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新鮮野菜を全国に!高知県の特許技術「パーシャルシール包装」が本当にすごい件(理論編)

       

この情報は2018年11月5日時点の情報となります。

ニラなどの葉物野菜の鮮度を保つ高知県が独自に開発した特許技術「パーシャルシール包装」。
きっと誰かに話したくなる、パーシャルシール包装の秘密を大公開!

高知県が全国一の生産量を誇る「ニラ」。

全国に出荷されている高知県産のニラをよく見てみると…

パーシャルシール包装」という文字がある。

パーシャル(Partial=部分的な)、シール(Seal=封印する)、包装。

なので、「部分的に封印された包装」なのだろうか?

名前だけでは仕組みがよく分からないが、高知県農業技術センターが開発した特許技術のようだ。

特許として認められるには、新しいものであること(新規性)、容易に考え出すことができないこと(進歩性)など厳しい要件を満たす必要があり、簡単に許可されるものではないはず。

「パーシャルシール包装」とは何なのか。

パーシャルシール包装を開発した高知県農業技術センターを訪ねた。

パーシャルシール包装について教えてくれるのは、高知県農業技術センター 生産環境課で品質管理を担当する宮﨑さん。

記者:「パーシャルシール包装について教えてください!」

宮﨑さん:「この技術は私の前任である鈴木芳孝さんが、包装機器メーカーや代理店の方々と協力して開発したものです。パーシャルシール包装というのは、その名のとおり、部分的に接着した包装形態のことです。密閉しないで、ごくわずかな隙間を開けて包装しています。どこに孔が開いているかわかりますか?」

記者:「?」

 

読者の皆様、わかりますか??

包装された「ニラ」のどこに孔が開いているのでしょうか?

 

記者:「袋全体ですか? それとも、上部と下部とか?」

宮﨑さん:「残念。 違います。 実はここなんです。」

記者:「え?どこですか?」

宮﨑さん:「背面の接着部分。縞模様が見えますか?」

ほぅ。確かに、よくよく見てみると縦の縞模様が見える。

宮﨑さん:「包装するときには一枚のプラスチックフィルムを丸めて接着するわけですが、この筋になっている箇所は接着していないので、わずかに空気が通るようになっています。」

記者:「完全に密封してはダメなんですか?」

宮﨑さん:「野菜は常に呼吸していますので、完全に密閉してしまうと酸素が無くなり、呼吸ができなくなってしまいます。逆に通常の空気の中にいると呼吸し過ぎてエネルギーを消費してします。適度に空気(酸素)を袋に入れて、袋の中を『低酸素・高二酸化炭素』の状態にすることで、呼吸や老化ホルモンの生成が抑制されて鮮度が低下する速度が遅くなるんです。」

パーシャルシール包装の凄さはそれだけにあらず。

宮﨑さん:「経験的に酸素濃度を低くすれば長持ちすることはわかっていました。それを低コストで実現することができることがパーシャルシール包装の大きな利点です。包装機械の本体は高価なものですが、比較的安価な歯型を変えるだけでパーシャルシール包装が実現できるので低コストでの導入が可能となり、県内の各農協や市場さんに広く取り入れてもらいました。」

ニラから始まったパーシャルシール包装だが、今では青ねぎ、やっこねぎ(小ねぎ)にも使われている。

野菜によって呼吸量が違うので、取り入れる空気量を調整するため、接着部分の形状が微妙に異なっているそうだ。ニラのシール部分は縞模様だったが、やっこねぎは斜め目になっている。


やっこねぎのパーシャルシール包装は「斜め目」

宮﨑さん:「あと、高知の農家さんは「そぐり」と言われる選別作業を丁寧にすることで、品質の高い高知のニラを全国に届けるように努力されています。こうした生産者さんの地道な努力が日本一の高知県のニラを支えているんです。」

宮﨑さんによると、パーシャルシール包装を進化させた技術の研究も進んでいるそうだ。今後、高知野菜の海外輸出が増えていくと大きな力になっていくことだろう。

 

パーシャルシール包装の”理論編”はここまで。

次回は”実験編”として、パーシャルシール包装の効果を実験で検証してみたい。