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東京国際フォーラムで味わう“高知の軍鶏すき鍋”の破壊力に驚いた!「酒蔵レストラン宝」|美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記【高知家グルメPro】
この情報は2026年4月12日時点の情報となります。

年間700食を食べ歩く“美食おじさん”マッキー牧元が、高知の食材と料理を紹介する人気連載「高知満腹日記」。今回は、東京・新橋の「酒菜 浪漫亭」で旨さ王道の土佐料理をいただいてきました。
新橋の飲み屋街をすずぅーとあるいていくと、浪漫亭の看板が見えてきた。
「酒菜 浪漫亭」と書かれた紺色の暖簾をくぐると、靴を預け、板張り掘り炬燵のテーブルに座る。
カウンター 約八席、テーブル約36席の広々とした店である。
さあ何を食べようか。
まず選んだのが「ちゃんばら貝」と「りゅうきゅう」だった。
高知に縁のない人だとなんの料理かわからないだろう。
だが7年間も毎年通っていた身としては、思わず「懐かしい」と頼んでしまった。
かくいう二つの料理は、高知料理の店に行かねば、東京では食べることが叶わない。
「ちゃんばら貝」とは、殻の長さが約5〜7cm程度の小さな巻貝で、正式名称は、マガキガイという。

なぜチャンバラと呼ぶかといえば、殻の入り口にあるギザギザした蓋(爪)が細長い三日月型に変形した部分が、刀のようであることからこの名がついたそうだ。実際この貝は、刀のように振り回しながら移動するのだという。

高知に行けば、どの居酒屋にもあり、塩茹でや醤油で煮て食べる。
貝の身を爪楊枝で取り出して食べれば、ほんのりと甘く、食べるほどにじんわりとした旨味が募ってゆく。
小さき身を食べながら、日本酒を飲むのがたまらん。
次に「りゅうきゅう」であるが、これはハスイモの葉の茎部分で、酢の物にされることが多い。

食べれば、シャリシャリ、シャクシャクとした楽しい食感が弾み、味は淡いがクセになる。
これは必ずシェアするのでなく、一人一人前を頼むこと。
いろんな料理を食べながら、合いの手としてシャリシャリすれば、飽くことがない。
次にお願いしたのが「ニンニク入り土佐のすり身天」である。

高知のすり身天食文化の話は以前書いたが、実にバラエテイに富んだすり身天がある。
口にすれば、甘みがあって、これまた酒が恋しくなる。
さあお次は、「青海苔天ぷら」といこう。

四万十川をはじめとした高知の澄んだ河川では、かつて青海苔がたくさん採れた。
だが、温暖化の影響か、最近ではめっきり収穫量が減っている。
希少な青のりの天ぷらだが、何回もいただいて思うのは、当たり外れが激しい。
あちこちでいただいた経験から、中には香りが弱いものがあるのだ。
少し不安に思いながら、天ぷらを噛む。
最初はサクッと歯が入り、中の青のりに、ふんわりと包まれていく。
三、四回噛むと、青のりの香ばしい香りが立ち上って鼻に抜けていった。
そこですかさず司牡丹を飲み、酒の甘みと合わせれば、もう顔は崩れてしまうのだな。
次は「だし巻き卵」を頼む。

中に巻き込む具は、チーズ、青のり、明太子、ネギとあるがここはやはり、断然ニラである。
高知なら、ニラを食べんといかん
食べて笑う。
「やっぱりニラだな」と、大いに頷くのであった。
そしてこれも定番、店内にて藁で炙ったという「カツオのたたき」が運ばれた。

おおなんとも分厚く切ってある。
カツオは薄く切ってはいかん。
分厚いのが正義である。
口を大きく開けて食べれば、ムチっとして、鉄分の甘みが追いかけてくる。
このムチッとした食感があるからこそ、食べた先から勇壮な気分となり、酒も旨くなる(なにかにつけ酒が飲みたくなると、肴が旨いと書いてしまうのは、僕自身半分以上高知県民になったということだね)。
さあ、それでは締めと言ってみよう。
「土佐巻」を選んだ。

カツオ、ニンニク、生姜、しそを巻き込んだ太巻きである。
中央に巻かれた、カツオの深赤色が食欲を誘う。
ああ、これはいい。黄金のバランスではないか。
カツオが主張しすぎておらず、米や海苔、薬味と一体感があって、するりと食べてしまう。
締めだというのに、ひとつ、もうひとつと後を引き、止めることができない寿司なのであった。
高知出身の店長阿部大志さんみお話をうかがった。

東京に出てきて、30年やられているのだという。
「どんなお客さんが多いですか?」と、聞くと
「東京の方もいらっしゃいますが、土佐弁で会話をしながら飲まれる方も、大勢こられます。お酒の強い方が多いですね、菊の花(高知のお座敷遊び)も時々やられますよ」と、嬉しそうに語られた。
飲兵衛上等。やはり高知は楽しい。
酒菜 浪漫亭
住所:東京都港区新橋4丁目14-7
電話:03-3432-5666