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この情報は2022年5月27日時点の情報となります。
目次
今回、モニターとして登場くださるのは、関西人の男性2人。大阪でデザイン業を営む岡田麻樹(まき)さん(写真左)と、イベント設営業の喜多村和也さん(写真右)。2人は月に1回はいっしょにゴルフを楽しむ仲だそう。そんな2人に旅程もすべて任せ、1泊2日でどこまで高知を堪能できるのか、弾丸旅にチャレンジしていただきました。
ちなみに、今回2人はほぼ事前計画なしに高知へ出発。最終的に、次のような工程になりました。
◆タイムスケジュール
1日目(前半)
7:25 大阪伊丹空港発(ANA)
8:10 高知龍馬空港着
8:40 レンタカーで出発
10:00 土佐市「北原ふるさと市」
高知県の名産「文旦」を堪能
12:30 酔鯨酒造 土佐蔵見学(1時間)
14:00 野島鮮魚店
豪快「鰹のわら焼き」を見学
出来たての鰹のたたきを堪能
16:00 桂浜
龍馬像の前で記念撮影、浜を散歩
18:00 高知市内のホテルにチェックイン
では、それぞれの場所でどんな出会いがあったのか、ぜひその目でお確かめを!
関西と高知は案外近く、伊丹空港から高知龍馬空港までは、搭乗時間わずか45分。1日5便発着のANA午前7時25分発に乗れば、8時過ぎには高知へ到着します。
そこから空港近くでレンタカーを借りても、9時頃には空港を後にできます。スムーズに移動するなら、レンタカーの事前予約がおすすめです。
高知に到着し、レンタカーで土佐市へ向かう2人。
国道56号線を走行中、目に飛び込んできたのは「北原ふるさと市」。こちらは、地元のJAが運営している農産直売所です。お店の中を占めているのは、ほぼ「土佐文旦(とさぶんたん)」という高知県を代表する果物。大きなビニール袋いっぱいに入った土佐文旦を喜多村さんが手に取ります。
喜多村さん「うわっ、重い。ずっしりしてる」
岡田さん「どれどれ、ほんとやね。けど、とてもいい色をしてる。一つ買おうかな」
喜多村さん「僕も買おう。どこかで食べられそうなところはないかな?」
すると、お店のお母さんが「入り口にベンチがありますよ」と教えてくれました。2人が直売所の入り口に置かれたベンチに腰かけ、いざ文旦を食べようとしたものの、皮が厚くてうまくむけません。2人が四苦八苦しているところに、文旦を買いに来た地元のお母さんが通りかかります。
お母さん「手でむくのは大変でしょう?専用の道具があるんですよ。『ムッキーちゃん』っていう。それを使えば果肉は切れずに、皮の部分だけ切ることができるんです。直売所に売ってるから聞いてみるといいですよ」
お母さんのアドバイスどおりにムッキーちゃんを購入し、改めてベンチへ。あれほど手間取っていたのがウソのようにすんなりと皮がむけて、中からきれいな黄金色の果実が現れました。
一般的なミカンよりも房の大きな文旦ですが、その甘さはとても上品。そのうえ手に汁がついてもべとつかず、とても食べやすいのです。初めて食べた文旦に、岡田さんも喜多村さんもすっかり虜になり、2人は揃って「高知土産の一つは文旦にする」と決めたようでした。
「うまいなぁ」「これは止まらないね」そんな会話をしている2人の前を、お客さんが行き交います。
喜多村さん「次はどこに行こうか?」
岡田さん「そうだなぁ。高知は酒どころだから酒造には行きたいなぁ」
スマートフォンで酒造を検索すると、車で移動できる距離に酔鯨(すいげい)酒造を発見。しかも、酒造見学までできるそう。事前予約が必要でしたが、申し込み時間は見学時間間際まで受付中とのことで、早速申し込んだ2人。ですが、岡田さんにはまだ心残りがあるようです。
岡田さん「高知に来たからには、やっぱりカツオのタタキも食べたいなぁ」
その声に、直売所の入り口に差しかかったお母さんの足が止まります。
お母さん「どこから来られたんですか?」
喜多村さん「大阪です。お母さん、このあたりでカツオのタタキが食べられるおすすめのお店は知りませんか?」
お母さん「それなら、このちょっと先にありますよ。野島鮮魚店っていうお店でね。その場でカツオのタタキの藁(わら)焼きをやってくれる魚屋さんがあるの」
岡田さん「そこに行こう!」
喜多村さん「お母さん、ありがとね」
高知の人はとても気さくで親切だと聞きますが、まさにそれを体感した2人。まずは、お母さんが教えてくれた野島鮮魚店へ向かうことにしました。到着してみると、シャッターが閉まっています。どうやらまだ開店前のようです。
2人は一旦、野島鮮魚店を後にして、先ほど予約した酔鯨酒造へ向かいました。
画像提供:酔鯨酒造
キリッとした辛口のお酒「酔鯨(すいげい)」で知られる「酔鯨酒造」の工場は、高知市と土佐市にあります。見学できるのは、土佐市にある「土佐蔵」です。2018年9月に完成した工場は、一見ハイテク電子部品の工場のよう。係りの方の案内に従って、中へと入っていきます。
