高知家の◯◯高知家の◯◯ 高知県のあれこれまとめサイト
高知県のあれこれまとめサイト
  • facebook
  • x
  • instagram
  • youtube
 

飲み比べしたい高知18蔵の日本酒!おすすめ銘柄をご紹介

       

この情報は2021年6月2日時点の情報となります。

高知の日本酒は「淡麗辛口」が美味しいと有名で、初心者向けの飲みやすいものから入手困難なお酒まで種類が豊富である。

今回は高知のおすすめの日本酒を紹介する。

高知の地酒の歴史をご紹介

高知県民のお酒好きは全国的に有名。

いつからお酒好きといわれるようになったのだろうか。

まず初めに高知の地酒の歴史を紹介する。

お酒好きのDNA

  

歴史をたどると、高知とお酒にまつわるエピソードは平安時代の書物にまでさかのぼる。

かの有名な紀貫之の「土佐日記」である。

土佐日記では「ありとある上下(かみしも)、わらはまでゑひしれて」という一文があるが、これは「土佐の酒宴は、身分の上下に関係なく子どもまで、ありとあらゆるものが酒に酔う」 といった内容だ。

平安時代からお酒好きの県民性が根付いていたようである。

その後、安土桃山時代に長宗我部元親が禁酒令を出すが土佐人達はこっそりと飲んでいたとか、土佐藩主は代々酒豪が多かったとか、土佐人のお酒好きが分かる。

脈々と受け継がれてきた土佐人のお酒好きは、江戸時代には酒造りという形で発展してゆくことになる。

発展と衰退

高知の地酒は特産品として江戸に流通していたといわれている。

明治時代の戦前、戦中も酒造りが衰えることはなく、戦後の貧しい時代を過ぎると「返杯」※「献杯」※といった豪快な飲み方や「菊の花」※などのお座敷遊びができて、酒宴はますます盛り上がり、必然的に地酒の消費量が伸び続けた。

すっきりと飲みやすい「土佐の淡麗辛口」は全国的に人気となり、県内の酒造メーカーが勢いを増してゆく。

昭和50年には、高知県の日本酒の消費量はピークを迎えた。

しかし、高知をはじめ、日本各地の地酒に影をおとす時代が到来する。

世間的にビールが圧倒的な支持を得るようになり、ワインや焼酎などが一大ブームとなり爆発的に消費量をのばすことになったのだ。

返杯※…差されたさかずきの酒を飲んだ後に、その人にさかずきを差し返すこと。
献杯※…葬儀や法要の際に開かれる会食の冒頭で行うもので、故人に敬意を示して杯を差し出すこと。
菊の花※…伏せたおちょこのどれかひとつに菊の花を忍ばせ、参加者たちが歌を歌いながらめくりつつ、菊の花が入った杯を当てた人がいままで空けた杯すべてに日本酒を注ぎ飲むというお座敷遊びのこと。

転換期

全国の酒造家は日本酒の現状に奮起し、洋酒にも対抗できる新たな酒造りを模索しはじめる。

高知の酒造家は、酒造りへの情熱を失ってはいなかった。

県も率先して酒造りをバックアップし、高知独自の酒米や酵母の新たな酒造りが始まった。

酒造家としての経験や知識、勘に頼るだけでなく、消費者の声に耳を傾け、これが功を奏したのである。

従来の高知らしい「淡麗辛口」とは異なる香りや風味、個性的な日本酒が東京で評判になり、それを受けてさらに高知の酒造りは多様化していった。

ブランド化する銘柄も生まれ、その名を再び全国にとどろかせるに至ったのである。

飲み比べしたい!高知の日本酒のおすすめ銘柄をご紹介!

