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「鰻重でも、まぶし丼でもよし。土佐炭火地焼きのうなぎを食べよの巻」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その50

       

この情報は2019年5月5日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。

高知の人はうなぎ好きなのだろうか。

空港近くの「かいだ屋」も、ここ「源内」も、常に満席人気店である。

高知の蒲焼きは、関西式の地焼きといって、関東式が白焼きから蒸し、そしてタレをつけて焼くのに対し、蒸しの工程が入らない。

だから表面がカリッと焼かれているのが特徴である。

ここ「源内」も、一面べっ甲色に焼かれたうなぎに歯を立てれば、カリッと焼きあがって香ばしい。

表面の「カリッ」に対して、中はふわりと歯が包まれて、自然と笑顔が溢れる。

そして、タレの甘辛さと合わさって、猛烈にご飯が恋しくなる。

肝吸いは、珍しく焼いてから吸い物仕立てにしたもので、淡い汁の味にアクセントがつく。

この地焼きなら、うな丼に海苔やわさび、京ネギをのせた「まぶし丼」にしてみるのもいいだろう。

そのままいただくのもいいが、できることなら肝吸いの汁をかけて、お茶漬けにする。

うまいだろうなあ。

ご主人に、「地焼きはうなぎの質がでるから難しいでしょう」と問いかければ、「いい魚を選んでいるから、大丈夫です」と言う。

うなぎを「魚」と言うあたり、ただもんじゃないなと思い経歴を聞けば、養鰻、問屋、加工、と高知で長らくうなぎ関係の仕事をして、平成6年 に創業したという。

うなぎを知り尽くした方なのである。

今は宮崎の養殖鰻を中心に扱い、「いい魚は、やはり4本物だね」という。

4本とは鰻業者用語で、一キロに対し何本入っているかという目方を表す言葉で、4本物とは、一匹250g見当のうなぎを指す。

それがこのお重の長さと大きさになる。

だが、他店と同じように「シラスの値段が上がって、うなぎの値段も年々上がる」と嘆かれた。

店は、家族経営で、ご主人と奥さん、娘さんと二人の息子で切り盛りされている。

飲食店の基本である。

だから誠実な仕事が貫ける。

江戸時代に、うなぎの宣伝を一役買い、土用の丑とうなぎを結びつけたという平賀源内の名前をつけた鰻屋ですもの、うなぎの将来は大変だけれど、ご家族やお客さんのために頑張ってくださいね。

 

高知県高知市北御座「源内」にて