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この情報は2023年2月9日時点の情報となります。
高知市中心部から車で1時間弱の場所にある津野町は、気温や降雨量など美味しいお茶が育つ条件が揃った場所。
また四万十川の始まりの場所、源流点がある自然豊かな地域だ。
源流点があるのは「不入山(いらずやま)」という山で、麓には茶畑が広がり、古くからお茶作りが行われてきた。
写真:高知県中山間地域対策課HP「えいとここうち」より転載
津野町は「四万十川源流域の山村」が文化庁から文化的景観として認められている。
斜面に広がる、石垣に支えられた茶畑が広がる景観は津野町の財産だ。
しかし、近年では高齢化などを理由に放棄茶園が増えていることが課題となっている。
そこで茶畑のある風景を守るために立ち上がったのが、集落活動センター「奥四万十の郷」だ。
写真:高知県中山間地域対策課HP「えいとここうち」より転載
先頭に立つ、集落活動センター「奥四万十の郷」センター長の中越一俊さんにお話を伺った。
集落活動センター「奥四万十の郷」は、放棄茶園となっていた不入山の麓にある茶畑を借り受け、「いらずの茶」作りを行なっている。
中越さん:この景観を守るため、放棄茶園を増やしてはいけないという思いでお茶の生産を始めました。その昔は、ここで暮らす人が瀬戸内海の地域と物々交換を行なっていて、山の中にあるこの地域にとって貴重である海産物を送ってもらい、そのお返しに茶葉を送っていたと聞いています。自他共に認める品質の高いお茶が、昔から作られていた歴史ある地域なのです。
集落活動センターのメンバー5〜6人で作る「いらずの茶」は、自然に近い形で栽培されているお茶。
完全無農薬で育てられていて、冬場に刈り取った枝葉が堆肥となり、茶畑に足を踏み入れれば10cmほど沈み込んでしまうくらいフカフカの土が特徴なのだという。
中越さん:新芽が出るのもお茶の木任せなので、専業の茶農家さんと比べると収穫時期は1週間〜10日ほど遅くなります。「このお茶じゃないといかん」と待ってくれているファンの方がいるので、その方達のためにも、茶畑のある景観を守っていくためにも、お茶作りを続けていきたいですね。
人手の確保の問題から、今よりも生産量を増やすことは難しいと中越さんは言う。
それでも待ってくれている人のために、地域の守るべき景観のために、お茶作りを長く続けたい。
「いらずの茶」は、こうした作り手の強い気持ちによって、支えられている貴重なお茶なのだ。
「いらずの茶」を早速いただいてみる。
中越さんのおすすめは、茶葉をいつもよりひとつまみ分ほど多めに入れること。
そうすることで、香りはもちろん甘みもより強く感じられるのだそう。
美しい若草色をした「いらずの茶」を一口いただく。
口あたりが柔らかく、香り・風味はしっかりとあるが渋みはない。
上質なお茶とはこういうことか。
美味しいお茶をいただいて、ゆったりと頭も心もほぐれるリラックス時間を過ごすことができた。
最近は温かいお茶を家で入れることがめっきり減ってしまっていたが、今一度お茶を飲むことを習慣づけたい。
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集落活動センター奥四万十の郷
住所:高知県高岡郡津野町芳生野乙810
TEL:0889-43-9180