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「うだる夏の日々を活性させる、柑橘ジュースの底力」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その59

       

この情報は2019年7月7日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。

小夏とは、いい名前だなあと思う。

おそらく小さい夏みかんだからそう名付けられたのだと思うが、それよりも初夏という印象や、夏を先取りして食べる果物というイメージが沸く名前だからである。

土佐を代表する人気文旦農家「白木果樹園」では、その小夏を丸ごと絞ったジュースを作っている。

小夏だけではない。

文旦(春文旦)と夏文旦もある。

飲み比べてみよう。

「小夏 」は、甘みが濃く、酸味の芯が太い。

飲むとまず、先に濃い甘みが来て、後から酸味とほのかな苦味が漂い、爽やかな香りが立ち上がる。

これは食後に、デザートとして飲むのがいいだろう。

「文旦」は、味が濃い。甘みに爽快感があって、かすかな苦味がにじむ。

これは寝起きに飲みたい。

朝一番で、少しだけ冷やしたのをクイッと飲む。

たちどころに夜のまどろみが霧散して、脳が動き出す。

「夏文旦」は、実に爽やかである。

酸味がキリッとして、背筋を正される。

飲んだ瞬間に、甘みの中を酸味が走り抜ける。

こいつは、暑い日々や疲れた時に、欠かせないなあ。

二日酔いの朝にも良さそうだ。

重い頭を抱えながら、一気に飲めば、二日酔いが次第に退散して行く。

きっとそんな効果があるだろう。

小夏、文旦、夏文旦のジュースは、いずれも皮ごと絞っているので、香りが高いだけでなく、香りの余韻が長い。

飲んでしばらく、楽しめる。

そしてなにより甘みが自然である。

舌を誘惑するが、あとはさらりと消えて、甘美な記憶だけを残す。

貴婦人のようなジュースなのである。

貴婦人のジュースは、一本千円と高価だが、500グラムの文旦で約50ccの果汁しか絞れず、この小さい瓶には一個4〜500円する文旦が、3個分入っているという。

だから、実はお値打ちなのである。

夜には、ジンやウォッカに混ぜて飲んでもいい。

飲み口が軽やかで、甘酸っぱく、飲みすぎちゃうので危険だけどね。