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「室戸の農業を守りたい」京都出身の青年が選んだ農業の道 西山台地のフルーツ園・小松毅士

この情報は2022年3月30日時点の情報となります。

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    高知県室戸市にある西山台地のフルーツ園で農業を営む小松毅士さん。2011年に20代半ばで京都から高知県へ移住し、現在は主にポンカンや“せとか”などの柑橘類やスイカなどの栽培に力を入れています。

    「サラリーマン家庭で育ったので、実は農業はゼロからのスタートだったんです」と語る小松さん。生まれ育った京都を離れ、農業を始めるきっかけとなった出来事から現在の活動の様子、そして今後のビジョンまで詳しく語っていただきました。

    アルバイト生活から一転、農業の後継者へ

    ―小松さんが農業を始められた経緯を教えてください。

    小松さん:きっかけは、父の一言です。僕は就職活動が上手くいかず、大学卒業後2年間はアルバイトで生活していたんですね。しかし、このままバイト生活を続けるわけにもいかず、そろそろ定職に就こうかと考えていたところ、父に「毅士はサラリーマンになるよりも、農業の方が性に合っているんじゃないか」と言われて。

    父にとっては何気ない一言だったかもしれません。しかし、僕自身がサラリーマンとして働く姿を想像できなかったので、その言葉が大きく心に響き、農業の道を考えるようになりました。

    ―お父様の一言がきっかけだったんですね。なぜ高知県を選んだのでしょうか?

    小松さん:実は、父が高知県室戸市吉良川町の出身なんです。父は就職のため京都に出てきたんですが、父の兄である伯父は高知で実家の農業を継ぎました。

    子供の頃は、夏休みや冬休みになると家族そろって父の田舎で過ごしていましたが、大人になるとほとんど行かなくなってしまって。しかし、伯父夫婦には子供がいなかったので、「この先、伯父に何かあったらあの土地はどうなるんだろう」とずっと心に引っかかっていたのです。

    ですから、農業の道を考えた時にすぐに「そうだ、伯父のところで農業をしよう」と決めました。

    ―それで高知県に移住されたんですね。

    小松さん:そうですね。やはり小さい頃から慣れ親しんできた場所がなくなるのは寂しいので、「伯父の畑を僕が守る」と決意して京都から移住しました。

    それが2011年3月上旬、ちょうど東日本大震災が起こる1週間前のことです。伯父の元でゼロから農業を学び、現在は伯父と一緒に畑作業をしたり、伯母が出荷作業をしたりしながら今に至ります。

    農業は大変。だからこそ諦めない自分自身の挑戦

    ―今はどういったものを栽培されているんですか?

    小松さん:冬はせとかやポンカンなどの柑橘類、夏はスイカ、それ以外の季節で野菜を作っています。野菜や一部の柑橘類は、近くの道の駅に出荷。スイカやポンカンは、農協を通じて県内や大阪などの県外へとお届けしています。また、一部の柑橘類に関しては、ふるさと納税の返礼品として出品もおこなっています。

    ―農業を始めて大変だったことはありますか?

    小松さん:思っていたよりも農業はきついなというのが本音ですね。やはり農業は天候に影響を受けますし、特に柑橘類は表年、裏年というのがあって収穫が多い年もあれば、ほとんど収穫できない年もありますから。

    傍から見れば、農業は「のほほんとしていていいな」と見えるかもしれません。ですが、それは家庭菜園のレベルの話。実際に農業で食べていくことは甘くなく、始めてから1、2年間は「帰りたいな」と思うことも正直ありましたね。

    ―農業を始められて10年以上が経ち、今もなお続けられる原動力はなんですか?

    小松さん:子供の頃を振り返ると、僕は「やりたい」と思って始めた習い事でも最後までやり切ったことがなかったんです。だからここで農業を辞めてしまうのは悔しいなと思って。一度決めたからには、諦めたくない。納得がいくまでやり切ろうという思いで毎日頑張っています。

    情報発信に力を入れて多くの人に農作物を届けたい

    ―今後は、どのようなビジョンを描いていますか?

    小松さん:現在の主な出荷先は、県内の道の駅になります。他にも昔からつながりのあるお客さんや、僕が新たに開拓したお客さんもいますが、将来を考えるともう少し販路を増やしていきたいですね。

    たとえばBASE(ベイス)などのオンラインサービスを活用してネットショップを立ち上げ、より多くの方々に自分たちで作った農作物を届けたいと思っています。

    ―ネットを活用して販路を広げていこうとお考えなんですね。そのために今、取り組んでいることはありますか?

    小松さん:YouTubeやInstagramを使って情報発信をしています。たとえば農家を知らない人がYouTubeを見れば「こういうことをしているんだ」とか、同じ農家さんが見れば「ここではこういうやり方でやっているんだな」というのがわかりますよね。

    撮影は妻に協力してもらって、編集は人気のYouTuberを参考にしながら自分でやっています。まだまだ投稿数は少ないんですが、今後はもっと力を入れていきたいと考えています。

    高知県への想い

    ―小松さんにとって、高知の人たちの印象はどうですか?

    小松さん:僕が住んでいる室戸の人たちは、めちゃくちゃ優しくて温かい人ばかりです。知らない人でも困っている人を見つけたら「どうしたの?大丈夫?」って声をかけたり、うちに柑橘を買いにきてくれたお客さんに対して伯父が「これも持っていきな」って、傷があって売れない柑橘をお土産に持たせてあげたり。これは農家だったらよくある光景なのかもしれませんが、人とのつながりを大事にしている人が多いなと感じますね。

    ―素敵ですね。小松さんが高知県に対して何かしていきたいことはありますか?

    小松さん:室戸市はおじいちゃん、おばあちゃんが多い町ですが、僕らのような若い世代が力を合わせてこの町を守っていければと思います。これからも周りで支えてくれる人たちを大切にしていきたいです。

    移住者情報

    西山台地のフルーツ園

    小松毅士

    YouTube:西山台地のフルーツ園https://www.youtube.com/channel/UCLEu59yIXnC3hVLmtllus2g

    Instagram:https://www.instagram.com/kotakefarm/