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カレーなのに頑丈?ダム湖畔でいただく強固で旨い名物「さめうらダムカレー」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2023年2月12日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論からテレビ・ラジオ出演に雑誌寄稿まで、超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は、高知県土佐郡土佐町の早明浦ダム湖畔の「さめうら荘レイクサイドホテル」でその名も「さめうらダムカレー」をいただいてきました。

 高知県土佐郡土佐町の早明浦ダム湖畔にある「さめうら荘レイクサイドホテル」のレストランにやって来た。

早明浦ダムは,高知県の土佐郡土佐町田井と長岡郡本山町吉野にまたがり,吉野川の河口から約 140km の位置に存在している。

レストランに入ると、床から天井までのガラス戸から陽光が燦々と刺し入り、広々とした湖と山、森が見渡される。

こういう環境の中で食べるご飯は、一味違う。

心がのんびりとして心地よい。

名物「さめうらダムカレー」とは、名前が安易であるが、他に例を見ないカレーであった。

果たしてどんな姿で、それは現れるのだろうか。

カレーが湖なのは想像できる。

だがダムは何で作っているのだろう?

ご飯かもしれないが、運んでくる間に決壊しそうである。

果たして現れしカレーのダムは、やはりご飯であった。

カレーの横で聳え立っている。

ご飯にまぶした、スリ黒ゴマは、セメントに見立ててあるのだろう。

ではカレーに浮いた赤と黄色のピーマンは、さしずめ船か。

聞いてみればカヌーだという。

まずカレーを一口。

出汁も肉も土佐あか牛だというカレーは、うま味が深い。

ダムの内側にはミルフィーユかつと野菜が添えられている

ミルフィーユかつは、まずそのまま食べて、一つはカレー湖に沈めてみた。

何か気持ち良さそうである。

食べてみれば、軽やかなカツがカレーソースをまとって、凛々しい味になっているではないか。

次にご飯とカレーをいく。

おお。ご飯はかなりぎゅうぎゅうに固めてある。

やはり決壊を恐れてのことだろう。

そうなると人の常として、わざと決壊させてみたくなる。

そこで作為的に決壊させてみようと試みた。

だが、カレーの粘度が高く、なかなか引力の法則が働かない。

どうやら同じことを考える人が多く、お店の方が「決壊は無理ですよ」と伝えても、やる人は絶えないという。

何度試みても、ダムは頑強でカレーは流れない。

だから決壊したように見せかけて、写真を撮ってみた。

大人気ないが、きっと誰もがはしゃいでそんなことをしてしまうのが、このカレーの魅力でもあろう。

こうして楽しみながら食べ進んでいたのだが、なかなか減らない。

強固に固めたダムご飯は、カレーのうま味でぐっと進むが、見た目より量が多く、なかなか手強い。

聞けば、これでご飯1.5合。ご飯茶碗3倍強あるのだという。

ダムおそるべし。

しかし上には上がいる。

なんと大盛りがあって、4合入っているという。

食べながら思った。

このダム型はどうやって作ったのだろう?

聞けば特注の型があるのだという。

そこで見せてもらった。

特大は凄まじい。

この中に4合のご飯が収納されるわけである。

いつかこのダムカレーを外のテラスに持ち出し、本当のダムと対峙しながら食べてみたい。

きっと、雄大な気分になれるのだろうなぁ。

高知県土佐郡土佐町田井「さめうら荘レイクサイドホテル」にて