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麻婆豆腐に焼売に芥藍菜のエビみそ炒め!中国料理を食べて知った高知の底力「中華料理 弥栄園(みいろんゆん)」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2023年9月27日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は、高知市の本格中華「中華料理 弥栄園(みいろんゆん)」を訪ねてきました。

高知には、おいしい町中華はあるが、本格中国料理となると、俄然寂しい状況となる。

高知の優れた野菜や、肉と魚を使えば、素晴らしい中国料理になるはずである。

それだけにこの状況は悲しい。

そうぼやいていたら、ある店を紹介された。

高知市内にある「弥栄園(みいろんゆん)」である。

「弥栄」とは、日本語で言えば「いやさか」で、ますます栄る、万歳といった意味で、めでたい言葉だ。

清潔感溢れる店に入ると、いい匂いが漂ってきた。

こりゃあ期待できるぞ。

まず前菜に頼んだ、「四万十産蒸し鶏の生姜ソース」がきた。

どちらも高知の特産物である。

「蒸し鶏の生姜ソース」は、中国料理の定番メニューで、蒸し鶏にみじん切りにしたネギと生姜とごま油と塩を合わせたソースをかけた料理である。

しかし、この店のそれは違って、大量の生姜ソースがかかっている。

いわば全面生姜である。

しかも、おろしているのか、みじん切りより細かい。

これだけの生姜だと辛いのではないかと恐る恐る食べてみたが、辛みはない。

新鮮な生姜をフードプロセッサーにかけ、きびとうを少し混ぜたというが、さすが生姜産地である。

上質な生姜によって、鶏の淡い滋味を生かしている。

これで俄然期待が膨らんできた。

次は「ハーブエビとマコモタケの大葉炒め」といってみた。

マコモがシャキッと弾み、海老がプリリとした歯応えを見せる。

互いの食感を生かした炒めが素晴らしく、少量入ったカボチャや大葉の量も心憎い。

マコモは高知県の東部、室戸で作られているのだという

すっかり気を良くして、次は「芥藍菜(かいらんさい)のエビみそ炒め」といってみた。

芥藍菜とはアブラナ科の緑黄色野菜で、キャベツやブロッコリーの仲間である。

ああ、すごくいい。

噛み締めれば、茎の甘さが伝わってくる。

炒め具合が精妙で、芥藍菜が持つ青々しい香りを生かしている上、これ以上でも以下でもなき味付けもいい。

高知市の布師田で栽培されている芥藍菜だそうで、高知はこうした中国野菜も優れているのだな。

「うまいっ」。

次に頼んだのは、「ネギと玉葱の肉シュウマイ」で、口にした瞬間思わず叫んでしまった。

玉ねぎと豚肉の甘みが生きた優しい味わいで、心をほっこりとした温かい気持ちで包んでくれる。

これはひとりで12個くらい食べたいぞ。

優しい料理の後は、強いものといってみようか。麻婆豆腐である。

「和牛挽肉入りの四川麻婆豆腐」で、和牛感が半端ない。

和牛独特の甘い脂の香りがあって、それが全体の辛く痺れる味に深みを出している。

ご飯にかければ、何杯でもいってしまうだろうな。

しかし、ご飯を頼むのをグッと踏みとどまり、そばを頼んだ。

「国産小麦のシンプル汁そば」である。

具はネギだけという、潔いラーメンのスープをまず飲む。

思わず笑顔が溢れた。

ギリギリの塩味で、品のある滋味が口の中に広がり喉に落ち、細胞の隅々まで染み渡っていく。

そして麺をすすれば、甘い小麦の香りがする。

このコラムで何度も書いたが、高知はうどんが美味しい県である。

【記事】高知でうどんをいただくならココ!行ってみて食べてみて高知のうどん店6選

つまり、いい小麦が生産され製麺されている県なのである。

当然、中華の麺も美味しくなるということを、この料理が証明している。

聞けば、高知市神田(こうだ)にある佐竹製麺という製麺所が作られている麺だという。

中国料理を食べて知る、高知の底力。

いやあ、美味しかったなあ。

ナスの衣揚げ山椒唐辛子

ハーブエビの四川チリソース

高知県高知市はりまや町2丁目「中華料理 弥栄園(みいろんゆん)」にて

 

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