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【高知グルメPro】高知県民LOVEの町中華「豚太郎(とんたろう)」でおなかいっぱい食べまくる!食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記

この情報は2025年3月2日時点の情報となります。

フレンチにエスニック、割烹にとんかつ、居酒屋から立ち食い蕎麦まで、年間700軒食べ歩き、料理評論、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす、食べるプロ「食いしんぼおじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の飲食店・生産者さんをまわって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は、高知県高知市介良にある高知県民LOVEな町中華「豚太郎(とんたろう)」にお邪魔してきました。

再び「豚太郎(とんたろう)」にやってきた。

高知県民のソウルフードとも言われるみそカツラーメン」で人気を呼ぶ店である。

県内に15店舗あり、暖簾貸しという形で岡山にも店舗があるという。

以前は大津店を訪れたが、今回は堂々たる本店である。

いや正確に言えば、高知市介良(けら)にある、唯一の直営店である。

今回いただくのは、みそカツラーメン」ではない。

実は一品料理がおいしいという評判を聞いて、いまだ使いこなせていない土佐弁で「それを食べなくてはいかんがぜよ!」と、やってきた。

頼んだのは餃子、酢どり、野菜炒め、ニラ豚、唐揚げ、焼きそばである。

まず餃子が運ばれた。

焼餃子は、野菜を主体とした、町中華の王道を行く味わいである。

ビールとやれば、何皿でもいけるタイプである。

そして、餃子が盛り付けられた皿にも、町中華の風合いがにじみ出ていて、嬉しくなる。

思わずお代わりしそうになったが、後続のおかずのことを考えてぐっと我慢した。

次は、もやしとニラ、豚コマを炒めた「ニラ豚」が運ばれた。

一口食べた瞬間、「ご飯ください」と、叫びそうになる。

猛烈にご飯が恋しくなる味わいではないか。

だからといって、味わいが濃すぎることはない。

ちょうどご飯を欲する味つけなのだ。そこがニクイ。

お次が、「酢どり」である。

頼んではみたものの、運ばれてきて口にするまではどんな料理なのかわからなかった。他県の人には珍しい名前だろう。

だが、高知では一般的だという。

一見、醤油ダレがかかった、油淋鶏のようだが、違う。

カラリとあげた鳥の唐揚げに、ほんのり甘い酢醤油がかかっているのである。

これが後を引く。これはアリである。

唐揚げの油っこさが、酢によって和らぎ、醤油の旨みと砂糖の甘み、ネギの香りによって、次々と箸が伸びてしまう。

下に敷かれているキャベツは、そんな酢醤油ダレにまみれて、下品さが持つ迫力がある。

タレが染みたキャベツをご飯に乗せれば、何膳でもいけるだろう。

危険な料理である。

「おおっ」。

次に唐揚げが運ばれてきて、思わず声をあげた。

でかい。唐揚げがでかい。

とにかく一個がでかい。

普通の唐揚の1.5倍くらいでかいだろう。

下味はほどよく、こちらも濃すぎない。

そして唐揚げ好きを喜ばすのは、皮がめくれて、皮だけの唐揚げ部分が多くあることだった。

むっちりとした肉を食べ、皮をガリガリッと噛みながら、ビールを飲む。

ああ、調子が上がってきたぞ。

次が焼きそばときた。ソース焼きそばである。

前回訪ねた若松店では、麺の上に海苔ではなく紅ショウガが乗っていた。

豚肉や野菜の切り方も全く違う。

この辺りがこの豚太郎の自由度の面白さである。

そしてこのソース焼きそばもまた、味の濃さがちょうどいい。

ソース焼きそばに上品という言葉を使うのも変だが、このソース焼きそばは、ちょいと品がいい。

だから満腹でもスルスルと入ってしまうのだった。

食後に代表取締役の岡本誠二さんにお話を伺った。

設立してもう57年目になるという。

フランチャイズやチェーン店というものは、セントラルキッチンがあり、各店舗で味のブレが一切ないことを目指す。

だがこちらは、先代からの思いで、それぞれの店に自由度を委ねている。

名物の「みそカツラーメン」ですら、トッピングされるカツにも串カツあり、ひと口カツありと、自由なのである。

「フランチャイズの店も、開店してからしばらくすると、独自の味を出したがるんです」と、社長さんは、面白がるように言われた。

「しかし味がブレると、ブランドのクォリイティが下がりませんか?」と、野暮な質問をあえてぶつけてみた。

すると、

「お客さんは、気に入った味のお店に車を向けて貰えばいいんです」と、こともなげに答えられた。

車社会だからこそ成り立つのかもしれないが、常に客目線の経営なのだろう。

麺とスープ、餃子だけは本社から送るが、それ以外のメニュー開発や調理方法、味付けは各店ごとに全て自由だという。

有限会社豚太郎公式サイトより

しかも驚くことに、創業からロイヤリティは一切無しだという。

そんなフランチャイズは聞いたことがない。太っ腹である。

このいい意味での緩さ、寛大さが、高知人気質なのかもしれない。

チェーン店といっても、マニュアルに縛られることなく、銘々が自由に、楽しく「豚太郎」を盛り上げていく。

だからこそ今日も、「豚太郎」は満席なのだ。

店舗情報

高知県高知市介良乙1060-6
営業時間:月・火・水・金・土・日 11:00 ~21:00
定休日:木曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
電話番号: 088-860-1116