観光, 商店街
データとアイデアで描く高知市中心エリア「帯屋町商店街」の未来
この情報は2020年10月16日時点の情報となります。
高知家の新しい家族をご紹介!人のあたたかさや、大自然が自慢の高知県。そこで暮らす人たちにフォーカスをあて、日々の生活や仕事について魅力を探る。
高知市中心部。60年以上もの間、地元に愛され続ける老舗美容室がある。
東京から移り住み、その美容室の経営を受け継いだ武井安代さんにお話を伺う。
高知県出身の武井さんは、東京で美容師の仕事を30年続けてきた。
渋谷に店舗を構えるなど、美容師としてのキャリアは順風満帆。美容師であれば誰もが羨むような夢を実現し、東京で過ごしていた。
そんな中、ふと将来のことを考えはじめた時に、地元高知での暮らしが思い浮かんだという。
久しぶりに帰省した同窓会では、高知で暮らす友人たちがとても輝いて見えたと語る。
その場の居心地がとても良く、「やっぱり高知は気取らず“素”の自分でいられる場所」だと感じたよう。
その後、悩んだ末にUターンを決意。「本当に高知で暮らせるのか?」という不安を抱えながら、何度か高知に足を運び、街歩きをして地域の下見を重ねたそうだ。
武井さんは東京で経営していた美容室をたたみ、地元高知の美容室に転職。しかし就職先は客層など、少し自分には合わないと感じていた。
そんな時に、美容組合の理事をされている方から「継業」の話を持ちかけられたそうだ。
資金面の不安があったが、金融公庫に相談することでクリアになり、継業への一歩を踏み出した。
受け継ぐ美容室は、特殊なパーマ施術をメインとした美容室だったため、オーナーである園子さんからその技術を学びながら共に働くところからスタートした。
普段は「園子先生」と呼び、その技術を学んでいる。
(写真左:武井さん、写真右:園子先生)
その後、2019年12月15日に「野ばら美容室」をオープン。
店名は高知を舞台とした映画「パーマネント野ばら」のタイトルから名付けた。とても高知らしさが溢れる店名だ。
東京で暮らしていた頃は、電車の中を見渡せば朝から疲れた顔ばかりで、時々息苦しさを感じる時があったという武田さん。
それに比べ、高知での暮らしはストレスフリー。自然を感じながらの通勤は、朝から開放的な気分で仕事に取り組めるようになったのだ。
高知には人懐っこい人が多く、都会のギスギスした感じがないところが魅力だと、ざっくばらんに話してくれた。武井さんには、高知での暮らしが合っているのだろう。
今は「野ばら美容室」を知ってもらうために、近所のカフェや飲食店にショップカードを置いてもらうなど広報活動に注力している。高知は協力的な方が多く、仕事をしやすい環境が整っているようだ。
週1のお休みの日は、市内からドライブがてら地元窪川(現在は大正町・十和村と合併し、四万十町)まで、ゆっくり自然を眺めながらドライブをする武井さん。
高知を離れ、都会での暮らしがあったからこそ、高知の魅力を再発見することができているのだと感じている。
私は日頃から「言霊(言葉に宿る力)」を大切にしています。
なんでも人に話すように心がけていて、美容室の「継業」に繋がったのも、きっと「言霊」のおかげではないかと思っています。
「こんなこと言ったら図々しいかも?」と思うくらいでも、声に出して伝えてみることで、想いが形になるかもしれません。高知の人はおせっかいなくらい世話好きな方が多いので、気軽に頼ってみてくださいね。
野ばら美容室
住所:高知県高知市廿代町15-19 ダイアパレス追手前 2F
電話:088-823-0775
「継業」に関するご相談はこちら
高知県事業引き継ぎ支援センター
http://www.cciweb.or.jp/kochi/hikitsugi/
情報提供
文/さたけゆうや