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【高知家の〇〇 3月人気記事ベスト5】高知家人気記事ランキングTOP5!大阪・高知のグルメ情報がランクイン!
この情報は2026年4月2日時点の情報となります。


湯気の立つ器を前にすると、深紅のスープの色に少しだけ身構える。
箸で麺をすくい、恐る恐るすすった瞬間、舌の上で炎がぱっと広がる。
辛いけれども病みつきになる味。
額にじわりと汗が浮かび、鼻の奥がつんとする。
それでも箸は止まらない。
麺や具材を食べ終えるころには、不思議な充実感が胸の奥に静かに満ちていく。

ここは、高知市中心部から西へ車で40分ちょっとの、高岡郡佐川町にある町中華の名店「湖月飯店」。
冒頭は、人気メニューであるドラゴン五目そばを食べるときの感覚だ。
同町は人口約11,000人の小さな町。その郊外にある街中華に、なぜこんな美味しくて辛いラーメンがあるのか。
それは、この店が四川料理の流れをくんでいるからだ。

オーナーの岡添信一さん(70)は中学校を卒業後、料理の専門学校を経て、横浜や神戸で修業した。
その際に習得したのが四川料理。昭和51年に帰郷して開業したのが、「湖月飯店」だ。
「50年も前ですからねえ。当時は四川料理など誰も知らず、エビチリや麻婆豆腐などのメニューも、それ何?って感じでしたよ」

それでも、美味しくて安くてボリュームのある料理は、地元住民を中心に徐々にファンを増やしていく。
昼時になると、店の前の駐車場はすぐにいっぱいになり、店内には中華鍋を振る音と香ばしい匂いが広がるようになった。

岡添さんは一心不乱に中華鍋を振り続ける。
仕込みから数えると、15時間前後も働く日々の連続。
その努力が積み重なり、常連客は日を追うごとに増え、やがて地域になくてはならない人気店になっていった。
町内の常連客はもちろん多いが、独特の辛さが忘れられずに、町外や県外から足を運ぶ人も。親子三代で通う客も少なくない。

しかし、岡添さんも70歳を超え、体調が優れなくなってきた。
さらに長年支えて来てくれた妻の嘉子さん(67)が最近、倒れてしまったのだ。
「何とか続けて欲しい」という常連客は沢山いたが、やむを得ず3月初めに店を閉めたという。
「店の味の引き継ぎは無理なので、誰か希望者に店舗だけを引き継いで欲しい」というのが岡添さんの希望。
1階に30席、2階に約30人収容の部屋と6人部屋がある。
冷凍、冷蔵設備や食洗機などは新しい。駐車場は16台ほど収容できるスペースがある。
「50年間、本当にお客さんに可愛がってもらいました。たくさんの優しさを頂きました。有難いことです」
岡添さんが半世紀かけて築いてきた地域の憩いの場。
この店には店主と客の温かい思い出のやり取りが詰まっている。
紡がれてきた熱い思いを引き継いで、古い店舗に新たな命を吹き込んでいけるような、意欲ある後継者を探している。

湖月飯店
住所:高知県高岡郡佐川町甲1658

経営は上手く行っているのに、後継者がいないために廃業せざるを得ない――そんな悩みを持つ企業が全国的に激増し、大きな社会問題になっている。高齢化先進県である高知県は全国に輪をかけて、事業承継の課題が山積している。「県内での事業承継を少しでも増やしたい」。このコーナーは、事業を譲りたい人と受け継ぎたい人を繋ぐ連載です。
高知県事業承継・引継ぎ支援センター
電話:088-802-6002
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担当:藤井、野本