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魚の街「久礼大正町市場」で新たな取り組み!その名も「10分ガイド」

       

この情報は2018年9月21日時点の情報となります。

中土佐町「久礼大正町市場」で新たにスタートした取り組み「10分ガイド」。
食べて良し、しゃべって良しのこの取り組みをテレビ高知のルーキー中元アナが突撃レポート!

今回の舞台はここ中土佐町久礼にある「久礼大正町市場」。

ルーキーの中元アナウンサーが紹介するのは、9月15日から始まった「10分ガイド」という新たな取り組み。

 

「10分ガイド」って何?

この取り組みは、市場のことをもっと知って頂くために、観光客と市場の方が会話を通して仲良くなって楽しい時間を過ごしてもらおうと始まったもの。
ガイドの方は、漁師さんや店のスタッフなど職種は様々。なので、ガイドの内容もそのガイド次第というわけだ。

ちなみに、時間を10分としているのは、みんな話好きで時間を区切らないと延々と喋り続けてしまうからなんだとか。

ガイドを受けるには、赤い「10分ガイドTシャツ」を着ている方を見つけて話し掛ければOK!

まずは、冒頭話を伺った田口さんにガイドをしてもらうことに。

田口さんはこの大正町市場の組合事務局に勤めていて、普段は主にホームページやSNSの更新をしている。
大正町市場を若い方に知ってもらって、ここに並ぶ新鮮な魚を食べてもらいたいと語る田口さんはこの久礼の出身で、久礼や大正町市場の風景を未来に残していきたいとの思いがあるという。

そんな田口さんが紹介してくれたのは「ポン吉」という串焼き屋。
今年の7月に本格的にオープンされたそうで、

店主の工藤さんは以前、同じ大正町市場に店舗を構える「田中鮮魚店」で正社員をしていたようだ。

一念発起し、店を開いた工藤さん。
街の人に可愛がられ、今ではすっかりマスコット的存在に。

次は、工藤さんの元職場だった「田中鮮魚店」。
店頭に並べられているカツオは大ぶりで見事なサイズ。

まるっとした姿で売られているが、カツオは切ってみるまで中身の状態が分からない。

もちろん、切り分けてもらうことも可能で、切って中身が良い状態でなかった場合、他のカツオに変えてもらうこともできる。
良い状態でないカツオは、廃棄されるのではなく加工用として利用されるのだそう。

 

タイムアップ!次はカツオに詳しいあの方

おっと、ここで10分経過。
10分では短くまだまだ喋りたそうな田口さんだが、決まりのためカツオに詳しい方へバトンタッチ!

次なるガイドは「田中鮮魚店」の田中社長。

田中社長のイチオシは今が旬のメジカの新子。

メジカとはソウダガツオのことで、この魚の幼魚を高知では「新子(しんこ)」と呼ぶ。

昔から宗田節の原料としてたくさん獲られていたこの魚。傷みが早く、お腹にあたりやすい魚だったため、

子どもの頃は食べさせてもらえず、新鮮な状態で売られることも少なかったのだそう。

漁師町ならではのメジカの新子を刺身でいただく中元アナ。

その味に思わずこの表情!

モチモチとした食感は、よほど新しい魚でないと味わえないらしく「濃厚な後味はメジカの新子ならでは」と自信たっぷりに語る田中社長。

腹痛という300年にわたって繰り返された人体実験の末、到達したありがたい新子の味。

田中社長の話を伺う中で、ふと社長の人生が気になった中元アナ。

「今、振り返られてどんな人生でしたか?」
と、質問を投げかける。

田中社長は、30代前半までは県外で働いていて、そこから地元に帰郷して家業の鮮魚店を継ぎ、地域おこしに積極的に参加してきたという。
その活動を通じて久礼のカツオが話題となり、久礼に活気が戻ったことは自分たちの誇りだと語る田中社長。

と、ここでタイムアップ!
きれいにまとめて時間ちょうどに終えるあたり、さすが田中社長!

 

鮮魚店の女将との会話を楽しみながら自慢のタタキを食す!

最後に中元アナが声を掛けたのは、「山本鮮魚店」の女将山本美和子さん。
生まれも育ちもここ中土佐町久礼だと語る山本さん。

お父さんや親戚も漁師で、新鮮で美味しい魚が食べられるのが当たり前の環境で育ち、子どもの頃から毎日夕方にはお母さんとこの市場に夕食の買い物に来ていたそうで、ここが人生の中で一番身近に感じられる風景なのだそう。

そんな山本さんのお店では、鰹の藁焼きタタキが大人気。生魚ばかり食べていたので実はタタキが嫌いだったと語る山本さん。

ただ、ご主人が焼くタタキは大好きで、お客さんからこんな新鮮で美味しいタタキを食べたことがないと褒めて頂くことも多いのだとか。

焼いたばかりのタタキの鮮やかな赤身!

そんなたたきを前に、たまらず試食する中元アナ。
高温でパリっと焼かれた皮に、口いっぱいに広がるカツオの味。そして爽やかに鼻に抜ける藁の香り。

そこには生臭さなどは一切なく、獲れたてのカツオの旨味を十二分に引き出している。

…と、ここでタイムアウト!
まだまだカツオを堪能したい中元アナ。

「食べかけのこれ…」
と不安そうに確認するも、

「大丈夫!全部食べてください」とあたたかい言葉を掛ける山本さん。優しい!

10分のガイドを3人の方に、合計30分のガイドを受けた中元アナ。
あっという間に時間が経って楽しかったと語るが、

「これまで観光客とはこういうきっかけがなかなかつくれなかった」と田口さん。
この10分ガイドを通じてコミュニケーションを取るきっかけができ、人を通してこの大正町市場に愛着を持って頂ければと話す。

「見る、買う、食べる」の他に「会話」という楽しみ方も増えた中土佐町の「久礼大正町市場」。
新子やカツオなど新鮮な魚を食べながら、地元の方との“新鮮な”会話もぜひ楽しんで頂きたい!

 

■施設情報

久礼大正町市場
住所:高岡郡中土佐町久礼6382
電話:0889-59-1369(観光拠点施設「ぜよぴあ」)
定休日:元日、その他店舗によって異なる

※情報提供※ テレビ高知

文/大山祐司