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【大阪で食べられる土佐料理】大阪・梅田の買い物帰りに寄ってみたい「ごはん処 司 阪急三番街店」
この情報は2024年8月27日時点の情報となります。
大阪市西区には、「土佐掘」をはじめ「鰹座橋」や「白髪橋」といった高知ゆかりの地名があちらこちらにあるのをご存じでしょうか?
その理由は、江戸時代にまで遡ります。高知県の本山町で切り出された材木が、大阪市西区で流通。その縁で、二つの地域は深いつながりを持つようになったのです。
今回は、双方の歴史的なつながりと現在の関係性について、西区役所きずなづくり課長の大島一晃さんにお話をお聞きしました。
─高知の本山町と大阪市西区の関係は、材木の流通がきっかけで始まったそうですね。
大島さん:ええ。材木が運ばれてくるようになったのは江戸時代のことです。現在もそうですが、当時から本山町は材木の産地として栄えており、そこから運ばれてきた良質な材木が、今の大阪市西区あたりで盛んに流通していたのです。
─材木のほかに、高知から流通したものはあったのでしょうか?
大島さん:土佐の名産である鰹節の取引も行われていました。そのため、当時の西区には鰹節を扱う鰹座や、たくさんの問屋が並んでいたんですよ。
画像引用:西区役所ホームページより
─歴史的なつながりが地域の名前の由来になることはよくありますが、西区ではどうでしょうか?
大島さん:土佐掘といった名前のほか、鰹座が並んでいたあたりは「鰹座橋」、高知県白髪山を由来とした「白髪橋」といった名称として今も残っています。白髪山との縁は、かつて大阪が合戦で焼け野原になったその復興で、材木の提供を受けたことが始まりになっているんです。これら以外にも西区と高知の繋がりはまだありますよ。
西区には、土佐公園という「土佐」の名を冠した公園があります。ここには、土佐藩が厚く信仰していた土佐稲荷神社がまつられています。江戸時代、ここら一帯では土佐の物品を売買する問屋が多くあり、その土地を守るためだったと伝えられています。土佐とは、江戸時代だけでなく、明治に入ってからもずっと縁が続いていました。
─そういえば、三菱財閥の創始者で高知県安芸市出身の岩﨑弥太郎が、三菱財閥の前身である三菱商会を興していますよね?
大島さん:そうですね。明治時代、その頃には財政難に陥っていた土佐藩が運営する会社や資産は、岩﨑弥太郎が経営する九十九(つくも)商会に払い下げられました。それを機に岩﨑弥太郎が、のちの三菱グループにつながる三菱商会に屋号を改めたのがここ西区です。
画像提供:本山町役場
─歴史的に高知県との関わりが深い西区ですが、現在はどのような関わり方をされているのでしょうか?
大島さん:高知県本山町のパンフレットの配架やホームページに大阪市西区と高知県本山町との関わりを掲載して、歴史的な繋がりがあることを知ってもらおうと発信しています。
西区堀江で開催される地域イベント「にし恋マルシェ」のパンフレットにも掲載されています。
─「にし恋マルシェ」とは、どんなイベントですか?
大島さん:堀江公園・高台(たかきや)橋公園と「寶生教」境内の3か所でブースを作り、マルシェやワークショップなど地域のお店に出店してもらうという周遊型イベントです。毎年、子ども向けのブースもご用意していただいています。
このイベントは、区役所が主催しているものではなく、堀江の町おこしを積極的に行っている地域の方々によるものなんです。この方々と本山町の方々との出会いがきっかけになり、高知県本山町によるイベント協力が実現しています。区役所は共催で、広報支援を行っています。
─その出会いの背景には、どのようなご縁があったのでしょうか?
大島さん:それまでに何度も本山町の方々が、高知と大阪との絆をたどって西区に来られていたこともあり、本山町とは役所同士の交流が続いています。そのつながりから、本山町の方々と堀江の町おこしをしている「にし恋マルシェ」主催者との縁が生まれ、イベント協力に発展したんです。
画像引用:西区役所 広報紙「かぜ」
─区として、今後のきずなづくりについて展望をお聞かせください。
大島さん:コミュニティづくりを通して、お互いが助け合いながら生活できる環境づくりができればと考えています。というのも、西区はマンション建設が進んで人口が増加する一方で、単身世帯の増加とともに住民同士のつながりが希薄になっているように思うからです。
─課題解決のために、どのような取組みをされているのでしょうか?
大島さん:マンション管理組合のニーズを汲み取ったコミュニティづくりをしています。たとえば、子育てに関するコミュニティや年配の方向けの体操による健康づくりコミュニティなどです。そうしたコミュニティづくりを通して、住人同士のきずなが生まれるようなきっかけ作りをしているところです。
今後も、住民同士が交流できる機会を提供しながら、地域コミュニティへのきっかけづくりや区民の皆さんがお互いに助け合える環境を作り、より住みやすい街づくりができれば嬉しいですね。
画像提供:本山町 役場
─大島さんの高知に対する想いを教えてください。
大島さん:私自身は高知県出身ではありませんが、西区にいることで大阪市西区と高知県本山町との深いつながりを知りました。高知と西区の街と街、互いの人と人、企業と企業といった交流が盛んになれば、今後さらにお互いの街が活性化していくはずです。そうなれば嬉しいですね。
大阪市 西区役所
住所:550-8501 大阪市西区新町4-5-14
URL:https://www.city.osaka.lg.jp/nishi/
電話番号:06-6532-9683