南(みなみ)

 

南酒造場の希少酒「南」。

日本酒愛好家の間では「幻の日本酒」といわれている。

特別純米では山形の「出羽燦々」(でわさんさん)を酒米に使い、50%の精米度で雑味を残している。

淡麗辛口に分類されるにもかかわらず、芳醇で甘みを感じる複雑な味わいなのだ。

使用している水は蔵元の近くを流れる安田川の伏流水である。

天然のアユも生息する清流で、水質のよさは折り紙付き。

高知で南を見つけたらぜひ手にとってみてほしい。

 

酔鯨(すいげい)

酔鯨酒造の代表銘柄「酔鯨」。

尾を振り上げた鯨が描かれたラベルも、シンプルだがおしゃれで実に印象的。

「酔鯨」の特徴は、全国の質の高い酒造好適米をブレンドせずに商品ごとに使い分けているところ。

それぞれの味が際立つことから、「酔鯨」のラインナップは酒米による味の違いがわかりやすいというわけだ。

日本酒通でなくても、機会があれば「酔鯨」を飲み比べしてみてほしい。

より繊細な管理を可能とするために少量仕込みとし、麹もしっかりと造り込む。

食中酒に最適な程よい酸味に、食とお酒が止まらなくなること間違いなしだ。

 

美丈夫(びじょうふ) 純麗たまラベル

「全国新酒鑑評会」で8年連続金賞の快挙をなした名杜氏が手掛ける濵川商店の名酒「美丈夫」。

濵川商店は、日本酒造りに向かないとされる超軟水を仕込み水とし、そこから名酒を生み出すことから高い技術力が認められている蔵元だ。

「美丈夫」の水は奈半利川の伏流水である超軟水、酒米には兵庫県産の「山田錦」や高知の「吟の夢」などが使われている。

できあがったお酒はすぐに低温で保存、吟醸酒はすべて-2度の冷蔵庫に瓶貯蔵という新たな貯蔵方法を採用し、濵川商店の日本酒はさらに進化を遂げた。

「美丈夫 純麗たまラベル」は辛口で飲みやすく、さっぱりした後味でいくらでもいけそうな味わいだ。

辛いだけでなく、ほのかな甘みを持ちあわせているので、料理にマッチする。

スパークリングタイプの「美丈夫 しゅわっ!!」やカクテルにアレンジもできる「美丈夫 ゆず」などは、女性へのお土産におすすめだ。

 

亀泉(かめいずみ)

酒米も酵母も高知で新たに開発されたものが多く使われている亀泉酒造の「亀泉」。

「亀泉」の名は、酒造の蔵内にある泉に由来する。江戸時代の初期頃から干ばつに遭っても泉が枯れることがなかったため「万年の泉」と呼ばれててきたそうだ。

この泉は国土交通省が選定する「水質がもっとも良好な河川」にも選ばれる仁淀川(によどがわ)の清流の湧き水でできていて、軟水に分類される。

「亀泉」のとろみのある滑らかな喉越しは、この清流なしには完成しなかったであろう。

また、火入れをしない生酒と火入れをしたものや、通常品とは異なる高知産の酒米を使用したものなど、バリエーション豊富で、飲み比べる楽しさがあるのも特徴的。

フル―ティーで華やかな香りがやわらかく、サラッとした喉越しはどんな食事とも相性がいい。

久礼(くれ)

高知県内最古の蔵元、西岡酒造店を代表する銘柄の1つが「久礼」だ。

「吟の夢」をはじめとする高知県産の酒造好適米を中心に、四万十川が源流の湧水で仕込んでいる。

加えて酒米は自然栽培※。自然の恵みをいただけるお酒といえるだろう。

辛口であるがフルーティーな甘みと程よい酸味がある。

「久礼」には精米歩合やアルコールの度数、酒米が異なるシリーズがあり、さまざまな味わいが堪能できるので、飲み比べてぜひともお気に入りの1本を見つけてほしい。

自然栽培※…無肥料・無農薬を使わずに栽培を行うこと

土佐鶴(とさつる)

土佐鶴

「全国新酒鑑評会」最多の受賞歴でその名を全国に知らしめる高知の名酒が土佐鶴酒造の「土佐鶴」だ。

土佐日本酒の「淡麗辛口」を全国的なものにした功労者として土佐鶴酒造と「土佐鶴」の名は外すことはできないだろう。

「土佐鶴」の酒造りは、「こだわり」の一言に尽きる。

日本三大杉美林に名を連ねる魚梁瀬(やなせ)の恵みを存分に受けた酒造井戸の仕込み水は、ミネラルをバランスよく含む軟水。

酒米は山田錦を中心に各地から選りすぐり、徹底的に磨きをかける。大吟醸においては、精米歩合30%以下というから驚きだ。

独自に「土佐鶴淡麗酵母」の育種までしているが、独自の酵母に固執することなく、協会酵母※なども用いて理想の味を追求している。

「全国新酒鑑評会」全国最多の栄誉は、当然の結果といえるだろう。「土佐鶴」なら、さまざまな美味しい「淡麗辛口」を楽しめること間違いなしだ。

協会系酵母※…日本醸造協会で頒布している日本酒、焼酎およびワインの酵母菌のこと

瀧嵐(たきあらし)

