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この情報は2018年3月4日時点の情報となります。
高知県四万十市中村の天神橋商店街で愛される「めし屋 寺田食堂」のカレーがヤバい。
「土佐の小京都」と呼ばれる高知県四万十市中村にある天神橋商店街。そこに軒を連ねる「めし屋寺田食堂」は地元のサラリーマンや学生に愛されるビュッフェスタイルの定食屋さんだ。
こちら、大将の大久保正生さんと、時々お手伝いにやってくる娘さんの矢野和世さん。
地元の愛され定食屋さんだけあってビュッフェメニューは40品以上。その他にもうどんや丼物、四万十川の川エビまで、これでもかという品揃え。
定食メニューの鉄板、「鯖の煮付」や「ハンバーグ」、
「肉じゃが」や「ひじきの煮もの」といった家庭の味も抜け目なくラインナップ。
ひとり暮らしには、まさに垂涎のメニューだ。
隣の冷蔵ケースには各種サラダから冷奴、そしてデザートまで取り揃えられており、つい「ありがとう!大将!」と叫びたくなる。
そしてなによりも、これらのメニューの中からおかず3品を選び、ごはんとみそ汁がついて、なんとワンコインの500円でいただける驚愕プライスに、再び「ありがとう!大将!」。
しかし本題はメニューの充実でもプライスでもなく、商品棚に注意書きとともにおかれた小鉢。
「ざまに」、とは四万十市エリアの方言で「すごく」とか「大変に」という意味で、大きさや多さを表す形容詞。つまり「すごく辛いおとなのカレー」ということだが、見た目からはそれは伝わらない。
店内のレンジで温めて一口。具材はほとんどルーに溶け込んでいて、なかなかに複雑な味わい。ふむふむ、ほのかな酸味が口に広がってゆく…と思ったら、来た来た来た!ヒーーーーー!辛い!辛すぎる!
その様子を「くっくっく…」と笑いをかみ殺しながら見ている大将。
記者:「大将、どうしてこんなに辛くしちゃったんですか?いくらなんでも辛すぎるでしょ。あ、もしかして大将が辛いもの好きだとか?」
大将:「いやいや、辛いの得意じゃないですよ。これは辛すぎると思います」
記者:「じゃあ、どうしてこんなことになっちゃったんです?」
大将:「このカレーを作っているのは私じゃなくて娘なんです」
えーーーー!
ちょっとちょっと和世さん、お話し聞かせて下さいよ。
記者:「あの激辛カレー、和世さんの仕業だったんですね。どうしてあんなに辛くしたんですか?」
和世さん:「私、激辛好きなんですけど、外食で激辛料理を食べに行っても全然辛くなーいって思って。それなら自分で作ってやろうと」
だったらおとなしく自宅で作って食べていればいいものを、定食屋さんのメニューで出しちゃうとは…。
和世さん:「このカレーにハマって食べに来る人、けっこういるんですよ」
四万十市中村天神橋商店街、なかなかファンキーだ。
記者:「ちなみにレシピは?」
和世さん:「市販のルーにショウガ、ニンニク、カイエンペッパー」
記者:「あー、この辛さはカイエンペッパーを大量投入するんですね?」
和世さん:「いえ、決め手はコレです」
出た。出てしまいました。
和世さん:「私、なんにでもこれかけます」
記者:「はぁ」
和世さん:「旦那は家で赤い料理が出てくると“デス入ってないだろうな!”ってビビってます(笑)」
記者:「でしょうね。でも、辛いだけじゃなくて、クセになる美味しさがありますよね?その秘密は?」
和世さん:「おいしくなーれ、おいしくなーれっておまじないをかけながらかき混ぜるんです」
記者:「なーるほど、やさしさが込められてるんですね」
和世さん:「で、最後に“食べられるものなら食べてみろ!”ってドバっとデス入れちゃいます」
記者:「…。あ!」
もしかして、この“辛いデス”は…。
鉄板メニューから家庭の味、そしてファンキー激辛カレーまでとりそろえ、地元の人々の胃袋を満たしてきた「めし屋 寺田食堂」だが、残念なことに3月23日をもって閉店することに。
大将いわく、「ここ天神橋商店街で飲食店をやりたい人がいれば、ここの厨房機器はそのまま使ってもらっていいし、料理のレシピも全部教える」とのこと。
大将と天神橋商店街の未来について語りながら、ファンキー激辛カレーを味わってみてほしい。
めし屋寺田食堂
住所/高知県四万十市中村天神橋40
電話番号/0880-35-2658
営業時間/8:00~15:00 17:00~21:00
定休日/日曜日