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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2023年10月22日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食おじさんことマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、高知市の大人気観光スポットで必ず寄りたい、わらび餅の「みっちゃんち」と「ハーブ仁淀川」を紹介します。
高知市の街路市「日曜市」に行くと、必ず寄る店が二軒ある。
その一軒が、みっちゃんこと、和田満代さんほか三姉妹で営んでいる「みっちゃんち」である。
先日、紹介したタコスの「MASACASA TACOS(マサカサタコス)」の隣にある。
【記事】大人気街路市「日曜市」でいただく豚のホルモンミックスタコス「MASACASA TACOS マサカサタコス」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記
高知市「鏡」の山の上から50分近くかけてやってきているのだという。
標高700m、高知市内とは温度が5度違う、まさに天空の里である。
「温度だけだったら天国ながやけんどね」。
そう言ってみっちゃんは笑われた。
みっちゃんは、そこで「幸せのわらび餅」を、毎日手作りしているという。
農業もやられているが「自分で食べれるだけ、やりゆう」と、農作物は売ってない。
蒸しパンや羊羹など、菓子類中心に商いされている。
そして、名物の「幸せのわらび餅」300円である。
丸い容器に入った、きな粉をまぶしたわらび餅が売られていて、注文すると、みっちゃんが黒蜜をかけて、手渡ししてくれる。
わらび餅の前に座って、ニコニコしているみっちゃんを見ているだけで、幸せな気分になる。
だから「幸せの」とつけたわけではないのだろうが、わらび餅を買ったのではなく、福を分けてもらったという気持ちになる。
買ったわらび餅を、店横の椅子に座って食べさせてもらった。
つるん。
ひんやりとしたわらび餅が、舌の上へ滑り込む。
きな粉のまあるい香りが、鼻をくすぐる。
わらび餅にそうっと歯を入れると、いやんと餅が粘る。
微かな抵抗をしながら餅が千切れると、コクのある黒みつの甘みが顔を出す。
舌触りも甘みも香りも、すべてがなめらかに、ゆっくりと溶けていく。
その、はかない食感がいい。
目を閉じると、霧に覆われた山里で、みっちゃんがわらび餅をひたすら作っている姿が浮かんできた。
そして、もう一軒、私が必ず立ち寄るお店が。
小松隆志さんがやられている「ハーブ仁淀川 」である。
東西に長い追手筋に沿っていろんなお店がある日曜市のなかでも、かなり西、高知城寄りの場所で、一人でやられている。
小松さんは、もともと姫路に住んでおられて、転勤で高知に来られたのだという。
住むうちに、食べ物が美味しいことと、子供にとって環境がいいことですっかり気に入り、移住された、
ある日「オーガニックマーケット」に行ったとき、「後継者募集」という紙が貼ってあったのだという。
元々植物が好きだったので、早速立候補をし、引退しようとしていた先代の老人から教えを受け、会社を辞め、そしてこの仕事を引き継いだのだという。
以前、ここでハーブティーを買ってから、すっかりファンとなった。
香りが純粋で淀みがない、身体や精神を浄化してくれる香りに満たされる。
また、ピクルスハーブセットというのも気に入っていて、キュウリやカブなどを自宅でピクルスにして楽しんでいる。
これもおすすめである。
ハーブ園は、日本有数の清流「仁淀川」の河口すぐ西側にある。
化学肥料や農薬、除草剤などは一切使用せず、日々、病害や害虫、雑草との闘いにあけくれているという。
また多品種少量生産で、年間を通して約100種類のハーブを育てている。
そして、ひとつひとつ、目で確認し、手摘みをされている。
さらに栽培から加工までを自家農園で行っているという。
移住されて13年目、ハーブ園を引き継いだのは平成14年、苦労の連続だったということだ。
しかし小松さんは、そんな苦労など微塵も見せずに、ハーブを売られている。
説明に、ハーブへの愛が満ち満ちていて、心が弾むので、ぜひ色々聞いてみて欲しいと思う。
今日も僕は小松さんのハーブティーを飲みながら、澄み切った仁淀川と晴れ渡った青空を思い浮かべている。
高知県高知市追手筋1丁目 ・2丁目 日曜市にて