高知県吾川郡いの町にある高知酒造の代表銘柄「瀧嵐」。

歌人 吉井 勇が、「 瀧嵐 このうま酒を 酌むときの 恋にかも似る 酔心かな 」と詠い愛したのが、この瀧嵐。

清流仁淀川の水を仕込み水に使用していて、透明感のあるキレの良い味わいで、喉越しにクセのないのが特徴だ。

高知に訪れた際は、ぜひ土佐の銘酒「瀧嵐」を味わって頂きたい。

司牡丹(つかさぼたん)

司牡丹

坂本龍馬も愛飲したという土佐400年の歴史を今に伝える名酒が司牡丹酒造の「司牡丹」。

「司牡丹」は、多くの酒米に山田錦を採用しており、現在では永田農法による栽培も地元佐川でおこなっているほどのこだわりよう。

仕込み水は、「日本一水のきれいな川」とも称される仁淀川水系の軟水。そこから生まれるのは、高知らしい「淡麗辛口」の華やかで香しい余韻。

土佐日本酒の伝統的な味を継承しつつも、唯一無二の存在感を有するのが「司牡丹」なのだ。

司牡丹酒造は、数々の輝かしい栄誉を受賞している蔵元でもある。お酒好きでない方にも一度は口にしてほしい日本酒である。

永田農法※…必要最小限の水と肥料で作物を育てる農業の方法のこと。

桃太郎

四万十町窪川にある文本酒造の代表銘柄「桃太郎」。

四万十川の伏流水を使用、昼夜の温度差が激しいという環境も好条件になっており、四万十の自然を利用した酒造りといえるだろう。

高知県の日本酒は、淡麗辛口が主流だが、熱燗にしたときに飲みやすい日本酒を作るという文本酒造のこだわりから「桃太郎」はやや甘口になっている。

喉越しが良く、まろやかで、程よい甘さが絶妙な「桃太郎」を、ぜひ熱燗でいただいてみてほしい。

 

文佳人(ぶんかじん)

次は、当主自らが杜氏となって仕込むみずみずしい日本酒をご紹介しよう。

明治10年(1877年)創業の蔵元、アリサワが醸造する「文佳人」である。

数々の受賞歴のあるアリサワの代表銘柄「文佳人」は、無濾過、生貯蔵にこだわった鮮度の高いみずみずしい味わいと軽やかな香りが特徴的。

管理しやすい少量仕込みによる丁寧な仕上がりで、さっぱりとした食中酒ながら本格的な味わいが楽しめる。

生しぼり果汁を使用した「文佳人 山北みかん」などは、お酒が苦手な方にもおすすめである。

 

安芸虎(あきとら)

山を背に土佐湾を臨む有光酒造の代表銘柄「安芸虎」。

アユで有名な清流、赤野川水系の井戸水を仕込み水とし、昔ながらの手間と時間を惜しまない丁寧な手仕事で小さな蔵元ながら美味しい地酒の数々を作り上げてきた「安芸虎」は、手仕事への思いが結実した1本である。

ふくらみのある辛口が特徴で、ブランドの核となる山田錦や雄町、土佐麗(とさうらら)を酒米とした品は雄々しい虎が描かれたラベルが印象的だ。

他にも、どこか愛嬌ある虎の顔のアップやオレンジの水玉模様、黄色と黒の縞模様の「タイガースラベル」など、思わず手に取りたくなるラベルデザインが多くある。

高知に訪れるのであれば、ぜひ飲んで頂きたい日本酒の1つだ。

 

