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この情報は2017年6月10日時点の情報となります。
カツオ王国・高知県の漁師はカツオが獲れないときに何を食べているのだろうか? 漁師町・中土佐町久礼にある『久礼大正町市場』で聞き込みをしたところ…
高知県の魚といえばやはり『カツオ』。カツオの全国消費量ランキングでも毎年ダントツで高知県が1位になるほど高知はカツオ王国だが、高知でもカツオが一年中獲れるワケではない。
カツオの漁期である3月~5月(初ガツオ)、10月~11月(戻りガツオ)以外は、高知の漁師たちは何を食べて生きているのだろうか? もしかして…冷凍のカツオばかり食べているのだろうか?
東京都民である記者の頭ではわかるワケがなかったので、実際に高知県中西部の漁師町「中土佐町久礼」にある伝統的な市場『久礼大正町市場』で、聞き込みをしてみることにした。
場内は果物から鮮魚までさまざまなお店があり、田舎町の市場とは思えないぐらいの活気! ここなら「カツオが獲れない時期に漁師が食べている魚」はありそうだ。
聞き込み開始すること数分、市場の奥にある『田中鮮魚店』の社長にお話を伺うと、有力な情報をゲットすることができた。
「カツオが獲れないときはね、ウルメ(ウルメイワシ)が獲れるんですよ。ウルメはカツオの餌になりますからね。
カツオがいるときは獲れないんだけど、いないときは大きくなって味も良くなるし、たくさん獲れるから刺身にしたり天日干しにしたりしてよく食べますよ。」
…とのこと。なるほど、カツオの餌になってしまうウルメイワシを、カツオがいないときに人間が食べるとは…さすがカツオと共に生きる高知の漁師ならではの文化である。
お話を伺ったあと、ちょうどウルメイワシが揚がったというので見学されてもらえることになったのだが…見てビックリ!
マイワシと同じかそれ以上に大型で、サイズ的には知っているウルメイワシのレベルではない。関東の海釣り公園などで釣れるものの数倍はデカいのだ。
氷水に漬けられたウルメイワシを素手でガンガン選んでいく田中社長。大型は天日干しに、中型は刺身にするらしい。
鮮度が落ちないよう急いでお店へ持ち帰り…
さばいて刺身にしてくれる。
身がツヤツヤしており、非常に美味しそうだ!
マイワシのように脂はのっていないが、身の弾力は水揚げしてすぐということがすぐにわかるプリプリ感!
口に入れて噛むとイワシの旨味がじんわりと広がるのに、まったく生臭さは感じない。コレはカツオに匹敵する美味しさだ。
こちらは2日前に獲れたウルメを天日干しにし、炙ったもの。
「ええ~っ!? 干物なのに全然生臭くないんですけど! しかもワタ(内臓の部分)がクリーミーでアンチョビのような感じ! 超美味しいです!」
と同行の女子も絶賛。刺身でも焼いてもウマいウルメイワシは、カツオが無いときの主食に余裕でなるウマさであった。
ちなみに高知で獲れるウルメイワシは日持ちが悪いため、県外に出るときはだいたい水分をよく抜いた干物になる。
そのため干す期間の短い天日干しや刺身は漁師町でしか食べられない秘密のグルメと言っていいだろう。
大正町市場には鮮魚店で選んだ魚を食べられる食堂も多いので、高知県の漁師グルメをたらふく味わいたい人はぜひ行ってみることをオススメするぞ。
久礼大正町市場:高知県高岡郡中土佐町久礼大正町