グルメ
美味しいヘルシーな「高知家の朝ごはん」銀座のアンテナショップで買って作っていただきます!
この情報は2020年12月13日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食家・食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、300種類もの総菜を手作りする高知県土佐町にある「末広ショッピングセンター」を訪ねてきました。
高知にとんでもないスーパーがあると聞いた。
「とにかくすごいんです」。
「惣菜の数がね」。
教えてくれた人は口々に言う。
何がすごいのか。惣菜がどうしたのか?
東京でも目の前で手作りをしたたくさんの惣菜を売っている店は、数多くある。
しかし、これは現地で一回調査しなければいけない。
ということで土佐町にあるスーパー「末広ショッピングセンター」にやってきた。
入り口を入ってすぐが惣菜売り場である。
驚いた。
膨大な種類の惣菜が売られている。
和洋中とバリエーションが多く、すべて裏のキッチンで作られているという。
惣菜類だけでなく、饅頭や羊羹など菓子類も作られている。
その数三百種類。
すべてが手作りなため、惣菜係は朝5時に出社して作り始めるという。
鰹のタタキなどは、裏に藁で炙る専用の炙り場所が作られているほど本格的である。
こういった誠実な姿勢が味に現れるのだろう。
夕方には三百種の惣菜がほどんど売り切れるのだという。
早速その中からまず、ベスト3の人気商品をいくつかいただいてみた。
3位はゴボ天である。
関東ではゴボ天といえば、魚のすり身にごぼうを入れ込んだものか、ごぼうのかき揚げをいう。
こちらはかき揚げタイプである。
しかし、それだけで完結するように、砂糖と塩で味付けしてあるのであった。
ごぼうの持つ甘みと砂糖が結びついて、かき揚げのようでいながらホッとする「おやつ」である。
2位は、高知名物の「芋天」である。
芋天といえば、高知市の街路市「日曜市」の人気商品でナゲット状にしたサツマイモに衣をつけて揚げた高知版フライドポテトであるが、ここの芋天は少し様子が違う。
まんまるふっくらと膨らんだ円板状なのである。
サツマイモを輪切りにして衣をつけ、揚げているのだろう。
日曜市のナゲット状より素朴で、芋の甘みが素直に伝わってくる。
聞けば、芋天といえば元々この形だったが、露店などで売られるようになりナゲット状が登場して定着していったのだという。
こちらの方が当然腹ごたえする。
芋を食べたぞ!という満足感があっていい。
卵・水・小麦粉による衣は、ガリッとして、中のふんわり感が広がるその対比的な食感がクセになっちゃうな。
そしてこれ1個で96円。偉いぞ「末広」。
そして栄えある1位は、「手羽先唐揚」だという。
かリリと香ばしく揚げられたそれをかじる喜び。
うん、1位の理由がわかるなあ。
他も色々いただいてみた。
高知名物「田舎寿司」は、筍と丸コンニャクを使った寿司がいい。
「栗羊羹」は、小豆味が強く甘すぎないところがいい。
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嶺北高校の学生が開発したというピザは、うまみがギュウっと詰まった土佐あかうしピザ、親鶏ミンチを甘辛く炒めたのが乗ったチキンピザ、ゆずが香る原木しいたけピザ、といったように、高知特産物を使った個性豊かなピザが楽しい。
料理制作の担当者に聞けば、今後は「れいほく八菜(注1)」を使った惣菜をどしどし開発していきたいという。
そう、ただ惣菜が多いだけではない。
地元の産物を愛し料理する心があるからこそ、「末広ショッピングセンター」の惣菜は人気なのである。
※注1 れいほく八菜 JA土佐れいほくが取入れている基準をクリアした嶺北地域の野菜に「れいほく八菜」のブランドマークをつけている。パプリカ、赤ピーマン、スナップエンドウ、ホウレンソウ、トマト、ミニトマト、米ナス、シシトウ、レタスなど
高知県土佐郡土佐町田井「末広ショッピングセンター」にて