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「クニュクニュ食感&コラーゲン!都会で珍重される白キクラゲをいただいてみた」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2021年1月24日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食家・食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は国産では珍しいキクラゲを育てている生産者さんを訪ねました。

仁淀川町でキクラゲを作られるツボイの農園を訪ねた。

キクラゲといえば、いま主流は中国産であろう。

しかし、やはり農産物は、仁淀川町のような澄んだ空気環境の中で、きれいな仁淀川の水による栽培が好ましい。

「ツボイ農園」のハウスの中では、菌床から目覚めたキクラゲが、体をむくむくと起こして、出荷を待っていた。

黒キクラゲだけでなく、中国では美肌効果かとして珍重される白キクラゲも栽培されている。

黒とどう違うかというと、白キクラゲは黒キクラゲの変種としてのアルピノなのだという。

だが中には、先祖返りで黒に戻ろうとする奴がいて、茶色くなってしまう。

それでは出荷できないので、効率が悪く、どうしても黒に比べて高値になってしまうのである。

ツボイ農園のご主人、藤原幸栄さんは、キクラゲを作り始めて3年になられる。

きっかけは、学校給食だったという。

子供の健康のためにいい食材はないかと調べて、キクラゲに行き着いた。

キクラゲは、ビタミンDが豊富で、免疫力を高める。

植物繊維も豊富でとてもいい。

今ではその品質の良さが伝わり、東京の割烹「神楽坂きなり」や、高級中国料理店の「南国酒家」で使われているという。

早速いただいてみた。

「ポン酢をかけて山葵で食べるのが一番好き」という藤原さんの言葉通りにやってみた。

まず黒キクラゲには、市販のものでよく出会う頼りなさが一切ない。

噛めばシャキシャキと音が立つほど歯ざわりが痛快で楽しい。

本来キクラゲとは、こんな凛々しいものなのだろう。

次に白キクラゲを噛めば、ヌルッとしている。

キクラゲのコラーゲンだという。

このコラーゲンの食感があるからこそ、中国では珍重されているに違いない。

こちらの料理は、四方竹のシコッとした食感と白キクラゲのクニュリとした歯ごたえの対比が楽しい。

 
もう一品は、淡い味わいの白キクラゲを引き立てる野菜たちの香りがいじらしい、酒やご飯が恋しくなる料理である。

聞けば黒キクラゲの痛快な歯ざわりも、白キクラゲのコラーゲンも、寒暖の差があってこそ出るのだという。

温かいとこらでの栽培は、食感がベタつくのだとか。

仁淀川町の山深い環境だからこそ生まれた食感なのだろう。

今では県内より大阪や東京への出荷が多いという。

理由を聞けば、藤原さんは言われた。

「田舎の人と比べて、都会の方は健康志向が強いですから」。

そうだろう。

こんな空気のきれいなところに住んでいたら、きくらげも人間も健やかに過ごせるに違いない。

 

高知県吾川郡仁淀川町竹ノ谷「株式会社ツボイ」にて