティングドッグス球団

    宮田さん:こんなに突き詰めて考えたことは、後にも先にもありません。夢でも野球をするほど、野球一色の生活でした。

    宮田さんに転機が訪れたのは、2019年のこと。2018年に続き、四国アイランドリーグplusのベストナインに選ばれるも、選手引退を考えていたのだという。

    宮田さん:チームメイトの中には、ドラフト指名されプロとしてステップアップしていく選手もいました。そうした選手を見て、自分には難しいと感じていました。自分に何ができるのか、何がしたいのかを考えた時、浮かんだのが指導者の道です。

    2019年シーズンで引退し、指導者に転身。2020年、指導することの難しさという新しい課題にぶつかる。

    選手としてプレーするのと人に教えるのは別物。自分が打つためのポイントを丁寧に教えることが、他の人にとって最適な指導とは限らない。

    そんな時、苦悩していた頃に身につけた、体の使い方や仕組み、野球に関する理解度の深さが活きてくる。

    宮田さん:背中まで使ってボールを投げる、ヘソの前で打つといったことは、どうしたらできるのか。体の仕組みとして理解しているので、そこを分かりやすく説明するようにしています。自分の体の感覚だけで理解してると難しかったと思います。

    現在は、スクールコーチとして「人に教えること」の難しさと楽しさに懸命に向き合っている。

     

    子どもたちの「野球は楽しい」という気持ちを大切に


    写真提供:高知ファイティングドッグス球団

    ファイティングドッグスでは、小学生向けの野球スクールとともに、幼稚園・保育園を対象とした出前教室を行なっている。

    宮田さんはスクールコーチの一人として、メニュー考案から技術指導までを担当する。


    写真提供:高知ファイティングドッグス球団

    幼稚園・保育園での教室では、はじめて野球に触れる子どもが多いため、初心者でも楽しめる「ティーバッティング」などを行なっている。

    宮田さん:出前教室は四国銀行と協働で行なっていて、体の小さな子どもたちでも楽しめるように、こうしたグッズを用意しています。自分たちが子どもの頃には人気のスポーツだった野球ですが、今では「野球したことある人!」と聞いて手を挙げる子は少数です。まずは、野球って楽しいんだという経験をしてもらえたらと思います。

    小学生を対象としたスクールでは、子ども一人一人の課題を見極め、適切な指導をすることを心がけている。時には個別のお題を出したり、密接に関わったり。

    そんな中で、子どもたちから「試合で打てたで」、「こんなことができるようになったで」と嬉しそうな顔で報告をもらうことが宮田さんにとって一番のご褒美だ。

    宮田さん:「楽しそう」と思って始めた野球を「楽しい」という確信に変えたいですね。野球が好きな子どもたちが増えたらいいですし、その先に甲子園を目指す楽しさ、プロ野球選手を目指す楽しさを共有できたらいいなと思います。

    野球一筋にやってきた宮田さんは、「今でも野球を楽しんでいます」と言い切る。

    コーチとして指導を行う宮田さんだが、「純粋に野球を楽しむ」という気持ちだけは子どもたちと変わらない。

     

    例年、春に開催されているイベント「土佐のおきゃく」では、高知ファイティングドッグスと四国銀行の交流戦が行われ、多くの観客を楽しませている。

    残念ながら今年は中止となってしまったが、子どもたちに「野球」という夢を与える高知ファイティングドックスと四国銀行のこれからの対戦にも注目だ。

    【記事】社会人野球の甲子園「都市対抗野球大会」に4年ぶりの出場!四国銀行チームの注目選手に独占インタビュー

     

    文/長野春子