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『私には高知しかなかった。』名古屋にある実家カフェオーナーのお話

       

この情報は2019年11月28日時点の情報となります。

全国各地で高知県をPRしてくれている方はたくさんいらっしゃる。そのお一人が名古屋にある「実家カフェ 山田」のオーナーさんだ。いま人気の古民家を改装したカフェで、高知のPRを始めたきっかけとは?

高知龍馬空港-県営名古屋空港間の飛行機が3便に増便されたことで行きやすくなった名古屋に、高知の実家に帰った気分になれるカフェがあるらしい。これはお話しをお伺いせねば!と会いに行くことに。

ということで、さっそくやってきたのは中村区役所駅。

名古屋駅から地下鉄桜通線に乗り一駅という都会に近い駅だが、少し歩くと閑静な住宅街が。

駅から歩いて15分。ここが今回の目的地みたいです。いや、ここはカフェというよりも普通の一軒家では・・・

出迎えてくれたのは、「実家カフェ 山田」オーナーの近澤 優子(ちかざわゆうこ)さん。

いったい、なぜこの一軒家でカフェを?しかも、食材は高知産オンリーというこだわりよう。気になりすぎるので、さっそくお話しを聞いてみました。

 

高知県西部出身のはちきんオーナー

近澤さんは高知県宿毛市出身。21歳で大学にいくために名古屋に移り住み、それからずっと名古屋に住んでいるのだとか。現在は、二級建築士というかたわら「実家カフェ 山田」の経営をしている。

-いきなり突っ込んだ質問なのですが、なんで21歳から大学に行こうと思ったんですか?
「就職活動をしてる中で、公務員試験を受けるも全滅。高知を出たいという気持ちが強くなる中、大学に行っている友達が帰ってくるたびに向こうでの話ばっかりしてて、そんなに大学って面白いものか!行ってみたいと思ったのがきっかけでした。」

-なるほど。それで21歳から大学だったんですね。でも選択肢として、大阪や東京などもあったと思うんですが、なぜ名古屋だったんですか?
「夜間に通える建築学科があるのが、名古屋の大学でした。学費は自分でどうにかすると親に話していたものですから、働きながら夜間に通いました。」

-それで、名古屋だったんですね。建築士に昔からなろうと思ってたんですか。
「設計というか作ることが好きだったんです。小さい頃に友達に「リカちゃんパーティー」に呼ばれて、私は人形しか持ってなかったので、自作のリカちゃんハウスを持っていったこともありました。高校最後の美術課題は、みんなは自画像を描いてたのに、先生に懇願して将来住みたい家の模型を作りました。ちゃんと電球までつけて(笑)。みんなに好評でした。」

-小さいころからの好きなことが今に生きているんですね。このカフェを始めたのは高知のことを考えて?
「いや、そこは特に関係なかったです。実際、高知が嫌で出て行った身ですから(笑)。建築だけではなく、衣食住を通した表現方法を考えていくうちに空き家を使ったカフェをやりたいなと思ったんです。その中で他にはないカフェってなんだろうと考えた結果、私には高知しかなかったんですよね。」

-なるほど。それで「高知」をメインにしたお店になったわけですね。
「そうですね。自分が生まれた場所だから思い入れがあるし、そこを武器にできればいけるなと。でも、いざやってみると知らないことだらけで今、高知のことを勉強してます。」

-やっぱり、出て行ってからわかることのほうが多いですよね。この店舗はこのカフェをやるために借りたんですか?
「いや、元々旦那のおじいさんが住んでたんですが、亡くなってから何年も寝かしてたんです。人が住まなくなった家は劣化の進行度が早く、その結果放置されることが多いんです。おじいちゃんの家をもう一度蘇らせてあげたいなと思い、3年前の11月1日に今の『実家カフェ 山田』をオープンさせました。」

-「実家カフェ 山田」っていうのは、香美市の「土佐山田」に所縁があるとかですか?
「高知の人だとそう思うかもしれませんね(笑)。もともとの家主であるおじいちゃんの名前です。」

-今は、実際に高知に帰って、食材探しもされるんですか?
「年に2〜3回帰省する時に、自分で調べて事業者さんを回ったりしてます。そのおかげで少しは詳しくなったと思います。今は、名古屋の中でも有数の高知PR大使だと自分で思ってますし、今年に入ってから『高知に行ったよ!』という友人やお客さんが10名くらいいます。」

-それは嬉しい!これからもたくさんの方が高知に行ってくれると嬉しいですね。
「そうですね。行ってもらうことで高知を知ってもらうことにもなるし、なによりも高知県にお金を落としてくれるので。楽しかったってまた店に来てくれる人も多くて。今後もみんながWIN-WINになれたらいいなと思ってます。」

店内は、まるで実家に帰ってきたかのように落ち着ける空間 和室の部屋も人気。

 

高知の食材がふんだんに使われたメニュー

-お店の人気メニューは何ですか。
「『カツオの藁焼き塩タタキ定食』が圧倒的人気です!やっぱり、高知といえば、タタキっていうイメージが強いですね。」


カツオは高知から仕入れている。分厚く切られていて、まさに高知流。

-その他にもたくさんのメニューがありますね。
「あと人気なのは「本日の高知ランチ」です。これは四万十鶏のからあげや、はちきん地鶏のローストチキン、ダバダ栗豚のローストポークなどを日によってさまざまな料理で提供しているので、通常メニューを制覇した人がよく頼みます。」


写真は、「はちきん地鶏のローストチキン丼」。卵はゆず香る「ゆずたま」を使用。

-お店に来られるのはどんな方が多いですか。
「主には近所の人ですね。夜に宴会という形で、高知の人がたまに来られるということもあります。」

-やはり、そうですよね。初めてだとほんとにお店!?って思われないですか?
「もちろん、びっくりする方もいますが、そこがうちのウリなので(笑)」

-あと気になったんですが、メニューのうしろのほうに、四コマ漫画がひっそりありますよね。
「あれ、私が描いてるんですよ。」

-そうなんですか?共感できるネタばかりなのですが!
「子供の時のネタを掘り返して描いています。外に出たいという思いで名古屋に来ましたが、今思い返すと当時はないものねだりで、周りにある面白いことが見えてなかったなぁって思います。あの時経験したことは高知でしかできないことばかり。それを思い出しながら描いてるんです。他にもあるんですが、出し過ぎるとメニューよりもそっちのほうがメインになっちゃうので(笑)。」


近澤さんの四コマ漫画の一部

-最後に一言いただけますか?
「なんでもいいですか?カフェをはじめて、高知県知事に一度お会いしたいと思ってるんです。よろしくお願いします(笑)。あと、育ててもらった高知に恩返しできるように、これからも頑張ります!!」

名古屋での高知県情報発信に一役買っている近澤さん。最後はお渡しした高知家ののぼりと一緒に写真におさまってくれました。

 

店舗情報

実家カフェ 山田

住所:愛知県名古屋市中村区深川町3-33
電話番号:052-453-1270
営業時間:11:00~17:00
※夜は4名様以上の予約のみ。
定休日:日曜日・月曜日