2人が予約をしたのは、12時30分スタートのコース。見学時間は、約1時間です。1日3回あるコースでは、いずれも10人まで見学可能で、見学者には2人のほかにも観光客の姿がありました。
岡田さん「すごい、近代的な酒蔵だなぁ」
喜多村さん「酒蔵って、もっと薄暗いイメージがあったけど、印象が全く違うね」
ほかの観光客も口々に感想を漏らす中、みんなで酒造の工程を順番に見て回ります。酒造の中は最新式の設備が揃っており、品質管理のために特に室温に気を配られているようでした。
画像提供:酔鯨酒造
観光客「日本酒のいい香りがしますね」
岡田さん「ほんとうに。(日本酒が)飲みたくなりますね」
観光客「最後に試飲ができるらしいですよ」
その言葉に、岡田さんの顔が輝きます。一方の喜多村さんは、少し残念そうです。レンタカーの運転があるため、飲みたくても飲めません。それを見ていた係りの方が、喜多村さんに声をかけます。
「仕込み水なら飲んでいただけますよ。うちで使っている仕込み水は、高知市の北部にある土佐山地区の湧き水をトラックで運んできたものです。本社の蔵でも使っている水で、ふたつの蔵でお酒の質が変わらないようにしているんです」
それを聞けば、仕込み水といえども飲まずにはいられません。いよいよ、コースの最後。岡田さんはできたての酔鯨を、喜多村さんは仕込み水をそれぞれいただきます。
岡田さん「実際に作るところを見せてもらうと、いっそう味わいが深いな」
喜多村さん「仕込み水もうまい。さすが、高知。名水の産地なだけある」
酒造見学を堪能した二人は、今日の記念にとグッズ売り場へ足を運びます。売り場には、酔鯨酒造の名を冠した「酔鯨」はもちろん、酔鯨酒造の銘柄が揃っています。ほかにも、酔鯨の名が入ったグッズがあり、レトロな前掛けはタペストリーとして壁に飾るのもよさそうです。
喜多村さん「その前掛け、カッコいいね」
岡田さん「これ、買おうかな」
さらに2人はそれぞれ酔鯨をはじめとした銘柄2、3本を手にして、再び野島鮮魚店へ戻りました。
野島鮮魚店は、ここでお店を開いて50年。ご主人は、大きなカツオを手際よく捌いていきます。刺身にする分は皮をはぎ、タタキにする分は皮をつけたままにします。
タタキは、お店の横に置いた大きなドラム缶に藁をくべて、一気にカツオの表面を焼いていく藁焼きスタイルです。屋外での藁焼きのため、その炎も驚くほどに豪快です。
岡田さん「これはすごい!」
喜多村さん「これは、大阪のみんなにも見せたいなぁ!」
そう言って喜多村さんが、ご主人の後ろからスマートフォンのカメラを向けます。ぱちぱちと藁のはじける音が聞こえ、かぐわしい香りが食欲をそそります。
そうしてできあがったタタキを皿に盛ってもらい、2人が早速箸をつけました。その味に、何度か高知でタタキを食べたことがあるという喜多村さんがたまらず唸ります。
喜多村さん「表面の香ばしさ、内側の身の柔らかさ、どれをとっても絶品だね」
岡田さん「初めての高知で、こんなにもうまいタタキが食べられるなんて最高だ。藁焼きも豪快だし、やっぱり本場は違うな」
そう言いながら、2人はあっという間に4人前を平らげました。2人のとても満足げな顔に、ご主人の顔もほころびます。次に2人が向かったのは、高知の観光スポットの中でも定番中の定番、桂浜です。
青空を水面に映した穏やかな太平洋が目の前に広がる桂浜。沖を見つめると、地球の丸さを感じるほど、雄大な風景が広がっています。花崗岩(かこうがん)などが粒状になり、珪砂(けいしゃ)になった浜辺を歩くたび、打ち寄せる波の音に混じってサクッサクッと軽やかな音が聞こえてきます。
そんな桂浜を見下ろす丘には、坂本龍馬像がそびえています。高さ5m30㎝、台座を含めると13mを超える像は、想像するよりも大きく圧巻です。せっかく高知へ足を運んだなら、やはり龍馬像は見ておきたいもの。
喜多村さん「かつて坂本龍馬が見た景色を自分もいま見ていると思ったら、なんだか不思議な気持ちになるね」
さあ、これで弾丸旅の1日目は終了です。と、言いたいところですが、まだまだ“今日”は終わっていません。せっかく大人旅として高知へ来たのなら、やはり夜も楽しまなくては。この後2人は、高知城にも近いホテルにチェックインし、しばしゆっくりしてから「夜の部」へと繰り出しました。
◆今回訪問した場所◆
【北原ふるさと市】
住所:高知県土佐市北地646
TEL:088-854-1811
【野島鮮魚店】
住所:高知県土佐市甲原682-1
TEL:088-854-0133
【酔鯨 土佐蔵】
住所:高知県土佐市甲原2001-1
TEL:088-856-8888
※酒蔵見学は、 10:30、12:30、15:00の1日3回。申し込みフォーム(https://suigei.co.jp/brewery/tour )からの予約が必要