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高知を走る大動脈・JR土讃線を支える車両基地に潜入してみた

       

この情報は2019年2月19日時点の情報となります。

岡山と高知を結ぶ特急「南風」などが走るJR四国・土讃線。高知と瀬戸内・本州をつなぐ大動脈の安全運行を支える車両基地に高知家の○○取材班が潜入!

写真提供:JR四国

香川県の多度津駅と高知県四万十町の窪川駅を結ぶJR四国・土讃線。岡山と高知をつなぐ特急「南風」をはじめ、通勤通学客が利用する普通列車など多くの列車が走る。

そんな列車たちのメンテナンスを行う車両基地が、高知市布師田(ぬのしだ)にある「四国旅客鉄道株式会社(JR四国)高知運転所」だ。

 

普段見ることのない「車両基地」ってどんなとこ?

ここには特急から普通列車まで71両の車両が所属している。

案内していただいたのは高知運転所 布師田車両基地 車両科長の大野さん。

まず案内されたのは主に車両の検査を行う検修庫。車両は144時間ごとの日常的な点検に加えて3ヶ月に1回、クルマで言うところの「車検」が義務付けられていて、取材日は特急車両が点検を受けていた。床下の機器や車内に至るまで、4人の担当者が1日で点検するそうだ。

「走行距離50万㎞ごとになるとここでは検査できず、(香川県)多度津にある工場での検査になります。法令上50万㎞を少しでも超えると車両を動かすことができなくなるので、綿密な運用計画が必要になります。」と大野さん。

続いて見学したのは車輪旋盤という機械で鉄の車輪を削る作業。車輪は長い間走行するとレールやブレーキとの摩擦などによって表面が削れたり傷がついたりするそう。車輪を削ることで表面をキレイな状態に戻すと、乗り心地も良くなるのだ。走行距離の多い特急車両で45日に1回、普通車両だと1年半に1回削る必要があるという。

煙や火花を上げながら車輪が削られる様子は、写真では伝わりづらいが間近で見るとなかなかの興奮モノ!

その隣では車両清掃が行われているが、これは通常の車内清掃とは違う「特別清掃」と呼ばれるもので、1カ月に1回隅から隅までとことん徹底的に掃除をするのだという。床はもちろん普段目に触れないつり革や網棚の裏側まで丁寧に拭き上げていく。

ちなみに車体はこの洗車機できれいさっぱり汚れを落とす。取材時は既に実際の洗車は終わっていたが、特別に洗車機を動かしていただいた。ガソリンスタンドの洗車にちょっと似ている…。

そして整備を終えた車両はエンジンの燃料である軽油や、トイレなどに使用する水を補給して次の出発に備えるのだ。

 

意外な“地産地消”

ひと通り案内いただいたところで、キハ32形という普通列車用の車両に案内された取材班。

この車両、線路に「砂」を撒く装置が備えられていて、雨の日の坂道などで車輪がスリップするのを防ぐため、線路に砂を撒きながら走るのだ。

おもむろに砂の入っている装置を開けながら、「ここに入っている砂はちゃんと検査も済ませた品質の良いものなんです。ちなみにこの車両で使っているのは高知県仁淀川産の砂なんですよ!」と大野さん。
こんなところで高知県産の砂を使っているとは…。意外なところで“地産地消”を発見!

 

日々安全に運行するために

車両基地の一角では、近々実施される運転士になるための国家試験に向けて、運転士の卵である若手社員と教官役の社員の方々が最後の猛特訓をしていた。

「社内的には運転士の試験は受かるまで何度も受けられるというものではないんですよ。」と大野さん。

その厳しさに驚く取材班に大野さんは「車両基地を出て走り出せば安全運行の責任は運転士にかかってくるので、それだけ運転士には高い技能や判断が求められるのです。もちろん車両基地では私たちがしっかりと点検・整備していますよ。」と話してくれた。

大野さんをはじめ、多くのプロフェッショナルな人々によって快適で安全な列車の運行が成り立っているのだと改めて実感。

ちなみに普段見ることができない車両基地だが、例年10月ごろ開催される「鉄道の日ふれあい祭り」では見学ができるので、興味がある方は行ってみてはいかが?

■JR四国ホームページ
http://www.jr-shikoku.co.jp/