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薄れ行く昭和の香りを今に伝える魔窟・龍河洞

       

この情報は2018年6月11日時点の情報となります。

平成も30年が経った。平成生まれがガブガブ酒を飲むかと思ったら子どもまでいるような時代になったのである。……昭和も遠くなりにけり。
そんな中、今も昭和の香りが残る香美市にある龍河洞に足を運んでみた。

2018年になり「坂本龍馬記念館」がリニューアルされたり、巨大図書館「オーテピア」が来月オープンしたりと、新しくて便利な高知がどんどん生まれている。
しかし昭和の香りを残しつつ、なんとなく平成に浸食され始めている魔窟があった。
昭和があまりに古いので、平成と融合していないのである。あくまで浸食。

高知市内から車で30分ほどにある龍河洞だ。


龍河洞に続く坂道アーケード

車を駐車場に停めてアーケードに入ると、犬の鳴き声とともに目に飛び込んでくるのは、インスタ映え間違いなしのキャラクター。


龍河洞のゆるキャラ「リューくん」だ。目力がすごい。

アーケードを少し歩くと、包丁屋さんが並んでいる。なんでもこのあたりは昔から良質の鉄が取れるとのことで、刃物屋さんが多いのだとか。そのほか、野菜や果物も並んでおり、安価で買うことができる!

そして、突然現れる謎解き小屋……「謎壺屋」。
この謎解き部屋は、「四国唯一」のものらしい。さっそく、入ってみた。レベルは子ども向けの初級と、中級、上級の3つ。

1,000円の入場料(20分)を払い、謎解き部屋(中級)に入った。20分のうちに謎を解いて部屋から出なければいけないという。

20分後……

ぜんぜんピンとこなくて、ひとっつも謎を解くことなく、ただまんじりと時間を過ごしているなか、スタッフが鍵を開けた。

言い訳するわけではないが、四国唯一だけあって侮れない謎解き部屋である。都内の謎解きに飽きた方は、ぜひ高知まで来てトライして欲しい。


そしてエスカレーターを上り、鍾乳洞入り口へ。

入場料は1,100円。謎解きの分はここで回収しよう。

鍾乳洞あるあるで、鍾乳石にいろんな名前がついている。

……これ考えた人たちは、さぞかし楽しかっただろうなあ。

ここにデートで来る方たちは、「次なる名所づくり」のために、2人で鍾乳石に名前をつけよう!
お勧めはマンガやゲームのキャラクターあたりか。
「あっ! あれポッポに見えるよね!」とか探したら楽しそうだ。
そうしたら3年後くらいに「ポッポと呼ばれている石です」とか看板が立つかもよ。


ちなみに龍馬はすでにある


細い道を上がったり下がったりくねったりする感じ、文化祭で教室に作った迷路みたい。


龍河洞は、2000年前の弥生人が暮らしていた痕跡があり、壺が石灰化していたり、たき火の跡があったり、世界でも珍しい鍾乳洞なのだとか。

鍾乳洞を出た。ゆるゆると山道を下っていくと、珍鳥センターと博物館がある。


やっぱり龍馬がいっぱい

とくに博物館は昭和がバリバリ現役なのでぜひ寄って欲しい。


手書きがノスタルジック

昔はパソコンどころかワープロもなかったから、こういう表示用の文字を書く専門のデザイナーがいたんだよな。スーパーのチラシも、博物館の説明書きも、全部手書きだったのである。


昭和6年から年表が始まってるのに「龍河洞50年のあゆみ」。どんだけ時が止まってるんだ!


恐竜の模型

かわいい

洞窟内はかなり上り道だったようで、元来た場所に戻るにはかなりの山道を下ることになる。

洞窟で時間を溯り、博物館で昭和を堪能する。しかしアーケードの入り口付近から平成が浸食を始めており、手前にはおしゃれなカフェもある。謎解きもあるし、アーケードの入り口にはwi-fiスポットなどの平成設備もできはじめている。鍾乳洞まで平成の波が押し寄せるのは、いつ頃なのか。意外とすぐかもしれない。


魔窟が今の形を留めていられるのは、いつまでなのか……。
急げ、魔窟はまだ生きている。龍河洞付近は、鍾乳洞だけではなくその周囲のものもこよなく面白くて、3〜4時間は平気で堪能してしまうことができる。

まだ行ってない人はぜひ行ってみよう。

施設紹介

龍河洞

住所/高知県香美市土佐山田町逆川1424

文/和久井 香菜子