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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2022年1月30日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間700食を食べ歩き、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は、60種類以上の練り物、揚げ物を売る人気店「松岡かまぼこ店」を訪ねてきました。
高知は練り物天国である。
全国を旅したが、こんなに多くの蒲鉾や揚げ天などの魚の練り物が売られ、売れていく土地はないかもしれない。
高知市の帯屋町に店を構える松岡蒲鉾の店頭には、60種類以上の練り物、揚げ物製品を求め、次から次へと客が来る。
店頭で売られている様々な揚げ物、かまぼこを見ていると腹が空く。
同時に色々な疑問も湧いてくる。
まずは、その値段である。
「カレー団子」140円に「しろだんご」210円は、なぜカレーが入っていない方が高いのか?
それなのに、「じゃこ天」160円、「ごぼう入りじゃこ天」160円は同じ値段である。
「上天」と「上天ごぼう入り」も210円で同じ理論である。
その他にも、「ししとう」130円と書かれているが、ししとう以外にも刺さっている串。
「イカ丸くん」200円と、「くん」づけされているのは人気なのか?
「なし丸天」160円の「なし」は、梨なのか無しなのか?
「オランダ」200円とはなにか?
「でんでん」140円とは?
「しいたけひっつけ」520円、「コーヤひっつけ」470円の「ひっつけ」とはなんだろう?
商品を見ていくと、高知ではポピュラーなのかもしれないが、東京の人間にはさっぱりなんだかわからないものがある。
「なし丸天とはなんですか?」と、ご主人に聞けば
「なんちゃあ(なんにも)入ってないがよ」。
つまりただのすり身というわけですね。
「では、オランダとはなんですか?」と聞けば、
「グリンピースと玉子の端っこが入っちゅう」と、ご主人。
「なぜ、グリンピースと玉子の端っこが入ってオランダなんですか?」と、しつこく聞けば、
「なんでオランダと言うかわからんけんど、昔からそう呼びゆう」。
松岡かまぼこは、昭和40年ごろの創業で、昔はこの店舗の奥で全部作っていたという。
こりゃあ買って食べねばいかんねと、いくつか購入して食べてみた。
どれも素直な味である。
余計な甘さやうま味が添加されていないところがいい。
だからついつ、いくつも食べてしまう。
焼き蒲鉾も妙な甘さはなく、ちょいと醤油につけりゃ、酒が進む。
卵が練り込んである蒲鉾は、卵の甘さだろう、うっすらと甘くていい。
大天 もシンプルな味わいで、少し焼いてもいいかもしれない。
雑魚天の牛蒡入りは、白味魚の天ぷらより複雑なうま味があって、それがごぼうの香りとマッチする。
1,000円という超高級品だった「土佐ジロー玉子大丸(だいまる)」は、ピンクと薄緑という二色の丸太型に、地鶏の「土佐ジロー」のゆで卵が三個入っている。
一方「玉子大丸」は、太いちくわ型にゆで卵が入ったもので、「お正月は、松岡さんくの大丸やないといかん」と言われる人気商品だという。
ちなみに今回は購入しなかったが、「しいたけひっつけ」とは、シイタケの裏側に、すり身をぼったりと(たっぷりと)つけたもの、
「コーヤひっつけ」とは、高野豆腐の間にすり身を詰め甘く煮付けてあるものだという。
こりゃあ、また来て色々買わんといかんき。
飲食店で美味しいものを食べるのもいいが、こういう地元の人が普段から愛しているものも食べてこそ、旅の面白さというものが膨らむもんだ。
高知県高知市帯屋町2丁目「松岡かまぼこ店」にて