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【閉店】土佐人情あふれる大阪ミナミで産地直送のカツオを味わう 大阪 道頓堀「土佐武」

この情報は2022年3月11日時点の情報となります。

※こちらのお店は閉店しました

大阪ミナミを象徴する道頓堀の看板を背に2分ほど歩いたビルの2階にある「土佐武」。大阪の地で土佐の郷土料理を提供して約50年。今では、高知県出身の著名人も多く訪れるお店です。

そんな「土佐武」のご自慢のお料理から今後の事業展開まで、女将の武知喜美代さんにお話を伺ってきました。

新鮮かつおの美味さ引き立つ土佐料理

─「土佐武」では、どのようなお料理をいただけるのでしょうか?

武知さん:「かつおのたたき」や、かつおの内蔵を塩漬けにした「酒盗(しゅとう)」、葉にんにくを使ったぬたにぶりを和えた「ぶりぬた」など、土佐の郷土料理をお召し上がりいただけます。

「かつおのたたき」は、強火でさっと炙っているのと、ポン酢のゆずの香りがアクセントとなり、臭みもなく食べられます。

「ぶりぬた」は、以前にテレビ番組で高知の「ぶりぬた」が取り上げられたのがきっかけで、それ以降、お客様から「食べてみたい」とご注文も増えました。土佐料理の冬の定番料理の一つなんですよ。

─「かつおのたたき」をいただきましたが、かつおの切り身一枚一枚に厚みがあり、食べ応えがありますね。香りが控えめなにんにくと一緒にポン酢のゆずの香りが、とてもマッチしていて食が進みます。

武知さん:実は、そのポン酢も自家製なんですよ。高知のゆずを多めに使い、私のオリジナルレシピで年に2回ほど仕込みをしています。

いずれのメニューも、個人店ならではのおもてなしをしたいと考えていますので、大阪にいながら高知にいるような味わいを楽しんでいただけると嬉しいですね。

─そうなんですね。ところで、「土佐といえばかつお」といわれるほど高知県のかつおは有名ですが、他にはどのような食材を高知県から仕入れられているのでしょうか?

武知さん:ウツボやしらすなど高知を代表する鮮魚類はもちろんですが、葉にんにくをはじめとした郷土料理に欠かせない野菜も高知県から送ってもらっています。

高知の名店の味を引き継ぐ「土佐武」始まりの地は福島の高架下

─高知県を出られて大阪にお店を構えられたのには、どんな経緯があるのでしょうか?

武知さん:高校卒業後は、土佐料理で有名な「司」(高知市)でアルバイトをしていました。都会への憧れがあって、神戸で働くようになったんです。当時、高知出身の主人と一緒に仕事をしていたんですが、大阪万博が開催される頃に、元アルバイト先の司から「戻ってきてほしい」と連絡を受けたんです。

─それがきっかけで、一度に高知県に戻られたのですか?

武知さん:いいえ。大阪に出店するから、そこで働いてほしいという話でした。主人とともに夫婦で大阪の梅田にオープンした「司」で勤めることにして、数年間勤めた後、夫婦で独立開業しました。それが、最初の「土佐武」です。1973年(昭和48年)10月のことでした。

─最初の「土佐武」はどちらで開業されたのでしょうか?

武知さん:JR環状線・野田駅の高架下です。そこで司の味を引き継ぎつつ、高知の美味しいものを味わっていただこうと、個人店だからこそのおもてなしを意識してお店を営んできました。

お店自体は、同じ福島区内で角地や広さなど条件の良い場所を求めて3回移転をして、14年前に現在の大阪ミナミの道頓堀で営業を再開。当時の常連だったお客様には、とても惜しんでいただきましたね。

─大阪ミナミといえば、飲食店の激戦区ですよね。どうして福島区からミナミに移ってこられたのでしょうか?

武知さん:お客様から条件に合うところがあるということで、ご紹介いただきました。移転して14年の間に、野球選手や力士の方など、多くの著名人の方にもお越しいただけるようになりました。店内には、色紙や写真をたくさん飾らせていただいています。

今後の事業展開について

─今はコロナ禍で、飲食店の経営が厳しいと聞きます。

武知さん:そうですね。約50年ほどお店を続けていますが、今が一番しんどいですね。ですが、今が踏ん張りどき。以前は夫と夫婦二人三脚で、今は息子とともに経営をしていますが、長年勤めてくれているスタッフや、なによりお客様の存在が支えになっています。

コロナ禍の中でも、馴染みのお客様が気にかけて来店してくださって。お客様のお顔を見られるだけで心強くなれるんです。

─今は踏ん張りどきとのことですが、今後の展開などについて考えておられることがあれば教えてください。

武知さん:これからもお客様のために、お店を続けていきたいですね。土佐の食材を使って料理のバリエーションを広げ、他の土地の食材も使いながらメニューに工夫をしていきたいと考えています。

高知県への想い、高知県人としてのプライド

─関西に来てから、ご自身の高知県に対する想いや高知人として感じる誇りに変化はありましたか?

武知さん:私は高知県中村市の出身なのですが、歳を重ねるごとに高知県出身であることを誇りに感じるようになりました。高知県人の長所には、誰とでも仲良くなれるところがあるんですが、もともと私は無口なほうで。それが、大阪に来てからは高知県人の良さが出てきたように思います。

─そうなのですね。お話されるときに、高知弁が出ることもあるんでしょうか?

武知さん:そうですね。普段はあまり高知弁で話すことはないのですが、高知県の方や高知出身の方がいらっしゃると、無意識に高知弁が出ますね。たとえば「またきぃーやー。まっちょるきね」(またきてね。待ってるからね)「飲みやー、正月やきねー(飲んでね。正月だしね)」など。

土佐料理のお店をしていることもあって、高知県のことはいつも心の中にありますね。

─高知県に対して女将さんがしていること、今後していきたいことなどはありますか?

武知さん:高校野球の観戦時には、高知県代表のペナントを買って応援したりしています。大きなことはできませんので、たとえ少しでもそれが恩返しになっていればいいなと思っています。

店舗情報

土佐郷土料理専門店 土佐武

住所:大阪市中央区道頓堀2丁目4−13

電話:06-6211-7712

営業時間:17:00〜24:00

定休日:日曜日

URL:​​​​​​https://tabelog.com/osaka/A2701/A270202/27019354