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この情報は2021年5月14日時点の情報となります。
高知県でミレービスケットといえば、有限会社 野村煎豆加工店の「野村のミレー」である。
「高知県で」と書いたのには理由があり、実は高知県以外にも東海地方で5つの会社が販売をしているのだ。
しかし、「野村のミレー」の販売量はダントツに多く、その数1日に2000箱以上。高知県だけでなく全国に出荷されている。
その味の秘密はミレーを揚げるときの油にあるといい、豆を揚げた油をブレンドすることにより、独特の香ばしさを生み、あのやみつきになる美味しさを作り出しているのである。
食べはじめれば袋の中身がなくなるまで止まらない、「高知のソウルフード」である。
さて、一方の芋けんぴであるが、言うまでもなく、こちらも「高知のソウルフード」である。
芋けんぴとは、芋を棒状に切り、油で揚げ、砂糖を絡めただけの素朴なお菓子である。ごまかしがきかないだけに、材料・製法にこだわった芋けんぴは、高知で古くから愛されてきたお菓子である。
芋けんぴもまた、手が止まらなくなるお菓子であり、また一本、もう一本と口に運んでしまうのだ。なんせ、7.5kgの「缶入り芋けんぴ」なるものまで販売されているほどなのだ。
それでは、ミレーと芋けんぴ、本当に食べだしたら止まらなくなるのはどっちだ、というのが今回の取材内容である。そこで、JR高知駅南側にある「こうち旅広場」で開催されたイベントにお邪魔して、出演者の皆様に実際に食べてもらいながら話を聞いてみた。
まずは、見事なよさこい踊りを披露していただいた、「須賀IZANAI連」のみなさんに食べていただく。
踊りの後で疲れているであろうに、大人も子供もつぎつぎに、ミレーをサクサクと、芋けんぴをカリカリと食べていく。
ガリッ、サク、カリ、ポリ。どんどん持ってきたミレーと芋けんぴが減っていくのだ。
子どもたちの「ミレーとって!」「わたしまだ芋けんぴ食べてない」の声が止まらない。
このままでは、用意していたものが無くなりかねないので、みんなにミレーと芋けんぴ、どちらが食べだすと止まらなくなるかを聞いてみた。
すると「わたしミレー!サクサクした食感もいいし、とっても香ばしい」「ぼくもミレーが好き。甘すぎないから、どんどん食べれちゃう」「ぼくは芋けんぴ!このいいかんじのカリッと感がたまらんやか。」「芋けんぴの優しい甘さが好き」と聞いていてうれしくなってしまう。
「じゃあ食べだすと止まらなくなるほうに手をあげてね」と聞いてみると、明らかに両方に手をあげている者がたくさんいるではないか。「決めれない。あればどっちも食べ続けられるもん」「この2つなら永遠に食べてられる」ということらしいのだ。
今日中に、この問題の答えは出るのだろうかと思いつつ、感謝を告げ、次のみなさんのところに向かう。
ミレーと芋けんぴでエネルギーを補給した「須賀IZANAI連」のみなさんは、この日2回目の演舞にのぞみ、見事なよさこい踊りを披露したのである。
つづいて食べていただいたのは、高知県でけん玉の普及に努める「103DAMA」のみなさんである。
こちらもステージで疲れているであろうに、笑顔で取材に応じてくれた。
やはり、子供たちの食べる手が止まらない。
ミレーも芋けんぴも面白いぐらいに減っていくのだ。
そしてなにより、大人たちの食べる手が止まらないのである。
やはり、ミレーと芋けんぴが無くなりそうなので、感謝を述べ、食べだすと止まらないのはミレーか芋けんぴかを聞いてみる。
「ミレーだと思う人」「はーい!」とみんなが手を上げる。
「103DAMA」さんはミレー大好き集団なのかと思ったのもつかの間、「芋けんぴだと思う人」「はーい!」とみんなが手を上げる。
「どっちも食べ続けられるよ」とにっこり笑われてしまうと、なにも言えず笑って「ありがとうございました」と去るしかなかったのである。
つづいて話を聞いたのは「MIKA DANCE PRODUCE」の小さなダンサーたち。
ステージを終えた彼女たちに、ミレーと芋けんぴを食べていただいた。
最初はあまり意味が分からずにもじもじとしていた彼女たちも、ミレーと芋けんぴを食べ始めると、次々と手を伸ばすように。
この顔を見ていたら、なんとなくわかってしまうのだが、どちらが食べ始めると止まらないかを聞いてみる。
すると、みんながかわいい声で「どっちも」というではないか。
そう、最初の不安は当たっていたのである。この取材の答えは見えていたのだ。
ミレーも芋けんぴも食べ始めれば止まらないのである。
それは高知県民、高知家の人間にとってはあたりまえのことなのである。
ためしに、ステージ終わりのBMX Show Teamの「Sense of Unity」の二人に聞いてみれば、「そんなん両方に決まってる」とあっさり言われてしまうくらいだ。
このまま帰ることも考えたが、まだミレーと芋けんぴが、わずかながら残っている。
そして、ふと見ると柔和に笑う、人生の先輩が二人いるではないか。
長くこの二つを食べつづけてきた二人ならば、確かな答えを導き出しているかもしれないと、かすかな希望を抱きながら、話を聞いてみたのである。
すると、二人はにっこり笑いながら「そりゃあなたミレーよ」とはっきりおっしゃるではないか。
ここまではっきりした答えがあるだろうかと、感動しながらその理由を聞くと「そりゃあんた、もう歯がいかんなっちゅうきよ」との答えである。
「昔は芋けんぴもなんぼでも食べよったけど、もう固いものが駄目やき、食べ続けるのは無理やねえ。あなたも気をつけなさいよ」とおっしゃるではないか。
「ありがとうございます」と告げて、その場を去るしかなかった。
そう、やはり高知家の人間はミレーも芋けんぴも食べ続けるのだと思いしらされながら。
そして少しでも長くミレーも芋けんぴも食べられるように、歯を大事にしようと思うのであった。
※マスクの着用、手指消毒、衛生手袋の使用など感染症対策を行なった上で取材しました。