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この情報は2021年1月16日時点の情報となります。
全国的にも珍しい、通常の2倍以上のサイズのジャンボ落花生。「四万十ジャンボ落花生」として栽培・商品化をしている生産者さんを訪問すると四万十町の人のあったかさに出会うことができた。
今、「四万十ジャンボ落花生」がふるさと納税やイベントへの出店で人気を集めているという情報を得た高知家の◯◯取材班。高知市から西へ車を約2時間走らせ、生産者のいる四万十町小野に向かった。
落花生に埋め尽くされたご自宅で出迎えてくれたのは、「四万十やまのうえ商店」の島津 洋平さん。
秋の収穫時期を終え、現在は乾燥や加工を行っているところだ。
島津さんは、約10年前に神奈川県から四万十町へ移住された方。
元々デザインの仕事をしていた島津さん。清流四万十川の近くでの暮らしを夢みて、四万十町のデザイン会社に就職する形で移住をした。その後、農産物や工芸品などのデザインに携わる中で、生産と企画の両方やってみるのが面白いのではと思い、自分で農業を始めることになったのだ。
農業を始めるにあたって、育てる農作物に選んだのは「ジャンボ落花生」。落花生は地元・神奈川県の特産品ということもあって、島津さんにとっては身近な農産物。その馴染みの深い落花生を、移住先の四万十町で根を張り栽培することに決めた。
島津さんが育てる四万十ジャンボ落花生とは、どんなものなのだろうか。
四万十ジャンボ落花生は、その名のとおり、一般的なサイズの倍以上あるジャンボな落花生。サイズだけではなく、落花生の持つ甘み、コクが強く、カリカリとした食感も楽しめる。
栽培には、最後の清流と言われている四万十川水系の水が使われ、化学肥料や農薬は使用していない。
4~5月頃種植えをして、9~10月頃収穫、約2カ月間順次乾燥作業を行い、商品となる。
商品は、生、ゆで、煎りの三種類。
ジャンボ落花生を栽培している農家さんは全国的に少なく、さらに無農薬で栽培している農家さんとなるとかなり稀。
また、煎りジャンボ落花生はあまり他の農家さんでは販売していない希少な商品なんだとか。
-ジャンボ落花生の農家さんはなぜ少ないんですか?
島津さん:通常の落花生と比べて栽培が難しく、生産性が悪いためだと思います。また、サイズが大きいので乾燥が難しく、時間がかかるので、途中でカビが生えたりするんです。
雨にあてず、太陽光や風をうまく利用し、小まめにかき混ぜてあげることがきれいに乾燥させるコツ。
それでも商品として出荷できないものはまだまだ多く、むき身として販売したり、今年はピーナッツペーストの販売にもチャレンジしていくようだ。
元々デザイン関係のお仕事をされていた島津さん。商品のパッケージやWEBなどのデザインが印象的だ。特に、笑顔が素敵なこちらの女性が何度も登場するので、気になった取材班は質問してみることに。
-こちらの女性は、島津さんのお母さんですか?
島津さん:この方は、近くに住んでいる椎茸農家のひでみさんという方です。
-えっ!?一緒に育ててるんじゃないんですか?「私が育てました」みたいに映っているので、てっきり…
島津さん:そうなんです。よく勘違いされるんですよ。
-モデルさんだったんですね。
島津さん:勝手に撮影して、勝手に使わさせてもらいました。
-えーーーーーーー!?勝手に!?
島津さん:実は、約7年前ぐらいに地域のおばちゃんたち6~7人ぐらいに落花生の試食会をやるから集まってほしいとお願いしたんですよ。ひでみさんの笑顔をパッケージにしたいと狙っていたので、ひでみさんだけにはパッケージ用とは伝えずに撮影したんです。
-そうだったんですね。素敵な笑顔です。
島津さん:事前に話したらこんな自然な表情は撮影できなかったと思います。
ひでみさんに会ってみたくなった取材班。無理を言って、アポをとってもらうとすんなりOK。
「取材されるようなことは、なんもないで~。」と言いながら、ご自宅で迎えてくれた。
-こちらのパッケージを見て、ひでみさんに会ってみたい!と来ちゃいました。
ひでみさん:知らん間にモデルになっちょったきね。最初は嫌やったで~。私が「ジャンボ」やったき、使うたがで。失礼な話やね。笑
-これをみた人は、ひでみさんが落花生の生産者と勘違いしそうですね。こんなに大きく写真が使われているのを知った時はどうでしたか?
ひでみさん:どうでした?って言われても、気づいたらなっちょったき、しょうがない。笑
島津さん:大変評判がよくて、ひでみさんには感謝です。
-ジャンボ落花生は、お好きですか?
ひでみさん:私もお父さん(旦那さん)も大好き。一般的に売られゆうのとは全然違っておいしいね。
-ひでみさん、写真撮らせてもらっていいですか?
ひでみさん:嫌よ~!!!
島津さん:大丈夫ですよ!!!
ひでみさん:また勝手にそんなこと言うて!写真なんか大嫌いよ!落花生は、だまされて撮っただけやき。
お願いすること約10分。
家庭菜園を見せていただけるということで、こっそりカメラをひでみさんに向けると…
ひでみさん:やめて~。
それでも撮影を続けてみると、
最後にはピースと、とびきりの笑顔をいただいた。
島津さん:最初は、四万十川・沈下橋の写真を使おうかと思いましたが、この四万十町を表現したいと思ったとき、おばちゃんたちがものすごく元気で、いい人がたくさんいるんです。中でもひでみさんが「ジャンボ落花生」のイメージにぴったりだなと。このパッケージから四万十町の楽しさが伝わって、みんなが気になってくれたらいいなと思ってます。
-すっかり四万十町の顔ですね。
ひでみさん:私はなんちゃあ思おてない。嬉しゅうもないけんど、島津くんが作りゆうき、ちょっとでも売れたらいいかな思いゆうぐらいよ。人(私)はのけてくれてもいいけんど。笑
取材中、ずっと笑顔でお話していたひでみさん。島津さんが四万十町の魅力を伝えるためにひでみさんを起用した理由がわかったような気がした。
四万十町の「人の良さ」がパッケージに込められた「四万十ジャンボ落花生」。一度食べてみてほしい。
四万十やまのうえ商店
住所:高知県高岡郡四万十町小野543番地
電話:050-3786-0410
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