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【高知グルメPro】四万十町で初めて出会った加圧鍋で茹でるうどん「KOBACO(こばこ)」フードジャーナリスト・マッキー牧元の高知満腹日記
この情報は2023年11月5日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食おじさんことマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、南国市「5019 PREMIUM FACTORY 南国店」で絶品の土佐備長炭ハンバーグとハンバーガーをいただいてきました。
ジュッジュゥ~!
鉄板の上でハンバーグが、叫んでいる。
店員がそれをふたつに切って、ソースをかけた。
ジュワ~!
一気に湯気が立ち上がり、ソースが鉄板の上で泡立っている。
早く食べたい。
早く食べたいが、事態が落ち着くまで待たなければならない。
ここは、高知県南国市、ハンバーガー専門店「5019 PREMIUM FACTORY 南国店」である。
前回、こちらにお邪魔したときには、ハンバーガーを食べた。
食べているうちに、この中身だけを食べてもさぞ美味しかろうと、またやって来たというわけである。
限定10食だというこちらのハンバーグ、「土佐備長炭ハンバーグ」を食べるには、お作法を習得しなければならない。
まず、ハンバーグが運ばれる前にサラダが運ばれてくるので、これを食べて胃を刺激する。
次に紙ナプキンを、三分の一テーブルに広げておく。
定員が鉄板に乗せたハンバーグをその上に乗せる。
そして切るときに肉汁や油が飛び散るので、残り3分の二のナプキンを持ち上げて、防御壁を作る。
そのまま2分から3分、ソースのジュワ~!グツグツ!がおさまるのを待つ。
こうしてようやくハンバーグとご対面できるのである。
目の前で美味しそうな音を立てるハンバーグを見ながら、待つ。
もうこれだけで、食欲が刺激され、気分が高まってくるではないか。
切ったら切断面を鉄板に押し付け、好みの焼き加減にできるのもいい。
僕はレア気味でいってみることにした。
まだ赤い切断面と茶色の焼けた面との対比がいい。
まずはなにもかけずに、そのままで食べてみた。
炭火の香ばしい香りが広がった後に、口の中へと広がる肉汁が、たまらない。
牛肉の香りにもコーフンさせられる。
肉から「噛め、もっと噛め」と煽られる。
よくよく噛み締めているうちに気分は上気して、「俺は肉を食っているぞお」と、訳も分からず叫びたくなる。
そんなハンバーグである。
つまり肉肉しく、牛肉を食べている実感が高まるハンバーグなのであった。
このハンバーグを、外に広がる田園風景を見ながら食べる。
この雄大な気分は、ここに足を運んでこそ味わえる幸せだろう。
さて途中で味変をしてみよう。
ポン酢おろしソースをかけるもよし、ハンバーグには珍しいタルタルソースをたっぷりとかけるもよし(これが実に合うのであった)。
すると途端にご飯が恋しくなる。
あとはもう一直線、ハンバーグ、ご飯、ハンバーグ、ご飯と脇目も振らずに食べ抜けよう。
妙に油っぽくもないので、食後感もいい。
チャコールと肉の香りが、鼻のあたりに余韻として残っている。
せっかく来たので、もう一度ハンバーガーも食べてみることにした。
やはりここのハンバーグの姿は、神々しい。
バンズ、パテ、トマト、きゅうり、ナス、パクチーが、整然と積み重ねられ、美しい。
一瞬食べらうのをためらうほどの美しさがある。
だがためらっているわけにはいかない。
出来立てを大口開けて齧りつこう。
肉汁、炭の香り、肉の香り、野菜のみずみずしさ、パクチーの香りが、一気に弾けて渾然となって押し寄せる。
ときおり、ぬたソースや辛子をつけ、味変するのも楽しい。
おすすめは、窓を開けて、外の田園の香りとマリアージュさせて食べることである。
こんな体験は都会では味わえない。
病みつきになっても知らないよ。
高知県南国市岡豊町八幡「5019 PREMIUM FACTORY 南国店」にて