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この情報は2023年2月3日時点の情報となります。
高知市中心部から西へ車で約2時間半。四国最南端の町・高知県土佐清水市にやってきた。
こちらにある集楽活動センター下川口家は2017年に設立され、農業や観光、生活支援やイベントなどを担当する「下川口家めぐみ」と直販所や弁当の受注を担当する「下川口家わくわく」、そして地産外商を行う「下川口家つむぎ」に分かれて活動している。
今回は、「下川口家つむぎ」が土佐清水市で古くから親しまれてきた郷土菓子「いももち」を作っていると聞いて、製造現場を取材させてもらった。
お話を伺ったのは、一般社団法人下川口家つむぎ 代表理事の溝渕友子さん(写真右)とスタッフの竹下百合子さん(写真左)。
「いももち」は昔から各家庭で作られてきた餅で、干し芋を餅と一緒についたものだ。
生のサツマイモを使用した「いももち」は他の地域にもあるが、それとは異なり、こちらで使っているのは干し芋。
「いももち」用に作られる干し芋は、薄く切ってさっと湯通ししたものを天日で10日間ほど干したもので、カチカチ状態の保存食だ。
この干し芋を蒸してもち米と一緒につき、砂糖と塩を加えたものが土佐清水市で食べられてきた「いももち」なのだ。
竹下さん:昔は米が稀少でした。そのため、正月に作って残った餅と干し芋をついて「いももち」を作り、旧正月などに食べていました。砂糖や塩も加えていませんでしたね。最近ではもち米と砂糖を加えて作るようになりましたが、元々はとても素朴なものでした。
溝渕さん:商品化できるまでには試作を重ねました。その甲斐あって、もち米、干し芋、甜菜糖、塩の4つの原材料で作る、甘さ控えめで干し芋の風味がわかる「いももち」が完成しました。
季節によって蒸し時間などの調整が難しく、試行錯誤をしながらの開発だったのだそう。
「いももち」に使用される干し芋には、「紅はるか」と「玉乙女」という2種類のサツマイモを使用している。きれいな黄色を出しながら、芋本来の甘みを感じられるようにとブレンドをしているのだそう。
この2種類の干し芋を蒸し、
餅つき機で、ホカホカの干し芋ともち米をつく。
そこへ甜菜糖と塩を加え、もう少しついたら完成。
干し芋の粒の残り具合など餅の状態を見ながら、丁寧に作っている。
溝渕さん:一度にたくさんは作れないですが、美味しく食べてもらえるようにひとつひとつ手間をかけて作っています。土佐清水で親しまれてきた郷土菓子「いももち」を、地域外の方にも知っていただき、食べてもらえると嬉しいです。
「いももち」はトースターで軽く焼いて食べる。
さっくりとした表面は香ばしく、中のねっとりとした食感が特徴的。
じんわりと干し芋の風味が口に広がり、素朴なのだが、どこか上品さも兼ね備えた美味しさ。
紫芋の方は、さらに芋の味を濃く感じた。
長く愛されている理由がわかる「いももち」の美味しさ。
ホッと安心できるような懐かしさと、作る人の優しさが詰まった郷土菓子だ。
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集楽活動センター下川口家
住所:高知県土佐清水市下川口998-1
TEL:090-9772-8261