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【高知グルメ】四万十町の恵と愛情をたっぷり盛り込んだランチメニュー「cafeたのの家」ほっとこうちオススメ情報
この情報は2020年12月27日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食家・食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、高知県幡多郡大月町弘見の「力豚バル」で甘い脂を堪能してきました。
前号で黒潮町の「いろりや」で力豚カレーうどんにハマった。
うどんの力強さやカレー汁のうまさもさることながら、初めて知った「力豚」という豚肉の優しさに打たれたのである。
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「力豚」という名前とは対照的な、穏やかで綺麗な滋味は、環境なのだろうか?
もっと食べてみたい。
そう思い、大月町にある「力豚バル」へと車を走らせた。
街道沿いにポツネンと佇むこの店は、力豚の底力に惚れ込んだ谷普爾さんが、昼はイタリアン、夜は「力豚バル」として営まれている。
店主の谷さんは、いかにも豚肉と炭水化物を食べてますという堂々たる体躯で、こういう店主が現れると美味しいものにありつけそうで嬉しくなる。
店では、精肉七種類(バラ、腕、モモ、ハラミ、ロース、肩ロース、豚トロ)と、内臓六種類(ハツ、タン、レバー、小腸、大腸、胃袋)を鉄板焼きにして食べるのだという。
塩とタレがあるが、「力豚」の味をシンプルに味わいたく、塩を何もつけずに柚子胡椒だけでいただいてみた。
「肩ロース」は実にしなやかで、脂がきれいで、すうっと溶けていく。
しなやかな「バラ」は脂身と赤身のバランスがよく、甘い脂の香りがたまらない。
「ウデ」は赤身中心で、実に肉々しく、噛みしめる喜びがある部位である。
そして「レバー」を食べて笑った。
甘いのである。
肉の健やかさは内臓に現れる。
大月町の「松元養豚場」が、豚にストレスを与えない広い畜舎で独自の配合飼料を与え、のびのびと肥育しているからであろう。
その豚の健やかさが、加工場から直送されているからの鮮度と相まって、レバーの甘みとなって現れている。
脂が少ない「大腸」も健やかさの証である。
鉄板焼きの実力にうなって、「力豚ホルモン」のアヒージョもいってみた。
オリーブ油に溶け込んだ健康な脂が、甘い香りを放っておいしい。
「力豚ウィンナーのピッツァ」は、ソーセージの味が濃く、それがチーズやソースとなじんで、たまりません。
大北柚子農園と四万十唐辛子、高知の塩を使い、地元の豚を焼く。
地元の人はほとんど来ないというが、山と海に恵みに富んだ高知には、こんな誇らしいレストランがたくさんあるのだ。
高知県幡多郡大月町弘見「イタリアンレストラン ピノッキオ&力豚バル」にて