桂月

お酒好き高知県民に広く長く愛されている土佐酒造の「桂月」。

明治10年(1877年)創業の土佐酒造がある土佐町には古くから米作りをしている棚田が広がっている。

高知山間の澄んだ水と空気に恵まれた環境、伝統的な技法による確かな技術で作られている。

「桂月」は棚田産など高知の酒米を使用した地元高知のお酒であることに重点を置く蔵元だ。

代名詞の「淡麗辛口」から「超辛口」までさまざまなラインナップがあるが、口当たりのよさと広がりのある風味は共通項だ。

食中酒として最適な一品である。

 

美潮(みしお) 純米吟醸 雄町 吟の夢 きたしずく

「土佐しらぎく」の仙頭酒造場が「酒を育てる」をコンセプトに2014年に誕生したブランド「美潮」。

3種類のラインナップで、酒米はそれぞれ雄町100%、吟の夢100%、きたしずく100%。精米度はすべて50%に統一されている。

米本来の甘さを比較できるのも特徴的。

雄町、吟の夢、きたしずく、それぞれの風味を存分に堪能して欲しい。

 

純米大吟醸 龍奏(りゅうそう)

龍奏

高木酒造の「龍奏」は逸話がある日本酒だ。

平成6年(1994年)のある日、海上で発生した大竜巻が高木酒造の蔵の真上にやってきた。

幸いにも被害はなく、不思議なことにそれ以来、その蔵で醸造するお酒は数々の栄誉を受けるようになったという。

「きっとお酒好きの龍神様が宿り見守っているのだ」と、この出来事にちなんだ酒造りを構想・着手する。

平成21年(2009年)、ついに龍神が奏でるお酒を意味する「龍奏」が誕生した。

「龍奏」は、酒米に「吟の夢」を100%使用して酵母も地元高知産のものを用いた「100%高知産」の地酒だ。

品格のある香りと絶妙なバランスのうえに成り立つ旨味。

日本酒好きなら一度は試しておきたい龍神様の宿る蔵の味である。

 

藤娘(ふじむすめ)

藤娘酒造の代表銘柄「藤娘」。

「藤娘」という名前は、四万十市を治めていた「一条家」にゆかりのある藤の花が由来となっている。

幻の酒米と呼ばれている「岡山県産雄町」を100%使用し、フルーティーな香りと膨らみのある柔らかな味を残しつつ、丹念に仕上げた日本酒。

熱燗にすると少し酸味のある香りが際立つので、冬場に特におすすめだ。

 

山田太鼓 純米酒

「山田太鼓 純米酒」は、松尾酒造が手がける日本酒の代表銘柄。

酒造好適米の有名銘柄「山田錦」を40%まで削り込み、低温で発酵させて作られた日本酒。

控えな辛さとスッキリした酸味が特徴で、かなり飲みやすい。

7代目蔵元、代表取締役の松尾禎之さん曰く、酒盗とガーリック入りクリームチーズを乗せたクラッカーが「山田太鼓 純米酒」のお供におすすめらしいので、ぜひこちらも試してみてほしい。

 

菊水

江戸初期から続く菊水酒造の代表銘柄「菊水」。

四国山脈の伏流水を使用した「菊水」は淡麗辛口で、口の中に残らず水のようにスッキリとした味わい。

菊水酒造9代目の春田さんオススメのおつまみは、安芸市の名物「どろめ」と「サバの姿寿司」。

その他にもカツオやトコブシ、チャンバラ貝など貝類との相性が抜群。

菊水酒造は、「タピオカのお酒」など新しいジャンルの日本酒を開発しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

 

栗焼酎25°ダバダ火振

日本酒ではないが「高知のお酒」として押さえておきたい栗焼酎もご紹介しておこう。

「栗焼酎25°ダバダ火振」である。

栗50%、麦25%、米麹25%と栗をたっぷり使用して低温蒸留した焼酎だ。

あまりの人気ぶりに出荷制限にもなった銘柄である。

栗の香りと甘さ、旨味をストレートに感じられ、一口含めばその虜になってしまう方が多いことであろう。

その風味は、スイーツにもよく合う。

蔵元である無手無冠からは、「ダバダ火振り」を使用したトリュフやケーキも販売している。

 

まとめ

高知県のおすすめの日本酒について紹介したが、いかがだっただろうか。

「淡麗辛口」の高知の日本酒は料理と非常に相性がいい。

今回紹介した日本酒と高知のグルメを一緒に堪能してみてほしい。