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【高知家の○○月間人気記事ベスト5】地元愛されグルメや高知の守り継ぎたい伝統をご紹介
この情報は2017年3月20日時点の情報となります。
今も現役の路線としては、高知県の路面電車が日本最古。ノルウェーやポルトガルなどの外国車両もあり、まるで「走る電車博物館」だ。車両基地で、さまざまな車両を激写してきたぞ。
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かつて数多くの都市で市民の足となっていた路面電車。しかし今や全国で19事業者(道路を走るのではない「専用軌道」を含む)。
そのうちの貴重なひとつが、高知市・南国市・いの町を走る路面電車だ。現在も運行している路線として日本最古の歴史を誇り、珍しい車両が多く残る、まるで「走る電車博物館」。
そこで、高知市にある「とさでん交通」の桟橋車庫で、数々の貴重な路面電車を取材させてもらった。
水色と白で鮮やかに塗り分けられた流線型のボディ。ちょっと近未来をも感じさせるこの198形は、1939年の製造で、とさでんの中でももっとも古い。
行き先表示に「ごめん」と書いてあるのは、べつに謝っているわけではなく、後免線の終点「後免町電停」だ。
ボディはアルミニウム製だが、当時の技術ではアルミ溶接ができなかったため、昔の船のようにリベットでつなぎ合わされている。
この車両は、ノルウェーの首都、オスロ市電で使われていたものをとさでんが購入。1992年から高知県を走っている。当初は、黄色と黒の塗装で工事車両として使用されていたが、昨年オリジナルの塗装が復活した。
輸入当時から、現役で走っている車両は「世界に3台だけ」というから、そのレア度がわかる。
ポルトガルの首都・リスボンの市電だった910形は、1991年に高知にやってきた。1947年にイギリスで製造された年代物だ。
フロントの出っ張りは、とさでん交通に来てから改造されたもの。
こちらはオーストリアのグラーツ市からやって来た320形。グラーツ市電ととさでん交通は、兄弟会社として提携している。
ドイツ語で書かれた車体広告が、当時のままに残されているのも異国情緒を刺激されるだろう。
土佐電気鉄道が開業した翌年、明治38年(1905年)につくられた車両を1984年に復元した人気の1両が、この『維新号』。
外観のレトロ感はもちろん、内装まで重厚で歴史を感じさせる風格がある。
じつは、維新号や外国電車は、エアコンの設備もなく、ツーマン運転のため、今は通常運行は行われていない。
しかし、貸し切りで運転(2時間走って3万5千円ほど)することができ、全国の鉄道ファンなどから年に30件前後の予約が入っているという。
貸し切るのも楽しいが、高知の街を走っている姿を見られるだけでもラッキーだ。
積み出し口が大きく開いたこちらの車両は、荷物専用の貨1形。車両は1952年製だが、台車の部分は創業当時からの100年物だという。
かつては軌条運搬などのトロッコ牽引などに使用されていたが、今はよさこい祭りの際に「花電車」として活用されている。
東京の山手線は、かつて「黄緑色」だったが、今は「銀色に緑色の線」という外観。以前の塗装は走っていない。
ところがとさでんは、3代にわたって以前のカラーが残されているのも魅力のひとつだ。昭和30年代に走っていた「深緑色+クリーム色」の塗装から…
2014年に土佐電気鉄道が高知県交通と合併するまでの青・赤・緑のラインが入ったデザインの車両。
さらに、とさでん交通となった以降のパステル調の車両まで。高知県にゆかりのある人は、どの時代に懐かしさを感じるかで、世代がわかるかもしれない。
『おきゃく電車』と書かれたこちらの車両は、お客さんを乗せるという意味ではない。高知県で「おきゃく」とは宴会のこと。
街なかを走りながら、車内で宴会をひらくことができるのだ。さすが酒文化が発達した高知と言える。
オリジナル塗装以外にも、広告を掲載した車両も少なくない。こちらは、3月4日に開幕した『志国高知 幕末維新博』の告知車両。幕末をリードした土佐の偉人たちが、歴史好きの胸をくすぐる。
市民の足であると同時に、113年の歴史を今につなぐ電車たち。見ても乗っても楽しい電車を、ぜひ体験してみよう。
とさでん交通
住所/高知市桟橋通4丁目12-7
※情報提供※ しらべぇ